ブログのコメント欄で、「今住んでいるホテルの共同浴場の臭いが気になる」という話から、「やっぱりキッチンやトイレ・風呂も付いた物件に引っ越すべきだ。外食だけでなく自炊もすべきだ。別に炊飯器でなくてもドンキで格安の電気鍋を買えば、炊飯だけでなく他の調理も出来る。電気ケトルでもうどんなら茹でられる…」という話になり、遂に買いました。近くのドンキで税抜き1980円の電気グリル鍋を!
それを機に、今まで買っていた朝食用の買い置きのパン以外に、電子レンジでも鍋でも炊けるお米・うどん、レトルトの味噌汁・カレー・サバ缶、お米をバックのまま食べるのも気が引けるので食事用の食器を幾つか、近所のドンキ・イズミヤ・ダイソーで買って来ました。お米は5食分、味噌汁は3食分、パンは3袋で4日分。まずは、うどんを鍋で茹でて昼食にしました。失敗した時の為に、お握りも2つ買い込みました。
ネットで色々調べたら、電気ケトルに直接お米と水を放り込んでお米を炊いた動画もアップされていました。( ̄◇ ̄;)
動画の主は「美味しい、美味しい」と言って食べていましたが、ケトルにこびり付いたご飯粒を洗い流す手間を考えると、これだけは流石に実行する気にはなれませんでしたw。
まずは昼食編。グリル鍋のプレートにサーモスタットの付いたコンセントを差し込み、温度調節ダイヤルを回すと、料理に応じた加熱が出来る仕組みになっています。プレートに流し込む水の分量はケトルに付いた目盛りを目安にします。
そのグリル鍋にうどんを入れて茹でるのですが、うどん袋に書いてある250mlでは麺が水に浸からないので、倍の500mlほど鍋に入れました。最初うどんがなかなか解れなくて困りました。
そして、お湯が沸騰したら、火薬スープも鍋に入れてかき混ぜ、うどんをお椀に入れました。ところが、次に鍋の火薬スープをお椀に入れようとしても、熱くて入れる事が出来ません。ハンカチで鍋の両端を抑えながら、両手でようやくお椀に鍋の中身をよそう事が出来ました。うどんの味は美味しかったものの、鍋に500mlも水を入れたものだから、ダシを飲み干すのに苦労しました。
食べたら次は洗い物です。たかがうどんダシでも、水で洗っただけでは鍋の滑りは落ちません。鍋の取扱説明書には、サーモスタット差込口が水で濡れたら大ごとなので、水では洗い流さず中性洗剤を浸した布で拭き取るように、とありました。しかし、近くのコンビニには弱アルカリ性洗剤しか売っていません。仕方なく電車に乗ってスーパーに中性洗剤を買いに行きました。
次に夕食編。私の住んでいる物件は水道も共同です。パウダールームの水道なので、自宅の様に汚水を垂れ流す訳には行きません。食器洗いや食べカス、食べ残しの手間を最小限に抑えなければなりません。そこでレトルト商品中心に自炊生活を進める事にしました。
サトウのご飯にレトルトのカレー・丼を組み合わせる事にしました。これなら鍋は汚さず、食器洗いだけで済みますからね。レトルト・カレーの中では銀座カレーが一番美味しいと聞いていましたので、少々値は張りますが、銀座カレーのレギュラーとチキンの2種類を揃えました。その上で、カレーばかりでは飽きるので、親子丼・中華丼・牛丼の3種のレトルト丼も買いました。
しかし、レトルトのカレーや丼は商品が薄っぺらいので、平型のグリル鍋でも簡単に湯せん出来ますが、分厚いサトウのご飯を湯せんしようとしたら、鍋一杯に水を浸さなければなりません。そんな事したら沸騰時に鍋が溢れかえってしまいます。
しかも、湯せんが終わるまで15分もかかります。そんなに待っていたらカレーの方が冷めてしまいます。そこで、湯せんはカレーだけにしておいて、サトウのご飯については、ホテル1階までエレベーターで降りて、そこの電子レンジでチンする事にしました。
ご飯を1階の電子レンジで2分間温め、カレーは部屋のグリル鍋で5分間湯せんして、ようやくチキンカレーにありつく事が出来ました。たとえレトルト商品でも、自分で作ったカレーは、外食のそれより更に美味しく感じました。
サトウのご飯だけでは物足りなかったので、サバ缶も開けて食べる事にしました。大きな鯖が4切れも入っているサバ缶を食べたら、流石に満腹になりました。当初は鍋の残り湯でお茶も沸かそうと思っていましたが、沸騰した鍋はなかなか冷めません。鍋はもう冷えるまで待つ事にして、お茶は電気ケトルで沸かして飲む事にしました。
食べた後は食器洗いです。そのまま安易に食べカスを共同水道に流している所を、入れ墨した宿泊者に見つかりでもしたら、何されるか分かりません。((((;゚Д゚)))))))
勿論、私の方も入れ墨男には、共同浴場でアンモニア臭なぞ出すなと言いたい所ですが、こちらは証拠が無いのでどうしようもありません。o(`ω´ )o
そこで、中性洗剤で食器汚れを先に拭き取り、汚物はそのまま部屋のクズカゴに入れ、綺麗になった食器を共同水道で何食わぬ顔で水洗いして片付ける事にしました。ダスターを使えば洗剤が無くても綺麗に食器洗いが出来るそうなので、次回からはそちらも試してみたいと思います。
以上、自炊と言っても、湯せん可能なレトルト商品が主体なので、節約の効果は限られます。部屋には冷蔵庫も流しもなく、共同水道を独り占めしてダシ汁や調理カスを流そうものなら、後で周囲から何言われるか分かりませんから。でも、それでも今までの外食オンリーと比べたら、食費は半分以下に抑えられるはずです。本日はグリル鍋や中性洗剤、食器の初期投資に加え、5日分の食材を買い置きしましたので、6千円以上もの出費になってしまいました。でも、一食当たりにすれば、外食オンリーだった頃の半分以下の食費に抑えられます。
それ以上に食事のレパートリーが広がったのが何よりも嬉しいです。今まででしたら、安く食費を抑えようと思えば、どうしても食べれる物は限られます。丼物・揚げ物中心になり、野菜や鮮魚類を食べる機会は減ります。いつも同じような食事ばかりでは、美味しい物も美味しくなくなります。しかし、これからは、たとえレトルト商品ばかりでも、自分でメニューを考えていく事が出来ます。サトウのご飯一つ取っても、丼にしようか、カレーにしようか、オカズはスーパーで買おうか等、組み合わせを考える楽しみが生まれます。
キャンプで食べるご飯は、多少出来栄えが悪くても美味しいと感じる事が多いと言われます。それはキャンプファイヤー自身が苦労して作ったご飯だからです。今回のレトルト・カレーもそれと同じではないでしょうか。同じレトルト・カレーでも、悪条件の中でも何とか自炊しようと、苦労してメニューを考えて自分で作ったご飯は美味しく感じます。それに引き換え、「金がないからレトルトしか食べれないのだ」と、いつも思いながら外食している限り、不満や焦燥感しか残りません。
勿論、「だから外食依存者はだらしないのだ」と決めつけるのは間違っています。あいりん地区の中で弁当屋が目につくのは、ドヤにはキッチンもない等、住宅事情が劣悪だからです。しかし、「だから毎日外食でも仕方ない」と思ってしまったら、もうそこでお終いです。たとえ、そのような環境に置かれたとしても、その悪条件を跳ね返して、自立した生活を送り、毎日の献立を考える楽しみぐらい持てないようでは、住環境の改善を求める気力も湧かないでしょう。外食依存から抜け出せるかどうかは、その後の生活の質にもかかわる問題だという事が、自炊を試みる中で初めて分かりました。