アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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フランスの反資本主義新党

2009年02月19日 20時57分36秒 | その他の国際問題
 
 ブサンスノー関連記事(ニューズウィーク日本版2月11日号) 

 まずは、マイミクさんの日記から。

(転載開始)
 時々、ROMしている掲示板を通して知った情報である。
 フランスの新聞『フィガロ』が、2月13日に掲載した世論調査によると、サルコジ大統領の対抗馬として最もふさわしい政治家として、今月7日に発足したばかりの左翼政党「反資本主義新党」(NPA)の創設者であるオリビエ・ブザンスノ氏が、トップに選ばれたとのことらしい。
 ブザンスノ氏は23%の支持を獲得。なお、社会党のオブリ第1書記は13%程度、2007年大統領選で同党候補となったロワイヤルが6%で、中道、民主運動のバイル議長も6%だったらしい。
 まだ34歳のオリビエ・ブザンスノ氏がこれほど支持を集めたのだ。
 http://www.npa2009.org/
 http://www.lcr-rouge.org/

 NPA結成大会には世界30カ国から参加者がいたという。
 韓国「社会主義労働者政党準備会」も参加したらしい。
 http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/1cfcea1c2f583fd7a6a6350065b5cfa2
 http://www.shibano-jijiken.com/SEKAI%20O%20MIRU%20SEKAI%20NO%20SHINBUN%20141.html

 このNPAについてはいろんな意見、見解はあるだろう。
 しかし、日本の現実と比較すると、正直うらやましい。 
 日本では、いまだに「小泉人気」なるものが執拗に存在している状況だが、フランスでは、はるかに先を走っているのだから…。
 アメリカですら、ブッシュ政権の終焉が歓迎されたというのに…。
(転載終了)

 フランスで、上記左翼新党の人気が急上昇中である事は、私もニューズウィーク最新号の記事(写真参照)を読んで知っていました。
 何でも、この「反資本主義新党」は、フランス国内で近年伸張著しいトロツキスト系政党の革命的共産主義者同盟(LCR)が、更に大衆的基盤を広げるべく、幅広い左派結集を狙って、再編成を遂げたものだそうです。ウィキぺディアなどの情報によると、2002年の大統領選挙では、当時27歳の現役郵便局員オリビエ・ブサンスノーを候補者に推し立て、120万票(得票率4.25%)を獲得し、一躍世間の注目を集め、2007年の大統領選挙でも、左派候補が乱立する中でも同程度の票を集めたとの事です。

 フランスでは、かつて70年代には、共産党が、イタリアと並ぶ「ユーロコミュニズムの雄」として名を馳せていましたが、80年代以降は、ソ連のアフガン侵攻を擁護したり、社会党政権の与党として新自由主義に妥協的な態度を取ったりした為に、すっかり往時の勢いを失ってしまいました。そして、それとは逆に、かつては泡沫扱いだったLCRが、今やかつての共産党に取って代わる勢いで、支持を伸ばしつつあります。

 日本では、昨今の「蟹工船」ブームで、共産党が再び支持を伸ばしつつありますが、あちらでは、それよりも更に左の「反資本主義」を掲げる新党が台頭していると言うのです。実際、これだけ格差・貧困問題が顕になり、派遣切りが横行するようになると、共産党が言う様な「ルールある資本主義、人間の顔をした資本主義」だけに止まるのではなく、フランスLCRや南米左翼が言う様な「21世紀の社会主義」を、日本でも、もっと正面切って堂々と主張すべき段階に、既に来ているのかも知れません。
 日本では、もはや誰の目にもムチャクチャ・ズタボロな自民党が、それでも依然として政権にしがみ付き、それを追う民主党も自民党と似たり寄ったりで、更にはネオリベの小泉・橋下チルドレンや、戦前の「靖国の亡霊」みたいな輩が、未だに大手を振ってのさばり返っているので、私は対抗的に共産党を支持しているのですが、若しフランスLCRみたいな党から、オリビエ・ブサンスノーみたいな候補者が出てきたら、迷う事無くそちらを支持するようになるでしょう。

 でも、日本では多分、それはまだまだ先の話ではないかと思われます。何故ならば、この日本では、革命的共産主義者同盟(革共同)やトロツキストを名乗っているのは、中核派や革マル派、解放派などではないですか。それらの党派はいずれも、凡そオリビエ・ブサンスノーとは縁遠く、寧ろ北朝鮮や、カンボジアのポルポト派の方により近い、そんなイメージがどうしても拭えません。実際、過去には内ゲバに明け暮れた時期もありましたしね。
 若し、日本の革共同やトロツキストが、「明日のフランスLCRや南米左翼たらん」と欲するのであれば、過去の内ゲバや「北朝鮮的なモノ」に対する総括を、避けては通れないと思います。ここで言う「北朝鮮的なモノ」というのは、私もこれ以上は上手くは言えないのですが、よく「官僚主義」とか「スターリン主義」とか言われているものが、それに当たるのではないか、という気がします。そして、これは、単にトロツキストだけに限らず、共産党にも一定言える事だと思います。

 しかし、それにしても、現役の郵便局員が、在職したまま自由に大統領選挙に出馬出来て、コンスタントに100数十万票も得票出来るとは。流石は「フランス革命、人権宣言」の国だけの事はあります。これは、人口規模がフランスのほぼ倍の日本に準えると、少なく見積もっても、今の社民党と同程度の力は有している、という事です。いずれにせよ、休日に地元でビラを撒いただけでも逮捕される日本とは、まるで大違いです。
 確かに、フランスには、未だにアフリカや南太平洋に勢力圏や植民地を保持し、ネオナチ政党(ルペン派の国民戦線)が政治の第三極を形成し、移民差別も激しいなどの、マイナス面もある事を忘れてはいけませんが、それでも、市民の自由度に関しては、凡そ日本とは比べ物になりません。羨ましいの一語に尽きます。
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2 コメント

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ソ連のアフガニスタン援助 (反帝抗日英雄)
2009-10-15 01:18:31
ソ連のアフガニスタン援助は、断じて侵略などではない。この本を読むことをお勧めする。http://www.caravan.net/int/shinaf/
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リンク貼らせていただきます (BLOG BLUES)
2009-03-13 16:28:59
こんにちは。どうも貴ブログとは、念いは共有できるのにシステムが不具合で、なかなかお伺いできません。このコメントも通らないかも知れませんが、チャレンジしてみます。TBありがとうございます。もう、俄に興ったイチローくん教に怖気を感じます。TBエントリから辿った本エントリも、とてもいいですね。よろしかったら、これもTBください。リンク貼らせていただきます。あらためて、よろしく。
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