アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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2020年08月29日 22時37分00秒 | モリカケも忖度もない公平な社会を
 
昨夜、遂に安倍晋三が総理大臣を辞任しました。今まで7年以上もの長きに渡り、総理の職にありながら、森友・加計問題を始め、集団的自衛権容認や秘密保護法の強行採決、公文書や裁量労働制データの改ざん、「桜を見る会」などの政治私物化で、日本の国をここまでムチャクチャにしてしまうような悪事を重ねながら、何故これほどまで長期政権を維持できたのか?色々、原因はありますが、その最大のものは、マスコミがすっかり批判精神を失い、「権力の犬」と化してしまったからです。
 
これは何も安倍政権べったりの読売新聞・産経新聞だけに限った話ではありません。かつてはリベラルな論調で「左寄り」とされた朝日新聞や毎日新聞も、最近ではすっかり牙を抜かれ、郵政民営化や労働基準法の規制緩和、農産物輸入自由化、外国人労働力の規制緩和などについては、自民党や維新の会、読売新聞や産経新聞と一緒になって、諸手を挙げて賛成するようになってしまいました。
 
嘘だと思うなら、安倍の記者会見の後、これらの新聞社や系列放送局の記者たちが、一体どんな質問をしているか、自分の目で確かめて見て下さい。別に安倍の部下でも何でもないにも関わらず、安倍にやたら敬語を使い、当たり障りのない質問に終始していただけではないですか。だから安倍も、官僚が作った答弁を棒読みするだけで済んだのです。
 
そして、内閣記者会の番記者たちと安倍政権が慣れあい、フリーのジャーナリストを記者会見場から締め出し、質問をマスコミ一社に付き一問だけに制限し、再質問も許さなかったのです。そんな「八百長会見」だから、通り一遍の質問だけで、たった40分かそこらの「シャンシャン大会」で記者会見が終わってしまったのです。
 
これでは選挙の投票率が下がるのも当たり前です。そんな茶番劇の中で、いくら「安倍内閣の支持率が持ち直した」とか「安倍一強」とか言われても、そんなものは「砂上の楼閣」に過ぎません。「安倍一強」「安倍のお友達優遇、国政私物化」を支えているのは、安倍べったりの読売・産経新聞やフジテレビだけではありません。安倍政権を「表向きは批判しているかのようなポーズをとっている」朝日新聞や毎日新聞も、実は「八百長会見」の共犯者なのです。
 
勿論、そんな大手マスコミの中でも頑張っている記者さんたちはいます。毎日新聞の望月衣塑子(もちづき・いそこ)記者やNHKの相沢冬樹記者などは、そんな記者さんたちです。でも、そんな記者さんたちは、権力の顔色をうかがう他の記者から村八分にされてしまっています。
 
ところが、さしもの「安倍一強」状況も、新型コロナの感染拡大ですっかり一変してしまいました。コロナウイルスはマスコミのように政権の顔色を窺ったりはしません。どんな人間にも感染していきます。その中で、今までだったら、選挙の投票にも行かず、森友・加計も他人事、ブラック企業や派遣切りもどこか他人事と捉えていた人たちも、いざ自分が感染しても、保健所も病院もパンクして、検査も入院もたらい回しにされ、給付金もなかなか支給されない状況が広がる中で、次第に安倍政権の本質が見えてきたのです。
 
それに対して、安倍は最初はタカをくくっていました。「こんな人たちに負けるはずはない」「安物のマスクの2枚でも支給してやれば、支持率なんてすぐに回復する」と。ところが支給されたマスクはカビだらけ。補佐官のアドバイスで「お家で踊ろう」と出演した動画も、「一体何様のつもりだ!」と、逆に国民の怒りを買う始末。今までの北朝鮮ミサイルで危機感を煽り、それを政権支持に繋げる「常套手段」も、コロナウイルスには一切通用しませんでした。「安倍政権は、二言目には、やれ国難だの何だのと叫ぶが、実際は自分たちの私利私欲の事しか考えていないじゃないか」と、次第にこの政権の本質に気づき始めたのです。
 
一旦潮目が変われば、所詮は「砂上の楼閣」ですから、崩壊するのもアッと言う間です。まるで「ベルリンの壁」が崩壊するように、「安倍の壁」が崩壊してしまったのです。持病の潰瘍性大腸炎発症は、あくまでキッカケに過ぎません。持病を再発させるような事をしでかした安倍の「自己責任」「自業自得」です。安倍は持病を再発して苦しいかも知れませんが、安倍の無策によって、コロナに感染しても病院をたらい回しにされて死んでいった人は、もっと苦しいのです。公文書改ざんを強制され自殺に追いやられた公務員は、もっと苦しかったはずです。
 
絶対に「安倍辞任」だけで終わらせてはなりません。森友・加計問題を始め、あらゆる疑惑の解明が為され、被害者への賠償が行われ、ゆがめられた法律が是正されるまで、決して追及の手を緩めてはなりません。もしも安倍が、持病を口実に逃げ切りを図れると思っていたら、大間違いです。もし、そんな事になり、三たび安倍政治の復活を許してしまうような事になれば、今度は日本国民自身が、世界中から相手にされなくなってしまいます。
 
その中で、安倍が辞任した今、とりわけ皆さんにお勧めしたい新聞があります。
 
「朝日新聞?」違います。
「しんぶん赤旗?」違います。
「日刊ゲンダイ?」それも違います。
 
「朝日新聞」も、実態は読売や産経と瓜二つである事は、既に言いました。
 
「しんぶん赤旗」は、いわずとしれた共産党の機関紙です。大企業からは一切広告料を貰っていないので、朝日新聞では書けない様な内部告発や、過労死や長時間労働と闘う労働者のニュースも詳しく載ります。しかし、如何せん政党機関紙なので、共産党自身のタブーには踏み込めないのが欠点です。
 
「日刊ゲンダイ」は夕刊紙です。私が競馬をやっている時は競馬予想欄でお世話になった事もあります。他の夕刊紙が安倍政権に遠慮して、媚を売ったり形ばかりの政権批判でお茶を濁したりする事が多くなった今も、政権批判的な論陣で気を吐いています。しかし、この新聞も所詮は夕刊紙。ともすれば冷静な分析よりも扇情的な論調に流れる事が多々あります。
 
では、どの新聞がお勧めか?それは「大阪日日新聞」という新聞です。歴とした朝刊紙ですが、僅か数千部しか発行部数がありません。しかも発行母体は、大阪ではなく鳥取県に本社のある日本海新聞社という地方紙です。昔は大阪の新聞でしたが、経営難で日本海新聞に吸収合併されてしまいました。
 
そんな潰れかけの地方新聞を何故勧めるのか?編集長が立派な方だからです。
 
その編集長こそが、前述の相沢冬樹・元NHK記者なのです。この相沢冬樹氏が、森友問題で真相を究明しようとして、政権に忖度(そんたく=遠慮)するNHKの幹部によって退職に追い込まれてしまいました。その相沢氏の窮地を救い、編集長にまで抜擢したのが「大阪日日新聞」の現社長です。
 
その時、「大阪日日新聞」の社長は言ったそうです。「たとえ相手が安倍政権であったとしても、何も遠慮は要らない。自分自身で責任が取れるのであれば、何を書いても構わない」と。これこそ、真の「社会の公器」「社会の木鐸(ぼくたく)」に相応しい言葉です。
 
だから、一般の商業新聞でありながら、安倍政権からの圧力の下で、公文書改ざんを強いられ自殺させられた財務省職員・赤木俊夫さんの手記を、夫人と共に「週刊文春」に公開し、新聞にも援護射撃の論陣を張る事が出来たのです。
 
しかも、値段が安い。1部たったの100円、1ヶ月の定期購読料もたったの2050円です。
 
ただ残念ながら、たった数千部しか販売部数がない為に、売っている店が殆どありません。私がこの新聞の存在を知る事が出来たのも、私の住んでいる賃貸物件の近くにあるコンビニに、たまたまこの新聞が置いてあったからです。
 
この新聞の事は、前述の近所のコンビニの店員すら知りませんでした。私が説明して初めて、実は「凄い新聞」である事を知った様子でした。
 
もし皆さんの周りでも、この新聞を見かける事があれば、一度手に取って、どんな紙面か確認してみて下さい。その上で、「買う」か「買わない」か、ご自身で判断して下さい。私も、いきなり定期購読は無理としても、今回の様に、たまには買って応援したいと思います。他にももっと、すぐれた新聞がまだまだあると信じています。そんな新聞があれば、是非皆さんも紹介して下さい。

勿論、大阪日日新聞とて商業新聞。新聞記者も生身の人間です。いつスポンサーからの圧力で権力迎合の御用新聞になってしまうか分かりません。そうさせない為にも、同紙を支持する場合でも、手放しの礼賛ではなく、あくまでも是々非々で支持しなければなりません。そうしてこそ初めて、新聞も本当の事が書けるようになるのです。
 
コメント (1)
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