アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

当ブログへようこそ

 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!

 これが、当ブログの主張です。
 詳しくは→こちらを参照の事。
 「プレカリアート」という言葉の意味は→こちらを参照。
 コメント・TB(トラックバック)については→こちらを参照。
 読んだ記事の中で気に入ったものがあれば→こちらをクリック。

台湾革命、万歳!

2014年03月28日 09時46分59秒 | その他の国際問題

運動のシンボルであるヒマワリを持つデモ隊。このため、台湾では太陽花學運との呼び方もある。(以上、wikipediaより転載)

 台湾における反TPP運動の高まりについて書かれた下記二つのレポート記事を緊急転載します。
 同国での学生による国会占拠のニュースについては私も聞いていましたが、詳細については、メディアが殆ど取り上げない事もあって、今までよく分かりませんでした。下記のレポートを読んでよく分かりました。中国を米国に、台湾の馬英九政権を日本の安倍政権に、サービス貿易協定をFTAやTPPに、その強行採決を日本の秘密保護法採決のそれに当てはめれば、台湾での闘いがそのまま日本にも直結する事は明らかです。
 但し残念ながら、今の日本には台湾の様な学生運動の盛り上がりは見られませんが、かつては日本でも同様の盛り上がりがありましたし、今もそれは反原発運動などの形で現れています。それに対する政府の弾圧のやり口もそのまんまです。台湾での反搾取闘争を当ブログも断固支持します。


サービス貿易協定は1%の大資本による99%の富の収奪(IWJ)

 占拠の発端となった「サービス貿易協定」とは、台湾と中国の間で、金融、保険、広告、宅配、汚水処理、ホテル、レストラン、娯楽・スポーツ施設、運送、クリーニング、美容、葬儀施設など、幅広いサービス分野で、「互いの市場を開放する」協定である。しかし実際には、中国側の開放は地域が限定されていたり、台湾企業の中国への事業参入のハードルが高いなど、極めて台湾に不利な不平等条約となっている。

 例えば、中国の起業家は台湾の銀行にお金を払うことで、3年間台湾に移住でき、ビザの更新も無制限に行うことができる。一方、台湾の起業家も中国への移住が可能だが、その場合は会社の株式の50%以上を中国政府に渡さなくてはならない、などの条件が盛り込まれている。豊富な資本を持ち生産から小売りまでが一体となっている中国企業が、台湾の中小企業の生存を脅かすのは必至だ。

 こうした内容から、日本の報道では「台湾が中国に飲み込まれる事に反発した学生らの行動」という報じ方がなされている。確かに抗議には台湾独立派の姿も多くみられる。しかし、この問題の本質は少し異なる。

 18日に立法院を占拠した学生らは宣言の中で、「同協定への反対は、『相手が中国なら何でも反対』ということではない。同協定の最大の問題は、貿易自由化が大資本にだけ利益をもたらすことにある」と訴えている。さらに、「同協定は、中国と台湾が統一するか独立するか、という問題ではなく、少数の大資本家が多くのの農民と労働者と中小工業者を飲み込む階級問題であり、台湾の若者の未来を奪う生存問題だ」と語っている。

 馬総統は23日の記者会見で、「同協定の遅れは、台湾のTPPやRSEP(東アジア地域包括的経済連携)参加にも影響をおよぼす」と訴えた。つまり、馬政権にとって「サービス貿易協定」は、TPPやRSEPへの通過点に過ぎない。その先にあるのは、1%の大資本による99%の富の収奪である。

 学生らも宣言の中で、「協定の本質は、WTO、FTA、TPPと同じだ」と指摘している。台湾が直面するこの事態は、TPPで米国に不平等条約を迫られる日本、米韓FTAで不利な条件を飲まされた韓国、そして国内1%の超富裕層が残りの99%の富を食い物にする米国など、世界中で行われている「多国籍資本による経済植民地化」という構図で共通している。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/131463


教育学者・佐藤学先生による台湾速報(2014.3.24-25)。(内田樹のTogetter)

台湾にたまたま招聘中の佐藤学先生から生々しい速報が届きました。日本のメディアではあまり報道されていないこともありますので、ネット経由で現地の情報をお知らせ致します。

「台湾からの速報です。昨日から台北に来ていますが、こちらでは馬英九が中国との貿易協定を強行採決する動きを示したことから、中国資本によって台湾が植民地されることを怒った何万人もの学生たちが、立法院(国会)に押しかけて占拠し、立法院の中に100人が常駐してその外を1万人の学生が守る状態がすでに一週間続いています。一週間とはいえ、国会は学生の支配下にあります。学生たちの中心は台湾大学と精華大学の学生で、この二つの大学の学長と教授の多くは学生支持を言明し、二つの大学は学生が自由に行動を行えるよう、1週間の休講を昨日宣言しました。

さらに23大学の学長が学生支持を表明しています。機動隊が全国から動員されているのですが、その機動隊も非公式ながら学生支持を表明しています。すごいことが起こっています。

ところが今日になっておそらくは国民党の謀略ですが、市民と学生の過激派が暴力的に行政院を占拠し、これを口実に武力による制圧が必至という危険な状態です。私は、二つの大学の招待講演と大学院の集中講義で昨日から台北に滞在しているのですが夜は立法院を訪れて学生に支援のエールを送っています。(注:この行政院占拠は過激派によるものとの評価に対しては別の識者から異論が提起されている)

学生たちは整然と行動していて、佐藤先生はその秩序立った行動に歴史の転換点に比すべき意義を感じておられるとのことでした。大学が学生の行動を公的に支援するということは日本では絶対に考えられない事態ですが、それについての報道は僕はまだ見ておりません。報道されているのでしょうか?

台北の佐藤学先生から続報が入りましたので、お知らせします。「22日土曜日から台北教育大学大学院の集中講義、淡江大学と台北教育大学と台北市教育局の招待講演で台北に来ています。到着直後、学生が占拠している立法院に出かけ、その後3日間情報の収集をつとめました。まず報告したいのは日本の報道はこの事件に無関心ですし、「学生の暴動」として誤った報道を行っています。この事件は、もともと馬英九大統領が独裁的に中国との自由貿易協定(TFA)を結ぶことを強行採決したことに怒った学生たちが立法院を包囲し、かつ100人の学生が立法院内に入って占拠したことです。

中国との貿易協定が締結されれば、中国資本が台湾を乗っ取るのは必至で、この闘いは文字通りの「売国奴」(馬英九・国民党)と「愛国者」(学生・市民)の対決になっています。22日に立法院を訪問して感銘を受けたのは、学生たちの冷静で誠実で思慮深い闘い方でした。

彼らの中心は台湾大学と精華大学の学生たちで台湾のトップエリートたちです。立法院の内部には学生が100人、そして学生の統制下で機動隊が40人が入り、一定時間で交代しています。機動隊も学生たちの行動には非公式ですが賛同を表明していて、お互い交代時には拍手で相手をねぎらう関係でした。

この立法院の周囲には、日によって異なりますが、数千人から5万人の学生と市民が座り込んでおり、立法院の学生たちを守っています。この状態で、月曜日から立法院の占拠が開始され、国会は機能停止になり、すでに1週間になります。静かな緊張状態が続いていましたが、一昨日の日曜日に馬英九が国際記者会見を行い、学生たちを違法者と批判し、まったく対話に応じないと宣言したことから、その夕刻、学生の一部が行政院への突入を呼びかけ始め、立法院の学生たちは制したのですが、馬の対応に憤った過激な学生たちが強行突破于して行政院を占拠しました。

その夜11時から機動隊の実力行使によって行政院の学生たちの逮捕と排除が7派にわたって暴力的に行われ、朝には、行政院の占拠は解かれました。その間に学生の160人以上が負傷しています。この行政院の占拠には、私の見たところ、明らかに暴力団の一部が紛れ込んでいたと思います。

その一部の暴力団が行政院の内部の破壊行為を行い、それがテレビや新聞で報道されました。内部の破壊は断じて学生の行動ではありません。そのことは行政院と立法院の内部の学生たちから情報をえています。この行政院の制圧からこちらでもメディアの報道は「学生の暴動」というニュアンスを強めています。

昨日、テレビ局が世論調査を行って報告したのですが、貿易協定には台湾国民の63%が反対。行政院の学生の途中には58%が反対し31%が支持、行政院の学生たちの機動隊による実力行使による排除は58%が反対し31%が支持です。

重要なのは、この世論調査で学生たちの立法院の占拠に対しては51%が支持し反対は38%であり、さらに立法院の学生の要求に応じて馬英九大統領は学生との対話に応じるべきだという意見は835(注:83%の誤りか?)に達していることです。すなわち、過激な学生たちの行政院の占拠について国民は支持していないが、 それに対する機動隊の実力行使に対しては反対しており、立法院の学生の占拠は国民の多数が支持し、学生の対話の要求は国民の大多数が賛同していることです。

さらに、台湾大学と精華大学は学長が学生支援を表明し、すべての授業を一週間休講にして学生たちに国会(立法院)の集会とデモに参加するよう呼びかけましたし、国内23大学の学長が学生支持を表明し、著名大学の多くが大学を休講措置にして学生の行動を支援しています。(注:23大学→53大学に訂正との追記あり)

「台湾を愛する」という旗が集会では無数に掲げられています。休講措置を学長がとっていない大学では、教授たちが立法院で授業を行って学生を支援しています。私のいる台北教育大学も月曜日から水曜日は学生が校内にほとんどいなかったようです。

ほとんどの学生たちが、立法院の集会とデモに参加していたのです。おもしろいのは、集会の周りに台北の風物の夜市の屋台が並んでいることですが、これらの屋台も夜市の業者の学生支援の行動で、無料で食べ物を提供しています。

立法院の学生たちは、実に思慮深く誠実に行動していて、誰もが「学生たちを尊敬する」と語っています。こうして7日目を迎えました。日本の報道そして一昨日から台湾のテレビ報道も行政院の機動隊の実力行使の場面を中心に報道していますが、行政院の占拠は一部学生の突発的行動であり、政治的には意味がありません。政治的に意味があるのは行政院ではなく立法院であり、大多数の学生と市民は立法院の学生たちの賢明な行動を見守り支援しています。今後の推移は予測がつきません。

立法院を占拠している学生たちに実力行使が行われると、国民に潜在している歴史的な怒りに火がついて台湾は内乱状態と革命状態になるでしょう。そのことを馬も国民党も知っているので、このままの膠着状態が続くでしょう。最後に、学生たちの賢明で勇気ある行為を讃えたいと思います。」(以上)

http://togetter.com/li/646735

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする