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伝統神事に名を借りた動物虐待を許すな!

2023年06月03日 21時25分19秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
 
ダービー出走馬スキルヴィングがレース終了後に心不全で亡くなった事を先日ブログで取り上げたら、読者の方から「上げ馬神事」の情報をいただきました。
 
「上げ馬神事」と言うのは、三重県の多度大社(桑名市)と猪名部(いなべ)神社(いなべ市)で毎年4、5月に行われている祭礼です。騎手を乗せた馬が急斜面を駆け上がり、高さ約2メートルの土塁を乗り越えられるかどうかで、その年の農作物の吉凶を占う祭りです。室町時代から続く祭りで、三重県の無形文化財にも登録され、祭礼の日には各地から毎年10万人もの観光客が押し寄せるそうです。
 
でも、その実態は伝統神事に名を借りた動物虐待に他なりません。馬を興奮させる為に、馬の尻を叩き、腹を蹴る。馬に無理やり酒を飲ませる。水を顔に浴びせて馬を怒らせる。そして騎手も、地元で選ばれた若者を、たった1ヶ月の訓練だけで馬に乗せ、馬と一緒に駆け上らせるのです。
 
三重県多度大社 上げ馬神事
 
これがどれだけ危険極まりない、そして残酷な所業か、常識で考えたら直ぐに分かると思います。馬は足を一本でも骨折したら、残りの足だけでは重い体を支える事が出来ず、立ち上がる事も出来なくなります。そうなったら、もう安楽死させる他ありません。骨折しなくても、全速力で急坂を駆け上がり、垂直の土塁を乗り越える時に、顔面を土塁に強打して大怪我する事例が後を断ちません。土塁の中央を少し窪ませ、馬に足をかけやすくしていますが、それでも危険な事には変わりありません。実際、ほとんどの馬が、その窪みに足をかける前に土塁の前で転倒しています。
 
危険性は騎手にとっても同じです。今まで馬に乗った事も無かった若者を、たった1ヶ月そこらの我流の訓練で、高さ2メートルの土塁を乗り越えさせるのですよ。競馬の障害競走でも、こんな無茶苦茶な事はさせません。競馬関係者が普段、馬をどれだけ大切に扱っているか、競馬ファンなら直ぐに分かると思います。騎手だけでなく、周囲の観客も事故に巻き込まれて、大勢の死傷者が出る事になります。
 
これは競馬とは似て非なるただの動物虐待です。動物愛護法にも違反しています。伝統神事と言いますが、農耕用の家畜でもある馬を、こんなに虐待して喜ぶのは、それを客寄せ、金儲けの道具としか考えない守銭奴の所業です。こんな悪い「伝統」、と言うよりむしろ「悪弊」は、改めなければなりません。(猪名部神社の方では、その後、土塁の高さを低くする等、一定の改善措置が講じられましたが、それでもまだ不十分なように感じられました)
 
上げ馬神事の改善を求める署名運動も既に始まっています。私もこの後、署名します。皆さんも、是非、この署名にご協力をお願いします。
 
 
高知県の進学塾「聡明舎」が三重県の上げ馬神事の詳細について調べた結果をシリーズにして動画を上げてくださっています。大変参考になります。
 
 
5月4日、5日に三重県桑名市の多度(たど)大社でおこなわれた伝統行事「上げ馬神事」に、多くの批判が寄せられている。
「上げ馬神事」は、約700年の歴史を持つ伝統行事で、青年が馬にまたがり、約2mの急な土壁を乗り越えさせ、その回数などで豊作や吉凶を占うもの。毎年、多度大社と猪名部(いなべ)神社でおこなわれており、県の無形民俗文化財に指定されている。  
多度大社では、大型連休シーズンの恒例行事としておこなわれていたが、ここ数年は新型コロナウイルスの影響で中止されており、4年ぶりの開催となった。だが、SNSでは、壁を乗り越えられなかった馬が逆さまに転倒したり、興奮して暴れまわったりする姿を映した、神事の動画が拡散。初日は12回挑戦して成功者なし、2日めは6回のうち成功は3回という難易度の高さで、1頭が安楽死となったことが報じられた。一連の様子に、SNSでは批判が殺到している。
《上げ馬神事、ひどいと分かっていて動画見てしまったんだけどつらい。逆さまになって落ちていく馬、そりゃ無事じゃいられないよな。今回流れてきて知ったけど結構前から問題視はされていた様子。人間がスリルを感じるための祭りならやめてしまえと思う。残虐なやり方ではなく続ける方法はあるはず。》
《上げ馬神事のツイート辛くて涙出ちゃう エゴすぎ 人間のおもちゃにされて、死んじゃうなんて悲しい》
《え。今年も馬死なせちゃったの。上げ馬神事。1日目のやつテレビで見たけどあれは坂じゃない。登るものじゃない。馬に乗る子もご両親も誇らしげだったけど。本当にやり方変えなきゃいけないよ。命を使い捨てにするな。》  
過去にも、こうした指摘は出ていたようで、2011年には、興奮させるため、馬を本番直前に殴ったとして、動物愛護法違反容疑で地元住民ら5人が書類送検されたとも報じられている。  
だが、地元のテレビ各局は「上げ馬神事」を肯定的に報道した。騎手の青年にインタビューし、「父に恩返ししたい」といった言葉を紹介するなど、感動的な構成にした局もある。そうしたテレビ局の姿勢にも、疑問を抱く人が多いようだ。
《三重県多度大社の上げ馬神事、いろんな団体さんや一般からの反対署名などあるけど開催したんだね。テレビはそっちを一言も報じず(これは変では)4年ぶりヤッホー!を連呼です。》
《このような動物虐待ショーを美談のように語らないで欲しい》  
騒動をうけ、日本維新の会の串田誠一参院議員は、Twitterで《三重県の多度大社の上げ馬神事に多くの方からご意見やご要望を頂いています。伝統行事と動物虐待に関しては、アニマルウェルフェア議連で取り上げる予定でありますが、個人的にも環境省に質していきます。昔から行われているというだけで動物虐待が許されることにはなりません。》と言及。立憲民主党の塩村あやか参院議員も《選出議員に相談してみます》と、問題視する姿勢を見せた。  
また、上げ馬神事に起用される馬はサラブレッドだが、ある競馬ライターは「こんなことをサラブレッドにさせるとは、信じられない」と憤る。
「“ガラスの脚”と呼ばれるほど、サラブレッドの脚は細く故障しやすいものです。競走中の骨折は多いのですが、そのほとんどは、ひびが入ったり、剥離骨折程度。これはしばらく治療すれば治りますが、ぽっきりと折れた場合、粉砕骨折や開放骨折ではまず助からず、殺処分となります。400kg、500kgの巨体を、残り3本の脚で支えると、それらの脚に負担が大きく、蹄葉(ていよう)炎など、さまざまな疾病を起こすためです。  
この祭りのようなことをさせれば、重度の骨折の可能性が高いことは間違いないでしょう。脚だけでなく、ひっくり返れば骨盤などの骨折もありえます。しかも、まわりであれだけ大勢の人間にけしかけられて、馬はパニック状態に陥っているので、危険度はさらに高くなるはずです。
数百年の歴史があるということは、以前は日本の在来種の馬を祭りに使っていたということです。サラブレッドが体高160~170cmあるのに対し、在来種は120~130cmとかなり小柄。しかも農作業にも用いられていたように、脚もサラブレッドよりは丈夫だったはずです。とはいえ、いまは在来種の馬を確保することも難しい。引退した競走馬の多くは、ひっそりと処分されていることも事実ですが、こうした形で命を落とすのは、いち競馬ファンとしても非常に残念です」  
4年ぶりの開催となった上げ馬神事だが、あらためて厳しい問いを突きつけられることとなった。時代と伝統の衝突に、答えは出るだろうか。
コメント (3)
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