アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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極右でもバカよりはマシという不毛の自民党総裁選

2018年09月18日 10時14分39秒 | モリカケも忖度もない公平な社会を

昨日フジテレビ等で放送された安倍・石破の自民党総裁選対決。ロシアのプーチン大統領が提唱した無条件平和条約締結の是非に議題が移った途端に安倍はしどろもどろに。中韓には偉そうに振る舞う癖に米露には何も言えない。それを冷笑する石破。

平和条約は国境画定できて初めて結ぶものだ。「無条件の条約批准では領土を売り渡したも同然」と詰め寄る石破に、安倍は何と「原則論ばかり言っていても何も始まらない」「経済交流を足掛かりに対話継続」「経済協力は日本企業にとっても利益になる」と。経済協力も否定はしない。でも、原則を蔑ろにして利益だけを追求するのでは、「金儲けの為なら国を売っても構わない」と言うのと同じじゃないか!

北方領土問題が前進しないのは第二次大戦の敗戦処理を日本が曖昧にしてきたからだ。日本が言う北方領土とは、国後(くなしり)、択捉(えとろふ)、歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)の四島を指す。そのうちで歯舞、色丹は北海道の一部で、厳密には千島列島には含まれない。残りの国後、択捉も幕末の日露通商条約で日本への帰属が確定している。それより北の千島列島も1875年の樺太・千島交換条約で平和的に日本がロシアから手に入れたものだ。ちょうどアラスカを米国がロシアから手に入れたのと同じやり方で。

 しかし、その後の南樺太は日本が日露戦争でロシアから奪ったものだ。日露戦争の後、日本は韓国併合を行い、やがて満州から中国、東南アジアへと侵略の手を伸ばし、欧米とも対立して、第二次大戦で全面降伏する羽目になった。侵略で奪った樺太や台湾、朝鮮、満州等も敗戦で当然手放さざるを得なくなった。

ところが旧ソ連は、日本が戦争で奪った樺太(サハリン)だけでなく、本来日本固有の領土であるはずの北方領土を含む千島列島も、戦後のどさくさに紛れて不法に占領してしまった。ヤルタ協定の密約で、英米がソ連の不法行為にお墨付きを与えてしまったからだ。戦後、日本はポツダム宣言やサンフランシスコ講和条約を受け入れ、平和・民主国家として再出発する事になったが、その一方で、この様な曖昧な形での敗戦処理をそのままにしてきた。これは米国の原爆投下やソ連の日本人シベリア抑留と並ぶ連合国による国際法違反の戦争犯罪だ。

この曖昧な敗戦処理を正すには、日本が戦後、平和・民主国家として再出発した事を明確にした上で、連合国による国際法違反に対しても、是正すべき点はちゃんと主張しなければならない。事実、共産党はこの観点から、北方領土だけでなく全千島の返還を実現する為に、講和条約の千島条項改定を国際社会に要求している。これが北方領土問題における「原則的立場」だ。ところが安倍政権は、ポツダム宣言すら本音では認めたくないので、米国やロシアにも強く出れないのだ。過去に起こした自国の侵略戦争の罪すら認めない国が、他国の侵略行為に対して強気に出れる訳がない。

私はその上で、将来的にはアイヌ自治区みたいな自治政府創設も視野に入れるべきだと思う。ちょうどカナダのイヌイット自治区やデンマークのグリーンランド自治政府の様な。何故なら、その土地に一番古くから住んでいたのは彼ら先住民なのだから。

以下、参考までに今年9月14日付赤旗「重大な外交的失墜 安倍首相に外交担う資格なし」から引用。

―日本共産党の志位和夫委員長は13日、国会内で記者会見し、ロシアのウラジオストクで行われた「東方経済フォーラム」(12日)で、プーチン大統領が、安倍晋三首相らを前に、「年末までに前提条件なしで(日ロ)平和条約を結ぼう」と呼びかけたのに対して、首相が反論・異論を唱えなかったことについて、「重大な外交的失態だ。安倍首相に外交を担う資格はない」と厳しく批判しました。(以下略)

同じく、2016年10月16日付同紙「日露領土交渉の行き詰まりをどう打開するか「日ソ共同宣言」60周年にあたって」からも引用しておく。

―日本共産党は、日露(日ソ)領土問題の解決の政策として、(1)北海道の一部である歯舞、色丹については、中間的な友好条約によって速やかな返還を求める、(2)千島列島返還を内容とする平和条約を締結する――という段階的解決を主張してきた。(その上で)戦後処理における不公正を、「領土不拡大」という国際的な道理に立ちもどって是正する(以下略)

それに対し、安倍政権は領土問題に対しても、経済協力でお茶を濁そうとしている。その矛盾を石破は突いたのだ。石破も同じ自民党員で、安倍と同様に、日本の過去の侵略戦争を自衛戦争だと言って憚らない極右団体の日本会議に属している。憲法改正でも、主張は安倍とは若干異なるものの、憲法9条改悪を目指している点では安倍と同じだ。その一方で、「西欧のアジア植民地化を口実に、日本の韓国併合を容認するのは、他人が泥棒したから自分もして良いと言っているのと同じだ」と、時には正論を吐いたりもする。この総裁選公開討論の時も、正にそんな感じだった。

ところが、安倍は「原則論ばかり」と石破をいなすだけだった。しかし、原則を貫いてこそ初めて対話も出来る。無原則で優柔不断な相手とは交渉も出来ない。それを石破は指摘しているのに、安倍とは最後まで話がかみ合わず。安倍がやたら口にする「国を守る」という常套句も、本音は「企業の金儲け」擁護でしかない事がこれではっきりした。

安倍の言う「愛国」や「保守」も、守るのは国でも国民でもない。大企業の利益だけだ。だから「国を守る」と言いながら、TPP(環太平洋経済連携協定)や種子法廃止で食糧自給や「食の安全」を投げ捨てる様な事も平気で出来るのだ。沖縄・普天間の米軍基地返還の身代わりに、同じ沖縄の辺野古を米国に差し出す様な恥知らずな真似も平気で出来るのだ

他にも、格差問題で「アベノミクスで潤っているのは大企業だけで実質賃金は逆に下がっている、地方や中小企業も疲弊している」との石破の指摘に対し、「経済が拡大すれば労働分配率(人件費/利益率)は一時的に下がる」と言い訳に終始し、格差問題に本気で向き合おうとはしなかった。確かに有効求人倍率や最低賃金は上がったが、増えたのはろくでもないブラック企業求人ばかりだ。もう第2次安倍政権になって5年以上も経つのに。安倍の言う「一時的」とは一体いつまでを指すのか?

果ては森友・加計問題で、「許認可権持ってる行政官が業者と接待ゴルフをしたら談合になるからダメだ」という話をしているのに、安倍は「ゴルフではなくテニスや将棋なら良いのか?」と話をはぐらかす。ただ屁理屈こね回し、目を左右に盛んに泳がせ、全然視点が定まっていない。石破に痛い所を突かれて動揺しているのが素人目にも見て取れる。これでは石破ならずとも冷笑するしかない。

安倍は一枚看板の拉致問題でも、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に続き米国トランプ政権も北朝鮮との直接対話に踏み切った今も、トランプ頼みで「訪朝のチャンスを伺う」と繰り返すのみ。挙句に石破から「外国頼みではいけない」と釘を差される始末

今度の自民党総裁選は、もはや政策とかより以前に「ちゃんと人の話が聞けるかどうか?」という低レベルな事が争点になりつつある。少なくとも石破はまだそれが出来るが、安倍はそれすら出来ない。今まで「安倍も石破も極右だからダメだ」と思っていたが、今はもう「極右でもこんなバカよりはマシか」と思い始めている。しかし、幾ら安倍がバカだと言っても、同じ極右の石破に期待しなければならないようになるとは…。

私は当初、安倍も石破も似たり寄ったりだと思っていたので、自民党総裁選にもほとんど関心は無かった。ところが、今回その安倍・石破の二人の公開討論を見て、その余りの酷さに驚いている。極右で「軍事オタク」の石破ですら、安倍と比べたら遥かにまともに見えてしまうのだ。日本の戦後70年の歩みは一体何だったんだろうか?これで果たして先進国と言えるのだろうか?

私の言っている事が嘘だと思うなら、FNN(フジテレビ系列)でもTBSでも良いから、自民党総裁選公開討論の動画を一度自分で確認してみたら良い。一番良いのは日本記者クラブが9月15日に行った討論会のノーカット中継だが、何せ数時間もある長尺編集なので、よっぽど時間がないと見れない。前述の民放の数分間の動画でも、安倍のバカぶりがよく分かる。但し、NHKのニュース動画は、安倍にとって都合悪い部分は全てカットされているから、余りお勧めはしない。それなら、まだ民放の動画を見る方がよっぽどマシだ。安倍は公開討論自体も拒否しているので、動画検索には意外と手間取るが、それでも「論より証拠」「百聞は一見に如かず」だ。

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