長野県の伊那谷に中川村という人口5千人余りの村があります。今年2月に村ぐるみで反TPPデモに取り組み、ネットでも話題になった所です。そこの村長、曽我さんという方ですが、この6月に村議会で、「国旗掲揚の際に何故礼をしないのか」と質問されて、こう答弁したそうです。
(引用開始)
たいへんありがたい質問を頂戴しました。ご質問の件については、村民の皆さん方の中にも、いろいろ想像して様々に解釈しておられる方がおられるかもしれません。説明するよい機会を与えていただきました。感謝申し上げます。
私は、日本を誇りにできる国、自慢できる国にしたいと熱望しています。日本人だけではなく、世界中の人々から尊敬され、愛される国になって欲しい。
それはどのような国かというと、国民を大切にし、日本と外国の自然や文化を大切にし、外国の人々に対しても、貧困や搾取や抑圧や戦争や災害や病気などで苦しまないで済むように、できる限りの努力をする国です。海外の紛争・戦争に関しても、積極的に仲立ちをして、平和の維持・構築のために働く。災害への支援にも取り組む。
たとえて言えば、日の丸が、赤十字や赤新月とならぶ、赤日輪とでもいうようなイメージになれば、と思います。
世界中の人々から敬愛され信頼される国となることが、安全保障にも繋がります。
これは、私一人の個人的見解ではなく、既に55年以上も前から、日本国憲法の前文に明確に謳われています。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
そして、憲法前文は、次のような言葉で締めくくられています。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う。
しかし、現状はまったく程遠いと言わざるを得ません。日本国は、名誉にかけて達成すると誓った理想と目的を、本気で目指したことが、一度でもあったのでしょうか。
東京電力福島第一原発による災害では、国土も、世界に繋がる海も汚染させました。たくさんの子ども達が、かつての基準なら考えられない高汚染地域に放置されています。そしてまた、安全基準も確立しないまま、目先の経済を優先して、大飯原発の再稼動を急いでいます。放射性廃棄物をモンゴルに捨てようとしたり、原発の海外輸出まで模索しています。
明治になって日本に組み入れられた琉球は、抑止力のためという本土の勝手な理屈で多くの米軍基地を押し付けられ、さらにまた美しい海岸をつぶして新たな米軍基地を造ろうとする動きがあります。イラク戦争に協力し、劣化ウラン弾で子どもたちが苦しめらることにも、日本は加担しました。兵器輸出の緩和さえ模索しています。
他にも、福祉を削り落として、貧困を自己責任に転嫁するなど、言い出せばきりがありません。ともかく今の日本は、誇りにできる状態から程遠いと言わざるを得ません。
しかしながら、誇りにできる状態にないから、国旗に一礼をしない、ということではありません。完璧な理想国家はあり得ないでしょう。しかし、理想を目指すことはできる。しかし、そのそぶりさえ日本にはない。それが問題です。
もっと問題なのは、名誉にかけて誓った理想を足蹴にして気にもしない今の日本を、一部の人たちが、褒め称え全面的に肯定させようとしている点です。この人たちは、国旗や国歌に対する一定の態度を声高に要求し、人々をそれに従わせる空気を作り出そうとしています。
声高に主張され、人々を従わせようとする空気に従うことこそが、日本の国の足を引っ張り、誇れる国から遠ざける元凶だと思います。
人々を従わせようとする空気に抵抗することによって、日本という国はどうあるべきか、ひとりひとりが考えを表明し、自由に議論しあえる空気が生まれ、それによって日本は良い方向に動き出すことができるようになります。
人々に同じ空気を強制して現状のままの日本を肯定させようとする風潮に対して、風穴を開け、誰もが考えを自由に表明しあい、あるべき日本、目指すべき日本を皆で模索しあうことによって、誇りにできる日本、世界から敬愛され信頼される日本が築かれる。日本を誇りにできる国、世界から敬愛される国にするために、頭ごなしに押しつけ型にはめようとする風潮があるうちは、国旗への一礼はなるべく控えようと考えております。
(引用終了)
http://www.vill.nakagawa.nagano.jp/index.php?f=hp&ci=10685&i=11049
http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-June/017629.html
せっかく今の憲法で平和や人権の理想を掲げながら、現実にはそれを踏みにじるような政治ばかり行われてきた為に、せっかくの理想も画餅に終わってしまっている。そのくせ、自分たちの不作為を棚に上げて、国民にばかり愛国心や誇りを持てと「日の丸・君が代」を強制してくる。
これでは本末転倒じゃないか。本当に国民に愛国心や誇りを持ってほしいと思うのであれば、「日の丸・君が代」を強制する前に、憲法の理想実現めざして努力するのが筋じゃないか・・・。
まことに格調の高い、堂々とした答弁ではありませんか。私は寧ろ、この様な答弁を堂々と述べる事が出来る曽我村長こそが真の愛国者であり、それを攻撃する石原・橋下やその他の保守改憲派こそよっぽど「反日」「非国民」ではないかと思いますね。
中川村役場のホームページも見ましたが、そういう村長の姿勢が、ホームページからもひしひしと伝わってきます。「日本で最も美しい村連合」に加盟し、「中川どんちゃん祭り」など伝統文化の継承にも心を砕き、農業や地場産業の発展に努めておられます。それも、弱肉強食・競争至上主義の自民党流エセ「美しい国」路線ではなく、村民一人一人を大切にし、「村民こそが主人公」の姿勢を貫く中で、真の「美しい国」実現に向かって努力しているのが、母子年金・児童手当・児童クラブ(学童保育)や村営住宅などの生活支援策からも充分見て取れます。だから、それをぶち壊すTPPには村ぐるみで反対したのです。恐らく原発再稼働にも同じ理由で反対する筈です。これこそが本当の「民主主義」であり「地域主権」ではないでしょうか。
方や、高校統廃合や保育所民営化、学童保育切り捨て、児童文学館の閉鎖。果ては「吉本や風俗だけが文化だ」と言わんばかりの態度で、大阪市交響楽団や文楽への補助まで打ち切る。教育を全て家庭の自己責任と切り捨て、「障害者は親の愛情不足によるもの」とまで言い放つ。大企業の金儲けの為にTPPにも諸手を挙げて賛成する。それで自国や他国の国民生活がどうなろうと知ったこっちゃない。骨の髄までアメリカべったり、財界べったりの中央集権・・・。そんな大阪のクズ橋下こそが、曽我・中川村長とは対極の非「民主主義」「地域主権」論者です。
橋下のいう「民主主義」も「地域主権」も、所詮は関西財界だけの為のものであり、住民の為のものでは絶対にないという事が、この一事で以ても明らかです。思い付きの「脱原発」も、今回の大飯原発再稼働容認で、単なる「一時の人気取り」にしか過ぎなかった事が白日の下に曝け出されました。それらを全て誤魔化し反対の声を抑え込む為に、「俺様の決めたルールには何でも無条件に従え」と、橋下は公務員への「日の丸・君が代」強制や思想調査を強行しているのです。
一体どちらが真の「民主主義者」で「愛国者」なのか、今更言うまでもありません。「大阪市と中川村の、一体どちらに住みたいか?」と聞かれたら、若し経済的事情さえ許すなら、私は迷う事なく後者だと答えますね。そんな人が他にも大勢いるのではないでしょうか。
自分の母校に愛着を持っている卒業生が、母校の統廃合なぞ、そう簡単に口に出来ませんよね。しかし、橋下は大阪の統廃合をいとも簡単に口にする。それもこれも、奴にとっては、大阪も所詮は自己の野望実現の踏み台にしか過ぎないからです。それ以前に、村議会でされたのと同様のテーマで質問されて、曽我村長のように理路整然と答弁できるかどうか、それすら怪しいものです。今の橋下なら即逆切れしかねません。この事だけで見ても、どちらが首長として相応しいか、もはや一目瞭然でしょう。
6.15再稼働抗議「危険な原発やめてくれ!」官邸前で怒り爆発!
・「危険な原発やめてくれ!」官邸前で怒り爆発!~1万人をこえる人々が結集
6月15日午後6時から、首都圏反原発連合有志がツイッターなどで呼びかけた再稼働反対官邸前抗議行動には、これまでもっとも多い1万人を超える人々が集まった。官邸前からメトロ沿いの歩道はぎっしり埋まり、警官隊もついに車道の一部を開放して、人並みの整理にあたった。「16日にも最終決定」と報道されるなか、人々の怒りはピークに達していた。「とにかく危険な原発を絶対にやめてくれ」「子どもを守りたい」「経済より命」「日本は民主主義国ではないのか」「なぜマスコミは反対の声を報道しないのか」オープンマイクで若者・サラリーマン・女性・主婦・学生が次々に訴えた。山本太郎、藤波心、民主党や共産党の国会議員もマイクを握った。この日、メディア陣も100名をこえた。(M)
・ありったけの抗議ぶつける!~再稼働反対 6.16官邸前アクションに600人
6月16日午前、怒りの市民は雨の中、早朝から続々首相官邸前に集まってきた。マスコミのTVカメラが多いが、市民の眼は厳しかった。「なぜ昨日の1万人を報道しないのか。あなたたちも共犯ではないのか」と批判の声が飛んだ。「原発いらない福島の女たち」の森園かずえさんは、マイクを握り「福島を繰り返すのか!絶対に許せない」と官邸に向けて、悲痛な表情で訴えた。午前10時すぎには、福井県知事の到着、閣僚会議の開催などの情報が流れてくる。抗議の参加者たちは、より官邸に近づこうと半数のメンバーが「官邸ウォーク」で裏手に回った。警察の妨害をはねのけ、もっとも至近距離の歩道で、約10分間「再稼働反対!再稼動やめろ!」のコールを上げ続けた。この様子を中継した「IWJ」の視聴数は1万を超えたという。最後に主催者の杉原浩司さんは「再稼働が決まったが当初の予定を大幅に遅らせることができた。今後は実質的に稼働させない運動を拡げていこう」と檄を飛ばした。(M)
(以上、レイバーネット日本:6/17日更新)
http://www.labornetjp.org/
オウム逮捕よりも重要な上記のニュースを何故マスコミは報道しない? これは原発だけではなく例えば消費税の問題にしてもそうだ。今も過半数の国民が増税反対なのに、増税賛成の閣僚会合や民主・自民・公明との談合・駆け引きばかり報道して。これでよく「日本は北朝鮮やミャンマーとは違う」とか偉そうに言えるな。本質的には何ら変わりないじゃないか。情報操作も大概にしろよ。
マスコミは目先の金儲けと自身の保身だけを考えて特ダネ・スクープ確保に走る。権力はそんなマスコミの足元を見て、批判封じと引き換えに情報を番記者にリークする。マスコミはそのリークを恭しく特ダネとして報道する。そんなものは特ダネでもなければスクープでもない。ただのリークにしか過ぎない。本当の特ダネは、社会の不正義や人権侵害への怒りをバネに、自らもぎ取るものであって、権力から有難く頂戴するような代物ではない。しかし、ジャーナリズム精神を失ったマスコミは、リークと特ダネの区別もつかず、御用記事をどんどん垂れ流す。
そんな御用記事には何の価値もない。前回取り上げた産経の通り魔報道なんてその典型だろう。あの記事にあるのは興味本位の容疑者の「あら捜し」だけで、犯罪の社会的背景や解消にむけての対策は何もないのだから。あんな記事を幾ら読んでも、一時の鬱憤晴らしになるだけで、犯罪の予防には全然ならない。せいぜいが「警察や政府の言う事をよく聞きましょう」という事にしかならない。犯罪を生み出す貧困や差別はずっと放置されたまま。そんなので犯罪がなくせる筈がない。マスコミにとっては、ああいう三面記事ほど「楽して稼げるネタ」はないのだから。
今一番ジャスミン革命やオキュパイが必要なのは日本じゃないのか。「嫌なものは嫌だ」と選挙で悪政に終止符を打ったフランスやギリシャの国民の方が、「下見て暮らせ」何とやらで石原や橋下や小沢におすがりするしか能のない奴隷日本人よりも、よっぽど偉いわ。
※記事のタイトル名を当初の「なぜマスコミは悪政抗議の声を報道しないのか」から改題し、転載記事の一部と動画を最新版のものに差し替えました。
・「危険な原発やめてくれ!」官邸前で怒り爆発!~1万人をこえる人々が結集
6月15日午後6時から、首都圏反原発連合有志がツイッターなどで呼びかけた再稼働反対官邸前抗議行動には、これまでもっとも多い1万人を超える人々が集まった。官邸前からメトロ沿いの歩道はぎっしり埋まり、警官隊もついに車道の一部を開放して、人並みの整理にあたった。「16日にも最終決定」と報道されるなか、人々の怒りはピークに達していた。「とにかく危険な原発を絶対にやめてくれ」「子どもを守りたい」「経済より命」「日本は民主主義国ではないのか」「なぜマスコミは反対の声を報道しないのか」オープンマイクで若者・サラリーマン・女性・主婦・学生が次々に訴えた。山本太郎、藤波心、民主党や共産党の国会議員もマイクを握った。この日、メディア陣も100名をこえた。(M)
・ありったけの抗議ぶつける!~再稼働反対 6.16官邸前アクションに600人
6月16日午前、怒りの市民は雨の中、早朝から続々首相官邸前に集まってきた。マスコミのTVカメラが多いが、市民の眼は厳しかった。「なぜ昨日の1万人を報道しないのか。あなたたちも共犯ではないのか」と批判の声が飛んだ。「原発いらない福島の女たち」の森園かずえさんは、マイクを握り「福島を繰り返すのか!絶対に許せない」と官邸に向けて、悲痛な表情で訴えた。午前10時すぎには、福井県知事の到着、閣僚会議の開催などの情報が流れてくる。抗議の参加者たちは、より官邸に近づこうと半数のメンバーが「官邸ウォーク」で裏手に回った。警察の妨害をはねのけ、もっとも至近距離の歩道で、約10分間「再稼働反対!再稼動やめろ!」のコールを上げ続けた。この様子を中継した「IWJ」の視聴数は1万を超えたという。最後に主催者の杉原浩司さんは「再稼働が決まったが当初の予定を大幅に遅らせることができた。今後は実質的に稼働させない運動を拡げていこう」と檄を飛ばした。(M)
(以上、レイバーネット日本:6/17日更新)
http://www.labornetjp.org/
オウム逮捕よりも重要な上記のニュースを何故マスコミは報道しない? これは原発だけではなく例えば消費税の問題にしてもそうだ。今も過半数の国民が増税反対なのに、増税賛成の閣僚会合や民主・自民・公明との談合・駆け引きばかり報道して。これでよく「日本は北朝鮮やミャンマーとは違う」とか偉そうに言えるな。本質的には何ら変わりないじゃないか。情報操作も大概にしろよ。
マスコミは目先の金儲けと自身の保身だけを考えて特ダネ・スクープ確保に走る。権力はそんなマスコミの足元を見て、批判封じと引き換えに情報を番記者にリークする。マスコミはそのリークを恭しく特ダネとして報道する。そんなものは特ダネでもなければスクープでもない。ただのリークにしか過ぎない。本当の特ダネは、社会の不正義や人権侵害への怒りをバネに、自らもぎ取るものであって、権力から有難く頂戴するような代物ではない。しかし、ジャーナリズム精神を失ったマスコミは、リークと特ダネの区別もつかず、御用記事をどんどん垂れ流す。
そんな御用記事には何の価値もない。前回取り上げた産経の通り魔報道なんてその典型だろう。あの記事にあるのは興味本位の容疑者の「あら捜し」だけで、犯罪の社会的背景や解消にむけての対策は何もないのだから。あんな記事を幾ら読んでも、一時の鬱憤晴らしになるだけで、犯罪の予防には全然ならない。せいぜいが「警察や政府の言う事をよく聞きましょう」という事にしかならない。犯罪を生み出す貧困や差別はずっと放置されたまま。そんなので犯罪がなくせる筈がない。マスコミにとっては、ああいう三面記事ほど「楽して稼げるネタ」はないのだから。
今一番ジャスミン革命やオキュパイが必要なのは日本じゃないのか。「嫌なものは嫌だ」と選挙で悪政に終止符を打ったフランスやギリシャの国民の方が、「下見て暮らせ」何とやらで石原や橋下や小沢におすがりするしか能のない奴隷日本人よりも、よっぽど偉いわ。
※記事のタイトル名を当初の「なぜマスコミは悪政抗議の声を報道しないのか」から改題し、転載記事の一部と動画を最新版のものに差し替えました。