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安倍の演説は何故人の心を打たないか?

2020年04月15日 15時11分44秒 | 新型コロナ・アベノマスク

安倍の演説は何故人の心を打たないか?その根拠を直近の安倍のツイート(ツイッターのつぶやき)をもとに説明する。例の炎上したツイートで安倍はこうつぶやいた。

友達と会えない。飲み会もできない。
ただ、皆さんのこうした行動によって、多くの命が確実に救われています。そして、今この瞬間も、過酷を極める現場で奮闘して下さっている、医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります。お一人お一人のご協力に、心より感謝申し上げます。

安倍がここで一国の総理として言わなければならなかった事は次の二つだ。

①人との接触を避けろ。
②医療従事者に感染を広げるな。

より詳しく説明すると、①新型コロナウイルスもウイルスの一変種だ。ウイルスは細菌と違って自分では細胞分裂(増殖)する事が出来ない。故に、人との接触を遮断して封じ込めてしまい、消毒でウイルスを駆除していけば、宿主を失ったウイルスを自滅させる事が出来る。②逆に接触を増やせば増やすほど、ウイルスは細菌よりもさらに小さいので、どんどん広まってしまう。医療従事者にまで感染を広げてしまったら医療崩壊で治療すらままならなくなる。

だったら、「友達と会えない。飲み会もできない。」と言った情緒的な事ではなく、「皆さんのこうした行動(接触回避)によって、多くの命が確実に救われ」る事を、もっとズバッと分かりやすい形で具体的に説明すべきだろう。例えば、次のクオモ・米国ニューヨーク州知事のツイートのように。

この闘いの最前線は医療現場です。それは、都市全体、州全体、そしてこの国全体の病院になるでしょう。それらが闘いの場なんです。とてもシンプルなことですが、まずは医療制度を崩壊させないこと。この闘いの兵士は医療従事者です。それは医者であり、看護師であり、病院で働く人々であります。彼らは私たちのためにこの闘いを戦っている兵士です。(3月30日)
(The frontline battle is in the health care system. The frontline battle is going to be hospitals across the city, across the state, and across this nation. That is where this battle is fought. It is that simple... don't let the hospital system get overwhelmed. The soldiers in this fight are the health care professionals. It's the doctors, it's the nurses, it's the people working in the hospitals, it's the aides. They are the soldiers who are fighting this battle for us)
これは数週間続き、本当に危険な状況に人々は遭遇します。誰がウイルスに感染するか、家に持ち帰るかはわかりません。多くの人が亡くなっており、これは数週間続くでしょう。(同上)
(This will go on for weeks and you have people showing up into really dangerous situations. They don't know if they're going to contract the virus, if they're going to bring it home. Many people are dying and this is going to go on for weeks)

ここで、クオモは自分の事なぞ一切語らない。犬を撫でたり、珈琲を飲んだり、テレビを観たりもしない。ひたすらニューヨークの医療現場の状況について説明している。その上で、「だから人との接触を絶たなければならないのだ」という事を、ある時は厳しく、ある時は親身になって、ニューヨーク州の住民に語りかけている。

2つのミッションを設定しました。 1つは病院、 2つ目は個人の責任です。個人の責任とは自覚です。それは自己中心的にならず、情報を収集すること。基本は家にいること。私は家にいるのが難しいことを知っています。そして皆さんが、私はスーパーヒーローだから、外出できて、感染しないと思っているかもしれませんが、それは真実ではありません。(3月31日)
(We set two missions. One was hospitals. Second was individual responsibility. The individual responsibility is about discipline. It's about selflessness and being informed. The basic point is stay at home. Stay at home. I know it's hard to stay at home and I know everyone thinks, you know, I can go out, I can be smart, and I won't get infected because it's me. I'm a superhero. It's not going to be me. That is not true)

私はこれについて何週間かお伝えしてましたよね。人と集まったり、ゲームをしたりするのをやめなければーー、バスケットボールはできませんし、人との接触もダメなんです、プレイグラウンドを閉じことになると、警告していました。(4月1日)
(I’ve talked about this for weeks. I warned people that if they didn't stop the density and the games in the playgrounds - you can't play basketball; you can't come in contact with each other - that we would close the playgrounds)

https://precious.jp/articles/-/18335

だから、クオモの発言が人の心を打ち、他州や他国の人間ですら、「この人の言う事だから確かだろう」「この人の言う事なら従おう」という気持ちになるのだ。

安倍の発言には、そのような説得力も無ければ、親身さや厳しさもない。あるのは自己保身に基づく官僚的な答弁だけだ。だから、もっとも訴えなければならない医療崩壊の危険については抽象的な発言に終始し、それとは何の関係もない星野源の動画を、単に「人気だから」「見栄えが良いから」という理由だけで、本人の了解も得ず、自分の私生活自慢に利用できるのだ。そんな私生活自慢のツイートでは、人々の反感を買う事はあっても、共感を呼ぶ事なぞとても出来ない。

安倍が気にかけているのは、常に「見てくれ」だけだ。実際に苦境に立たされている人々の事なぞ一切気にしていない。「1世帯に2枚のマスク配布」も「収入半減者への30万円支給」も、気にかけているのは自分の評判だけだ。休業を強いられている事業者や、仕事や住まいを失った労働者の事は二の次、三の次なのだ。だから、打ち出す対策全てが遅く、しかもピント外れなのだ。

つまり、どこまで行っても自己中心的なのだ。だから、幾ら「お一人お一人のご協力に、心より感謝申し上げます」と言っても、言葉が空回りするだけで、人の心には一切響かないのだ。

「安倍首相がクオモ知事のような発言をするようになったら、サヨクは安倍首相を支持するようになるのだろうか?」という、愚にも付かないネトウヨ(ネット右翼)の書き込みを見つけたが、「それは絶対にない」と断言できる。何故なら、「安倍首相がクオモ知事のようになる」事なぞ、たとえ地球が三角になるような事があっても、絶対にあり得ないからだ。ひょっとしたら、周囲の秘書官や補佐官の「入れ知恵」によって、一時的にクオモ知事の「物真似」をする事は出来るかも知れない。でも、所詮は器が全然違うので、直ぐに化けの皮が剥がれる。

もし安倍がクオモ知事のようであったなら、今頃日本は、もっとマシな国になっていたはずだ。森友・加計問題も、財務省職員の自殺も、「桜を見る会」私物化もなかったはずだ。どこから見ても、安倍は指導者の器ではない。そんな事は、最初の政権投げ出しの時から分かっていた事だ。新型コロナの感染は、それをまたあぶり出したに過ぎない。

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