アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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辺野古移設の是非を問う2月24日の沖縄県民投票を是非成功させよう!

2019年01月21日 15時43分30秒 | 沖縄の犠牲の上に胡坐をかくな

 

change.org署名「20万筆を超えた米ホワイトハウスの請願署名に続こう!『沖縄県民投票』にすべての沖縄県民が等しく参加できるように、沖縄県内の全市町村で実施されることを求めます。」https://twitter.com/afghan_iraq_nk1/status/1086121452313632768

元山仁士郎(もとやま・じんしろう)という方がいます。沖縄県宜野湾(ぎのわん)市出身の27歳の青年です。東京に出てきて一橋大学の大学院に通っていましたが、休学して地元・宜野湾の市役所前で4日間に渡り座り込みのハンガーストライキを行った方です。ハンガーストライキ(略してハンストとも言う)というのは、抗議の絶食ストライキの事です。水分・塩分以外の食料摂取を全て拒否して抗議の意思を示す行動です。彼が何故そこまでしてまで抗議しなければならなかったのか?それを簡単に説明します。

宜野湾市の中心部には普天間(ふてんま)米軍基地があります。基地が市の中心部に居座り、住宅がそのまわりを取り囲んでいます。大阪市に置き換えて説明すると、ちょうど阿波座から堺筋本町まで米軍基地に占拠され、梅田から難波に移動するにも、ぐるっと遠回りしなければ行けないような状況です。市民は、戦闘機が離発着するたびに騒音に悩まされ、常に墜落の危険と隣り合わせの生活を強いられて来ました。

そういう危険な基地なので、同じ沖縄本島の東海岸にある辺野古(へのこ)に移設しようという話が持ち上がり、政府は辺野古沖の海を埋め立て、そこに基地を移そうとしています。しかし、この普天間に限らず、沖縄の米軍基地はその全てが、そこにいた住民を銃剣とブルドーザーで無理やり追い出して造成されたものです。「本来なら無条件に返還されて然るべきなのに、何故、わざわざ日本が金を出して、絶滅危惧種のジュゴンやサンゴ礁を破壊してまで、アメリカの為に代わりの基地を作ってやらなければならないのか?これでは基地の県内たらい回しに過ぎないではないか!」という事で、反対運動がずっと続いて来ました。

沖縄では、最近の国政選挙でも知事選挙でも、移設反対、基地の無条件返還を掲げた候補がずっと圧勝してきました。もはや普天間基地の無条件返還が民意である事は明らかです。そうであるにも関わらず、政府はこれ見よがしに辺野古沖の埋め立て工事を強行して、県民が諦めるのを待っているのです。そこで、改めて沖縄県民の意志を示そうと、この2月24日に、辺野古移設の是非を問う県民投票を行う事が、沖縄県議会で決まりました。

ところが、県内自治体の中で、石垣・宮古島・沖縄・うるま・宜野湾の5市だけが、市議会の議決を理由に、県民投票を実施しないと言い出したのです。この5市でも、市民の約6~7割が県民投票実施を求めているにも関わらず。言うまでもないことですが、県民投票では投票の秘密は守られます。移設賛成派も反対派も自由に自分の意志で投票できます。ところが、この5市の市長は、「賛成・反対の二択だけでは踏み絵にしかならない。このままでは県民同士の対立が後々まで尾を引く事になる。普天間基地もずっと宜野湾市に居座ったままになる。かくなる上は、県民投票を移設容認・反対・移設止む無しの三択方式に変えるしかない。その要望が受け入れられない限り、県民投票は実施できない」と言い出したのです。

一見もっともらしい主張ですが、そこには二重、三重のペテンが隠されています。まず、「移設容認」も「移設止む無し」も「移設賛成」に変わりはありません。移設に「賛成」か「反対」かだけを問う住民投票なのに、何故、「賛成」に繋がる選択肢だけ2つも用意して、「賛成」票の水増しを図るようなやり方に変えようとするのでしょうか?本当は移設反対なのに、「やむを得ず移設に賛成」に持って行くような姑息なやり方で、公正な投票が行われるとはとても思えません。

実は、かつて私が住んでいた大阪府高石市でも、隣の堺市との合併の賛否を問う住民投票で、このような「水増し」三択方式が採用されようとした事があります。合併に賛成・反対の二択しかないのに、わざわざ「合併止む無し」という選択肢を付け加えて、合併賛成票の水増しを図ろうとしたのです。しかし、この事で逆に「こんなデタラメな事をする市長では支持できない」という声が見る間に広がり、直後の2003年の市長選挙では、当初安泰と思われた合併推進派の現職市長が、まさかのダブルスコアで落選する結果となりましたv。

さまざまな争点をめぐって争われる国政選挙や地方選挙とは違い、単一の争点をめぐって争われる住民投票では、選択肢は「賛成」「反対」の二択しかあり得ません。それ以外に、どうしても「賛成止む無し」という選択肢も付け加えたいと言うのであれば、同様に「反対止む無し」の選択肢も付け加えなければ公平とは言えません。しかし、元々争点は一つしかないのに、何故そんな集計に手間のかかるような事をしなければならないのか?それなら、最初から「賛成」「反対」の二択で決を採った方がマシです。

それでは「県民同士の対立が後々まで尾を引く事になる」と言いますが、その対立を生み出したのは一体誰でしょうか?住民を追い出して強引に作られた基地なのに、無条件返還を拒否して、基地移設の名のもとに、新たな基地を作ろうと埋め立て工事を強行している政府ではないですか。「普天間基地もずっと宜野湾市に居座ったままになる」という言い訳に至っては、もう噴飯もの以外の何物でもありません。これまで散々、普天間基地撤去や日米地位協定改定に反対してきた連中が、今さら「基地の居座り」を心配するようなポーズを取ったところで、何の説得力もありません。

県民投票実施に反対した5市の市議会議員たちにしても、最初からそれを公約に掲げて議員に当選した訳ではありません。全く別の公約を掲げて当選し、その後で浮上してきた県民投票の議論の中で、自分が表立って移設反対と言えないから、投票そのものを握りつぶそうとしているだけなのです。県民投票実施に反対している5市だけで県人口の約3割を占めます。その5市でも、移設賛成派も含め市民の過半数以上が投票実施に賛成しています。そうであるにも関わらず、何故、3割もの県民の投票権が奪われなければならないのでしょうか?

だから、かつては政治に無関心だった元山さんが、「こんな事で投票の自由、政治参加の権利が奪われるのは納得できない!」と、わざわざ東京の大学院を休学してまで、地元の沖縄県宜野湾市に帰ってきて、地元で「県民投票推進の会」を立ち上げ、市役所前で抗議のハンストを始めたのです。元山さんのハンストは、ドクターストップがかかって4日目に中止せざるを得なくなりました。ハンストは一つ間違えば自分の命にも関わる危険があります。こんな事、売名目的で出来る事ではありません。

そこまでしてまで抗議しなければならないのは何故なのか?建前上は民主国家とされるこの国で、議員の都合で投票の自由も奪われ、それを取り戻すためにハンストまでしなければならないようになったのは何故なのか?「基地に奪われた土地を返せ!これ以上自然を破壊するな!」という沖縄県民の願いを、何故、安倍政権を筆頭に、「保守派」や「愛国者」を自称する輩が「アメリカのポチ」宜しく、政府と一緒になって攻撃するのか?そんな重要なニュースなのに、何故、本土のメディアはほとんど取り上げず、どうでもよい芸能ニュースや三面記事ばかり流して、お茶を濁そうとするのか?

そのどれか一つでも納得できない方は、是非、上記の署名にご協力をお願いします。ハンストそのものは一時中断の止む無きに至りましたが、県民投票実施、辺野古移設に名を借りた新基地建設に反対の取り組みは、まだまだこれからも続きます。県民投票実施まで辺野古の工事をストップしてほしいと米国政府に直接請求する署名も、全世界から20万筆以上も集まりました。タレントのローラや「りゅうちぇる」、映画「ボヘミアン・ラプソディ」のモデルになったロックバンド・クイーンのギタリスト、ブライアン・メイなどの各氏も、この署名に協力して下さいました。その声を是非広めて下さい。

※今朝書いた記事を次の点で若干手直ししました。①署名をより時宜にかなったものに差し替えました。②県民投票の形式(二択か三択か)について、地元の例も引いて論考を補強しました。

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