アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

田母神も靴を投げつけられたら良かったのに

2008年12月17日 23時40分03秒 | その他の国際問題
Raw Video: Iraqi Journalist Throws Shoe at Bush(YouTube)


●焦点:イラク人記者の靴投げ、米ブッシュ政権への根強い反感の表れ(ロイター)
>バグダッドで14日、イラクを電撃訪問していた米国のブッシュ大統領らの記者会見に出席したイラク人記者が、暴言とともに同大統領に靴を投げ付ける騒動が起きた。
>「これがイラク国民からの別れのキスだ、犬め」などと叫んで靴を投げ付けたムンタゼル・ザイディ記者だが、地元でにわかに英雄視されている。イラク政府が同記者の行為を「野蛮で恥ずべき行為」と非難した一方、国外では、イスラム教徒のウェブサイトが同記者を「ライオンの心臓を持った英雄」と称えるなど、賛否両論となっている。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081216-00000694-reu-int

 死神(田母神)トシオも、ブッシュと一緒に、ザイディ記者から靴を投げつけられたら良かったのに。そうでもされなければ、自分の言っている事のトンデモさに、気がつかないのでしょうから。

 田母神が、「日本は侵略国家ではなかった、過去の戦争は正しかった」として、靖国ナショナリズムを煽るまでは、まだ認めるとしましょう。私は全く賛成出来ませんが、百歩譲って、それも一つの歴史的見解だとしましょう。
 しかし、ブッシュのアフガン・イラク戦争に、自らも海外派兵の形で散々加担しておきながら、それを棚に上げて、今頃になってやれ「ルーズベルトはコミンテルンの手先」だの「米国に嵌められた」だのと、泣き言を言われても、全然説得力がありませんね。「反米」を言うのなら、「ルーズベルト」がどうたらこうたら言う前に、自らのイラク戦争加担について自己批判するのが筋でしょうに。

 最近、この手のご都合主義的な「反米」「反小泉」論者をネットでよく見かけます。過去に散々「反左翼」の立場から、ネオリベ(新自由主義者)と一緒になって「ワーキングプアは自己責任」だの「日本は弱者天国」だの言い放っていたくせに、郵政解散で自分の支持する保守政治家が失脚させられたのを機に、俄かに「格差社会批判」に転じたり、田母神の様に自ら進んで「ブッシュの戦争」に加担しておきながら、米国が歴史問題や従軍慰安婦問題で日本叩きをしたから、俄かに「反米」に宗旨替えしたりする輩が。
 遅まきながら「反米」や「反小泉・反ネオリベ」に転じるのは結構ですが、それならそれで、その前に以前の「ブッシュ・小泉のポチ」ぶりについて総括するのが先でしょう。そうでなければ、この人たちは、またいつ何時、「北朝鮮に強く臨み出したから、やっぱり親ブッシュ」とか、「郵政造反組を復党させたから、やっぱり親小泉」とか言い出しかねませんから。アフガン・イラク戦争や「派遣切り」の問題なんて、この人たちにとっては、本当はどうでも良いのでしょう。

 若しそうではなく、「田母神は真のナショナリストである」と言うのであれば、尚更の事、他の被抑圧民族の運命にも敏感であって然るべきだと思うのですが。それがチベットであろうとイラクであろうと分け隔てなく。ところが実際はどうか。二言目には「アメリカに嵌められた」の何だのと、恨みつらみを言い募りながら、現実の米国の横暴には、逆に積極的に加担してきたではないですか。
 ひょっとして、「拉致問題の解決」や「日本の国益」があるから、「イラクの事など知ったこっちゃねぇ、そんなの関係ねぇ」という論理なのでしょうか。
 若しそうであるなら、当人の言う「ナショナリズム」なるものは、只の「自国エゴ」でしか無かった、という事に他なりません。こんな「自国エゴ」に基づく戦争で、若し仮に第二次大戦で日本が中国に勝って「大東亜共栄圏」なるものが出来ていたとしても、中国に代わって日本がチベットを弾圧している事でしょう。

 田母神は、ジョージ・パッカーの著書「イラク戦争のアメリカ」や、ブライアン・デ・パルマの映画「リダクテッド」、綿井健陽のビデオ「Little Birds」などを手始めに、「イラク戦争とは何だったのか」という所から、一から勉強し直すべきでしょう。
 それを抜きにして、幾ら「反米」や「靖国ナショナリズム」を煽られても、私からすれば、「アジア解放なんて只の口実で、実際は米国と同じ様に、美味しい思いをしたかっただけなのに、何故米国に邪魔されなければならなかったのか?」という、ジコチューな言い訳にしか聞こえません。

 せめて、下記の高世仁さんの様な主張を展開されるのなら、同じ「反米ナショナリズム」でも、まだしも、それなりの値打ちがあろうというものを・・・。

●北朝鮮の収容所とグアンタナモ(高世仁の「諸悪莫作」日記)
>アメリカ人として、アメリカ政府が北朝鮮の人権問題をより効果的に世界に向かって提示するためにやれることを三つ提案したい。
>1)グアンタナモ基地(2002年からはアフガニスタンやイラクで拘束されたイスラム過激派テロ容疑者の収容所としても使用されている)を閉鎖すること。
>2)CIAをふくむアメリカ政府の全職員をジュネーブ条約に従わせること。(以下略)
>考えさせられたのは1と2だ。対テロ戦争で捕虜や民間人への不法拘束や拷問が発覚し、アメリカは人権問題で泥まみれだ。アメリカに人権をうんぬんする資格があるのかという声が噴出している。これでは国際舞台で発言力を確保できない。だからそれをきれいに清算することで人権問題でのイニシアチブを取ろうというのだ。
 http://d.hatena.ne.jp/takase22/20081208
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