昨日、実家近くの鍼灸院に行った帰りに、浜寺公園駅前の「福栄堂」という和菓子屋さんに立ち寄りました。浜寺海水浴場があった頃から営業されている和菓子屋さんです。昔ながらの和菓子屋さんで、店頭の墨で書かれたメニューが目を引きます。浜寺公園の松ぼっくりをかたどった「松露団子」と、大阪に唯一残る路面電車のチン電(阪堺電気軌道)の刻印が入った「チン電どら焼き」が、このお店の二大名物です。
今は夏なのでかき氷も販売しています。みぞれ等のシロップがかかったかき氷を300円から販売しています。100円追加でミルク等のトッピングも注文出来ます。今時、こんな値段でかき氷が食べれるお店は余りありません。お店の前の椅子に座って食べる以外に、テイクアウトも出来ます。但し、ドライアイス等の用意はないので、テイクアウト出来るのは近隣の方に限られます。
私は松露団子が4つ入った「氷松露」のかき氷をいただきました。抹茶、ほうじ茶、黒蜜きな粉の3種類のトッピングから2種類選べます。私は抹茶と黒蜜きな粉のトッピングを選びました。
この「氷松露」は流石に700円と、他のかき氷よりも値段が張りますが、このボリュームを見ればそれも納得出来ます。上に見えている白黒2個の松露団子の他に、もう2個の松露団子が氷の中に隠れています。
昔は海水浴場で賑わった大阪府堺市の浜寺公園も、コンビナート造成で海が埋め立てられ閉鎖されてからは、すっかり寂れてしまいました。海水浴場の代わりにプールが設置されましたが、もはや昔の面影はありません。昔、駅前にあった商店街もマンションと空き家だけとなり、明治40年に造られた南海本線浜寺公園駅の駅舎にその名残を遺すのみです。
その中で、福栄堂さんだけが孤軍奮闘されています。今日も暑い夏の最中に若い女性店員さんがかき氷作りに精出しておられました。それを見て、チン電の堺トラム(低床式電車)で浜寺公園を後にしました。