この間の大雨による水害で、岡山・広島・愛媛・福岡などで大きな被害が出ました。私の知人も、岡山県倉敷市に住んでいます。「倉敷市の真備町が水没してしまった」とのニュースが流れ、LINEで安否を気遣う投稿があふれる中で、私も少し動転してしまい、下記の投稿を行いました。
●西日本の水害、テレビ報道以上に大変な事になっている。岡山県真備町では高梁川の氾濫で町全体が冠水。広島県でも山陽本線や呉線の駅に自動改札機が埋もれる位、土砂が流れ込んでいたり、岐阜市では長良川が決壊で全市に避難指示が出ていたり。
●でもNHKも民放も、「気をつけろ」と言う割には、具体的な被害の様子を全然報道しない。それで、各地の被災者がしびれを切らして被災地の写真をツイッターに拡散希望のタグ付けて流している。
●それなのに、テレビは災害報道そっちのけでオウム真理教信者の死刑執行を大々的に流したり、安倍は災害対策本部も未だに立ち上げず、15分間公邸に出勤したきり私邸に帰って静養。自民党も議員会館で総理や復興大臣も総出で宴会。バカじゃないの
●確かにマスコミの災害報道は少しおかしい。今朝(7月8日)のNHKニュースも災害報道そっちのけでW杯のライブ映像なぞ流してる。確かに大阪では雨も上がり晴れ間がのぞいているが、横の字幕にもある通り、鉄道運休や高速道路の通行止めが今も続いているのに。
今日は日曜だが、同僚と休みを振り替えた為に出勤しなければならないのに。天気予報ぐらい流せや!
●マスコミの災害報道
神戸西郊の山陽電鉄の線路に土砂が流れ込み電車が立ち往生、乗客を避難誘導(実際の被害報道はこれだけで後は運休情報のみ)
実際の被害
広島県内の呉線の駅では自動改札も土砂で埋まり復旧の目処が立たず
これ位の開きがある。
その後、岡山の知人の無事が確認され、被災地も倉敷の市街ではなく、そこから離れた郊外の旧真備町である事が分かりました。私も落ち着きを取り戻し、下記の投稿をLINEに流しました。
●岡山・真備の水害の件。地域一帯が水没した映像がニュースで流れ、そこが「倉敷市真備町」と伝えられた事で、私も慌てましたが、同じ倉敷でも、中心市街地から離れた旧真備町だったのですね。××ちゃん(知人の名前)とこは無事という事で、ひとまず安心しました。
●しかし、真備町がなぜあんなに浸水したのか?調べてみたら、ここでは過去に何度も大きな水害が起こっています。高梁川に合流する小田川の流域で、三方を山に囲まれ、高梁川が合流点下流で湾曲している。こんな谷あいの場所で大雨に見舞われたら、谷が天然のプールみたいになってしまう。
●それと、倉敷にしても広島の水害にしてもそうですが、「平成の大合併」で市町村のエリアが広がった所に、被害が集中している様な気がします。合併で自治体の面積・人口は増えたが、実際は高齢化や公務員のリストラで、中心市街地から離れた地域まで目が回らなくなっている。幾ら住民がSOSを発信しても、対応できる人がいなくなってしまっているのではないでしょうか。数年前の紀州大水害が正にこうでした。
数年前(2011年9月)の紀州大水害については、私のブログで取り上げていました。和歌山県田辺市の例を引いて、合併前は海沿いの旧市域だけ見てれば良かったのが、「平成の大合併」で熊野本宮あたりまで市域が広がってしまった事で、山津波にも警戒しなければならなくなった。しかし、地域の高齢化や行政機関のリストラで、市役所も地元の消防団も、住民からのSOS通報に対応できなくなってしまっている・・・という内容でした。
真備町の例は決して他人事ではありません。例えば、大阪府の東大阪市や大東市、松原市も、よく水害に遭う土地ですが、それは何故だと思いますか?それは「河内」という、あの付近一帯の旧国名を思い浮かべれば分かります。
あの付近一帯は、太古の昔は大阪湾の内海でした。海水が引いた後も、今は無き茨田池(まんたのいけ)や深野池(ふこのいけ)といった大きな池があちこちに点在していました。大和川も、大和盆地から大阪平野に出た後は、今のように西に流れるのではなく、北の方に流れ、いくつもの川に分かれた後、あの付近で寝屋川に合流していました。そして地形も、東の生駒山地、南の金剛・葛城山系、西の上町台地と、三方を山や台地に囲まれた谷状の形になっています。寝屋川を高梁川、大和川を小田川に置き換えれば、真備町と全く同じです。
私の今住んでいる大阪・西成の「あいりん地区」も例外ではありません。「あいりん地区」の旧称「釜ヶ崎」は、海岸で塩を煮る釜があった事から付いたとする説があります。つまり海沿いの低湿地でした。1973年以前の旧町名が表示された西成区の地図を見ると、今の「あいりん地区」(右上地図の北東=右上隅)は、「東入船」「西入船」「甲岸」「海道」「今船」「今池」「曳舟」と、海や川にちなんだ旧町名だらけです。こんな所に津波が来たら、ひとたまりもありません。
ところが、今の安倍政権と言ったら・・・。
●一説によると、政府が災害対策本部を立ち上げないのは、安倍の外遊に差し障りがあるからだそうだ。
7月14日のフランス訪問で、パリ祭(仏革命記念日)の軍事パレードを自衛隊幹部と閲兵し、改憲ムードを盛り上げたいから、実際の被害は余り報道しないのだとか。
●北朝鮮ミサイル騒動の時もそうだったが、散々Jアラートで国民の不安を煽りながら、自分達はモリカケで私腹を肥やし料亭三昧。国民の事なぞ、どうでも良いのだ。
議員同士の親睦を深めるために、自党の議員事務所で打ち上げをする事まで否定はしません。しかし、多くの国民が大水害で被災し、衣食住にも事欠く状態にあるというのに、総理大臣や防災大臣が、災害対策本部も立ち上げずに、内輪の宴会にうつつを抜かし、それを堂々とツイッターに上げる神経が理解できません。
しかも、この宴会では、オウム信者幹部7名の死刑執行を翌日に控える中で、参加者はあろうことか、刑務官が死刑執行のボタンを押す真似をして、親指を立ててボタンを押すしぐさをしていたのだとか。いくら相手がサリン事件の死刑囚でも、これは無いでしょう。相手が死刑囚ならオモチャにしても良いと思っているのでしょうか?これが総理大臣や法務大臣のやる事ですか!
政府は7月8日になって、ようやく災害対策本部を立ち上げました。しかし、安倍首相が外遊に出かけるので、首相が本部長となる「緊急災害対策本部」ではなく、国務大臣が本部長の「非常災害対策本部」にしたそうです。その外遊は本当に必要なのでしょうか?自分の人気取りと、災害救援の、一体どちらを優先すべきなのか?そんな事も分からない首相なら、もう退陣してもらうしかありません。(注:外遊も周囲に言われて渋々取りやめたそうです。自民党総裁選のウリにしたかったのに、さぞや残念な事でしょうw)
安倍首相は、「大規模災害に対応するためにも、憲法改正で緊急事態条項を設けて、災害時には総理大臣に権限を集中させなければならない」と言いますが、こんな「裸の王様」に権限を集中させてしまったら、それこそ取り返しがつきません。大規模災害に対応するためにも、「裸の王様」には一刻も早く退陣してもらわなければなりません。
●首相動静―7月7日:朝日新聞デジタル
【午前】9時44分、官邸。10時1分、7月5日からの大雨に関する関係閣僚会議。11時49分、東京・富ケ谷の自宅。【午後】自宅で過ごす。
百歩譲って5日の酒盛りの席ではまだ大雨被害の全貌が掴めなかったとしても、7日には陣頭指揮が取れたはず。ところが翌6日も普段通りの公務をこなしただけで夜は会食。防災については何もなし。7日になっても上記の通り防災関係の会議に少し出ただけで後は自宅で静養。それが8日になって急に「救出は時間との勝負だ」と言い出した。安倍は完全に国民を舐めている。安倍に大甘な世論がそれを更に増長させている。