アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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参考資料:消費税と普天間問題

2010年06月28日 22時24分02秒 | 二大政党制よりも多党制
■消費税~「消費税をなくす会」のチラシ

 

【追記】 「還付金詐欺」にご注意を

 消費税は低所得者ほど高負担となります。それは、所得に占める消費支出(日々の買い物)の割合が、低所得者ほど大きいからです(税の逆進性)。しかも、直接税として直接納めるのではなく、間接税としてモノの値段に上乗せされる形で徴税されるので、その分痛みが自覚されにくいという、大型間接税・究極の大衆課税としての特徴も、併せ持っています。

 この税の逆進性に対する緩和策として、最近盛んに低所得層への税の還付方式の導入が唱えられています。しかし、こんな事で消費税の持つ前記の特徴が緩和されると思ったら大間違いです。何故なら、幾ら還付方式が導入されても、実際に還付金を受け取れるようになるのは、あくまでも翌年度でしかなく、しかも面倒な手続きを経る必要があるからです。その手続きも自己申告が基本です。それまでは、ずっと余分に徴税され続けなければならず、その間に失業・倒産・破産してしまったら何もなりません。

 そもそも、後で還付しなければならない位なら、最初から徴税しなければ良いのです。そうであるにも関わらず、国があくまでも消費税増税に拘るのは、前記の「消費税の旨み」があるからに他なりません。それで、先に取る物さえ取ってしまえば、もうこっちのもの。その後の還付も、財源は適当にどっかから(先取りした消費税からも)賄えばそれで良い。しかも、還付制度創設と引き換えに、「国民総背番号制」の導入で、全国民の所得捕捉も可能となる。
 つまり、あくまでも「先の増税」が狙いであって、「後の還付」なんて、「増税&国民総背番号制」導入の「餌」でしかない。しかも、その時になれば幾らでも口実をつけて値引き(反故に)する事も出来る・・・恐らく国は、それ位の感覚でいるのでしょう。こんな子供だましの「餌」に騙されてはいけない。



■普天間問題~琉球新報(6月13日付)意見広告版下(沖縄県統一連・同革新懇などによる共同の取り組み)

 

 同上・趣旨説明部分の拡大版
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依然としてチャンスを生かせない共産党

2010年06月28日 00時26分45秒 | 二大政党制よりも多党制
 選挙サンデー初日の日曜日。この日は私も仕事休みでしたが、色々用事があって、殆ど自宅周辺で過ごしました。
 その用事というのが、まず参院選法定1号ビラ配り。これは近所の共産党員のおじさんに頼まれていたもので、朝8時半から10時位まで、つかの間の梅雨の晴れ間を利用して、約350世帯に配布。気のせいか、訪問販売お断りのステッカーと水道・ガス料金滞納の通知が、配布中に以前よりも更に目につくようになった。幸福実現党のポスターが玄関先に張ってある家もあった。
 その後、10時半から12時まで、予約診療の鍼灸治療受診。これはいつも隔週日曜日に受診しており、この日は仕事も休みにして貰っている。そこは一回の治療で6千円もするが、腕が立つと評判で、いつも予約で満杯。ただ最近は、以前は殆ど自覚症状の無かった治療後の瞑眩(めんげん)現象(注:鍼治療Q&AのQ4参照)が少し出るようになり、少し倦怠感を感じるようになったので、それに給料日前の金欠という事情もあって、昼食後は夕方近くまで自宅で昼寝。
 そういう一日だったので、本当はもっとブログに書く事があるのだけれど、今日は少し、今日まいた法定1号ビラの内容について書いてみます。

 ビラは、大判サイズの両面刷りで、消費税値上げと普天間問題にそれぞれ1面を費やしたものでした。私からすると、どちらかと言えば総花的な内容の多かった従来のビラと比べ、肝になる争点2つに絞ったこのビラは、正に打ってつけのものであると感じました。そのどちらもが、その正体が明るみに出れば出るほど、政権与党や右翼ネオリベ野党と民衆との対立が露呈するテーマなのですから。だからこそ、自民党・民主党・「みんなの党」やその他の右翼ネオリベ新党も、本当は一刻も早く逃げ切りたいのを、表向きの「蛮勇」「改革」ポーズで精一杯ごまかしているのです。



 ただ、その訴え方がやはりまだまだ総花的で、私からすると不満の残る内容なのです。まずは消費税値上げ反対の方から取り上げますが、文章が多すぎの印象がどうしても否めません。もっと視覚に訴えれば良いのにと思います。
 「1世帯16万円負担増」という事で、年収別の増税額と負担総額が挙げられていますが、せっかく低所得層ほど負担が重くなる逆進性について説明しているのですから、ここは文章と総額比較の表だけでなく、もっとビジュアルに年収別負担率のグラフも載せたら、もっと良かったのに。
 この次の「でも、社会保障や財政再建のためなら・・・」「本当の目的は大企業の”穴埋め”です」の項でも、諸外国に比べて高いと言われる日本の法人税40%が、実際は様々な大企業優遇措置で、実際は諸外国と同じ30%そこそこで、10~20%の企業も少なくない事や、社会保険料の負担も諸外国よりずっと軽い(フランスの7割)事などについて、せっかくきちんと説明していても、ここも文章だらけ。ここなども、その前にまいた6・7月号「赤旗」号外に載っている「消費税導入後22年間の税収224兆円が、そっくりそのまま法人3税の減税208兆円に化けてしまっている」事を分かりやすく図解したグラフが折角あるのですから、これをそのまま法定ビラに転用すれば良かったのに。
 何故なら、今や、こんな基本的な事ですら知らない人が一杯いるのですから。それには、消費税導入当時はあれほど騒がれた、この税の持つ大型間接税(直接税とは違い徴税感が薄い)や税の逆進性(前述の説明参照)などの反民主的性格が、ここ数年はマスコミも殆ど取り上げない事が、その背景にあります。多分、官房機密費の毒がマスコミにも回っているのでしょう。その結果、まるで消費税増が避けられない宿命であるかのように、錯覚している人が増えてしまった。
 そこにもっと根本的にメスを入れないから、時間稼ぎのアリバイ作りの為に、しかも「増税の前に公務員削減=更なる福祉カットを」などと矛先そらしに躍起となっている「みんなの党」なんかに、お株を奪われる破目になってしまっているのです。



 これは、その反対側の面で取り上げられている普天間問題についても同じです。沖縄県民世論の84%が同じ県内の辺野古へのたらい回しに反対している事や、沖縄駐留の米軍海兵隊が専守防衛の抑止力なぞではなく米軍による海外侵略の軍隊でしかない事が、きちんと取り上げられているのは良いのですが、ここでも文章のオンパレードに終わっています。
 そして一番問題なのは、「沖縄県民世論の84%が辺野古移設に反対しているのが何故なのか」という、最も重要な事についての説明が、この項からごっそり抜け落ちている事です。こここそ一番重要なのに。米軍占領下で「銃剣とブルドーザー」によって土地を奪われ続けてきた沖縄戦後史を語らない事には、ここは絶対に理解できないのに。そして、ベトナム戦争や沖縄返還闘争を通して、安保や基地の問題がまだ見えていた60年代とは違い、日本本土では基地問題が見えなくさせられてしまって久しいのに。逆に、先述の「官房機密費の毒」や「北朝鮮問題」の影響もあって、更に本土と沖縄との断絶が決定的となっているのに。

 更にもっと欲を言えば、これは中国や北朝鮮の問題(核・拉致・人権抑圧)などに対して、左翼としてどう対応すべきかという、より根本的な問題を避けては通れないのですが、そこに対する言及が全然為されていないのも問題です。
 この件に関しては、右翼は「過去の日本は正しかった」「今の米国こそが正しい」と、まるで過去の日帝植民地支配や、今のアフガン・イラク侵略や、大資本による「派遣切り」搾取をも全て免罪するかのような主張で以って、この問題に臨んでいます。それに対して、本来は弱者の味方を任じる左翼こそが、日米の帝国主義・新自由主義にも、北朝鮮脱北者や中国ホンダ労働者、チベット・ウイグル等の少数民族やマイノリティーに対する搾取にも、共に最も鋭く反対すべきだし、また可能な存在であるにも関わらず、民族自決権などを言い訳にして、そこに一切切り込もうとはしない。
 だから、いくら大資本が新自由主義を欲しいままに国内で横暴な振る舞いをしようとも、民衆は左翼を支持せず「みんなの党」を支持してしまうのです。そこが、遠く離れた北朝鮮問題よりも米国支配下の財閥・軍部・特権支配層への反感が強烈なゆえに、ソ連東欧崩壊以後も左派が大きく躍進し続けている中南米諸国などと、日本との大きな違いです。
 本当はそこから問題を立て直さないといけないのですが、字数の限られた一枚の法定ビラでは、一遍にそこまで書くのは到底無理でしょう。しかし、少なくとも戦後の日本と沖縄の関係や、そこに秘められた沖縄差別の構造については、絶対に避けて通れない筈です。これは字数制限で言い訳できる問題ではない。これも、4月読谷村での9万人沖縄県民集会の写真を中央に据えるだけでも、全然受けての印象が違う筈です。

 このように、近年の共産党は、変な所で非原則的な所が見受けられます。それが、総花的な公約や、他党よりはポイントを抑えつつも、やはり肝心な点を見逃している上記の法定ビラの内容です。そのくせ、変に党派的な利益に拘っている所がある。
 例えば、先の消費税値上げ反対の問題でも、単に大企業優遇税制の問題だけで攻めるだけでなく、例えば2年前の秋葉原事件やこの前のマツダ事件とも絡めて、如何に日本が企業家天国に成り下がっているかを暴露すれば、もっと貧困層の人々から支持されるのに。そうしてこそ初めて、自民・民主や「みんなの党」・右翼新党には決して描けない日本の未来図を、大衆に分かりやすい形で提示できるのではないでしょうか。それで民主党や「みんなの党」に流れるような心情ネオリベ・プチブルの票なぞ、先方にくれてやれば良いのです。その代わりに、多くの貧困層の自覚・決起が促せるなら、寧ろそちらの方がより重要ではないですか。
 また、安保や民主党政権との対応では、社民党との間でもまだまだ大きな違いはあるにせよ、それでも東京・大阪・京都などの大都市圏の複数区や沖縄では、候補者調整によって左派の進出が可能なのに、相変わらず多党乱立のまま選挙戦に臨もうとしている。ここで左派が進出する事で、「みんなの党」とは違う未来を、国民の前に分かりやすい形で指し示す事が、今ほど求められている時はないのに。今こそ、一党派の利害を超えた階級的利害の獲得に向けて、綱領路線の一致や政策協定の有無とはまた別に、「よりまし政党連合」が追求されるべきではないでしょうか。そういう事を共産党が率先垂範する事で、逆に社民党にも同じ事を要求できるのに。

 今回の参院選は、民主も自民も過半数を獲得できないと言われています(東京新聞の予想記事など参照)。その一方で、「みんなの党」が躍進し、社共はその間に埋もれてしまうかも知れないと言われています。しかし、「みんなの党」が、所詮は自民・民主や右翼ネオリベ新党とも同類でしかない事は、既にこれまでの記事やこの前の記事にも書きました。そういう意味では、今回の選挙戦は、共産党や社民党にとっては、彼らの本性を暴き出す絶好のチャンスであると同時に、最後のチャンスであるかも知れないのです。これをみすみす指をくわえて、十年一日の如く、同じ選挙戦に拘泥しているようでは、参院選後の大連立も見据えて、国会比例定数削減や憲法改悪国民投票の実施を虎視眈々と狙っている、そういう意味では「何でもあり」の「なりふり構わない」彼の党たちによって、いよいよ息の根を止められてしまう事でしょう。

※尚、消費税と普天間基地の問題については、次の参考資料も是非ご覧下さい。自党の身近にある大衆団体が、折角こんなに分かりやすい資料を作っているのに、何故それをもっと活用しないのか。
コメント (10)
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