アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

利口でバカな安倍政権

2007年07月07日 22時04分01秒 | 安倍第1次投げ出し政権
 久間防衛相辞任を受けて、その後任に小池百合子・前環境相が就任しましたが、この人事の評判が事の外悪い。反安倍の左派だけでなく安倍支持勢力のネットウヨクからも罵倒されています。2chでも「本当にカイロ大学を卒業したのか」とまで言われている有様で。まあ、当人のこれまでの行状を見れば、「政界渡り鳥」としての節操の無さが余りにも歴然としているので、左右を問わず外野からこれだけボロカス言われるのも、まあ「しょうがない」かと思いますが。
 http://kaba.2ch.net/giin/kako/997/997931139.html 
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%B1%A0%E7%99%BE%E5%90%88%E5%AD%90
 http://suyap.exblog.jp/5827721#5827721_1
 http://blog.goo.ne.jp/goo21ht/e/5a67375b7964d89f9467ff0285f7dfc1

 私も最初はそういう意味で、先日の記事の追記では「何てアホな人事なのだ、安倍も愈々壊れたか」と呆れていたのですが、どうしてどうして、安倍サイドから見れば「それなりに理に適った人事である」という事が徐々に分ってきました。

 その理由は、まず以って小池がゴリゴリの靖国派右翼政治家であるという事。教科書問題でも最右翼に位置し、日本会議国会議員懇談会副幹事長を務めているという事が、それを何よりも物語っています。そして、日本政府のイラク自衛隊派遣に際しても支持声明をいち早く出し、あの郵政民営化選挙に際しても小泉新自由主義の尖兵として、選挙区を乗り換えてまでして時の政権に貢献したという、強烈な権力志向。こういうアクの強さなどは、「格差があって当然」と言い放つ奥谷禮子をも彷彿とさせるものがあります。

 だから安倍も敢えて引き立てたのではないでしょうか。単に「チーム安倍」の「お友達」補佐官だからというだけの理由では、防衛相は勤まらないでしょう。実際、日米安保協議(2プラス2)では在日米軍再編問題が焦眉の課題であって、その為に沖縄県知事選でも必死になって保守県政を守ったのだし、普天間基地の辺野古移設や北部訓練場の高江移設も強引に推し進めようとしているのですから(事実、野党統一候補の糸数氏当選の場合は、特措法制定で公有水面埋立認可の知事権限剥奪も考えていたと言われている)。

 実際、この沖縄の辺野古・高江への基地移設問題については、調べれば調べるほど、国の悪どさ、悪賢さが目に付きます。基地拡張前提のアリバイ環境アセスメントまず在りきで、ジュゴンの卵子着床具設置で珊瑚礁を破壊し、それに対する抗議運動には海上自衛隊の掃海母艦を差し向けて威嚇する。それがムチならばもう一方のアメの方も抜かりは無く、肝心の地場産業たる農林水産業の振興は打ち捨てておいて、それとは無関係で凡そ場違いとしか思えないようなハコモノ施設(工業高専、国際海洋環境情報センター、マルチメディア館など)を乱造し、地元をおもいっきり「土建漬け、利権漬け」にしておいて、そうして辺野古行政区の基地撤去決議を金の力でひっくり返させたのです。
 http://www.henoko.uchina.jp/life.html
 http://tuvalu.site.ne.jp/topics/okinawa/004/index.html
 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23792-storytopic-3.html
 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-25178-storytopic-3.html

 「国内植民地」とも形容される沖縄経済の状況。「植民地」故の中央依存。そこに付け込む日本政府・本土資本。その中にあっても、「植民地状況に置かれ続けた者の怒り」もまた絶える事無く語り継がれ、時に火を噴く。50年代の島ぐるみ闘争、60年代の祖国復帰運動、90年代の米兵少女強姦事件に端を発した全県ぐるみの抗議運動、然り。沖縄の反基地闘争は、一言で言えばこの様な状況下で闘われているのです。

・ちゅら海をまもれ!沖縄・辺野古で座り込み中!
 http://blog.livedoor.jp/kitihantai555/
・辺野古から緊急情報
 http://henoko.jp/info/
・ジュゴンの家日誌
 http://dugong2007.tuzikaze.com/
・辺野古アクション
 http://www.geocities.jp/henoko_action/

 こういう事は、特に最近の本土の大手商業マスコミは、殆ど報道しません。安倍政権の当初のミーハー人気や、最近はその反動としてのバカさ加減ばかりが、面白おかしくデフォルメされて伝えられるだけです。だから、今回の久間から小池への大臣交代劇についても、「政界渡り鳥」とか「お友達内閣」とか、そういう表層的な部分での批判ばかりに終始してしまいがちです。しかし実際はそうではなく、改憲・軍拡・弱者切捨て政治のごり押しを担う担当大臣としては、安倍忠誠心と権力志向と厚顔無恥にかけてはピカイチの小池百合子は、正に打ってつけだったのです。なるほど、だから久間の後釜に小池を据えたのです。

 ただこれも所詮は「利口でバカ」な「安倍政権のニ面性」が為せるワザにしか過ぎません。委員会付託をすっ飛ばしていきなり本会議で強行採決するなどの国会運営ひとつ取っても明らかな様に、個々の政治判断については如何なく悪知恵を発揮するものの、年金を詐取されワーキングプアとして搾取される側の「虐げられた者の痛み」については全然分らないし分ろうともしないという、根本的な欠陥を抱えているので、「自分の身に即して考える事」が一切出来ないのですから。

(追記)
 前農相・松岡、前防衛相・久間の次は、今度は現役農相の赤城二世議員ですか。それで、今度は議員会館ではなく実家に事務所経費を計上ですか。相次ぐ悪法強行採決や党利党略会期延長とタイアップして、汚職・不正の方も底なしの様相ですね。如何に悪知恵を働かして彌縫策を弄しようとも、所詮は彌縫策でしかない。「虐げられた者」との根本矛盾は更に広がり深まる。やっぱり安倍とその取巻きは、利口でバカな「究極のバカ」でした。
 いや、ひょっとしたら、既にこの国の政治指導層や財界は、悪法製造ラッシュが一段落した所で、支持率ジリ貧で利用価値の無くなった安倍などさっさとお払い箱にして、麻生か民主党の小沢当たりを次期総理に考えているのかも。財界にとっては改憲・軍拡・弱者切捨ての「国柄・国体」さえ安泰であればそれで良い訳で、その枠内でさえあれば誰(何処)が首相や与党であっても別に構わないのですから。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070707-00000141-jij-pol
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ぶりっ子 (ks2394)
2007-07-09 03:16:15
あの首を少し斜めにしてしゃべる「ぶりっ子・小池」が戦闘機にでも乗りだしたら、日本はもうおしまいだ。アーイヤダ  アーイヤダ
これが郵政で国民を騙した官僚自民党だ。
今度こそ政権交代だ。
返信する
杞憂におわればよいけれど・・・ (南雲和夫)
2007-07-12 19:32:17
日本の財界(主流派)は、案外以下のような戦略をたてていたりして。

1.参議院選挙の惨敗で、復古主義的な「靖国派」(安倍一派)の退陣。

2.自民党内部の「靖国派」を除く、対米従属の新自由主義グループと、参議院選挙で躍進が予想される民主党内部の「改憲派」との連立(この課程で、勿論民主党は再分裂)。

3.純粋「新自由主義」勢力による政界再編成と、憲法9条の改悪をめざした政治勢力による連立政権。

4.2011年をメドに憲法改悪のための具体的な政治スケジュールの策定と、各種治安立法の制定による反対勢力の圧殺(共謀罪、そのほか)。

これが、杞憂に終わればよいのですが・・・。
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ちょい甘いと思います (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2007-07-13 11:41:38
資本のグローバル化を自己の利益とし、新自由政策の推進を求める財界(=資本)も、新自由主義政策の強行により国民の被害・不満が増大する事態は当然に織り込んでいます。そしてこの不満や体制批判を沈静化し逸らすためにこそ、排外的国粋主義的な共同体幻想に期待をする。だからこそ、靖国派に存在価値があるのでしょう。

つまり、資本の体制には、国民(もっといえば被抑圧者たる「人類」!)の幸福にとって「偽りの2極」でしかない両者の間に、相互補完的な振動状態が継続することこそが好都合なのです。
「自民VS民主」であれ、「コスモポリタニズムVSナショナリズム」であれ、孤立化した2極が永久に存続しつづけること。これこそが資本の願いであり利益です。
だから、自民も民主も偽りの対立を続けつつ、相互に対極にも転回するという事態が生まれます。
自民が小泉・竹中的新自由主義政策と靖国史観派の間で振動するように、民主も小沢的岡田的新自由主義政策と農産物価格保障政策の空公約というヌエ的な転回構造をもって相互に振動・転回を繰り返す。
これこそが体制側戦略の総体でしょう。

「矛盾」は、存立もするからこそ「矛盾」なのです。
「矛盾」と単なる「対立」(反照関係)は違います。

要は、それを「揚棄」することです!
返信する
お笑いチャンポン内閣 (時輔)
2007-07-13 23:31:14
社会主義者さん、ご無沙汰しています。

最近はもう政治・時事問題関係の所では滅多に書き込みをしない私なのですが、今日は本当に久しぶりで、ちょっとだけお邪魔させていただきます。

安倍政権に対しては、もはや何も言う事などありません(呆れてモノも言えないので、その気が起こらない)。
確か4年前の秋、衆院選の後だったと記憶していますけど、当時、参院議員だった中村敦夫氏が、自らのHPで、小泉政権の閣僚人事や党人事の滅茶苦茶ぶりを「お笑いチャンポン内閣」と言われていた事がありました(中村氏はすでに政界から引退されているので、現在、氏のHPにはその時の記述は掲載されていません)。
今の安倍政権の人事も、かつての小泉政権のそれと似たり寄ったり、否、もしかすると、もっとヒドイと言うべきなのかもしれません。
そもそも、安倍氏は首相の器ではなく、政治家としてまだまだ相当未熟で、人気ばかりが先行しているのですから、こうなるのは最初からある程度、予測がついていた事でしょうね。
少なくとも、今の安倍氏はもう限界。
しっかし、久間氏の後任の防衛相が小池氏とはねぇ・・・
そのうち、今度はガタガタザツキだのサトユカだの、更には、イシバカヒドバカ、タイゾウボウヤといったどうでもいい連中までもが、近い将来、マジで閣僚入りするのではないか?と、そのような事さえ思ってしまいます。
本当に憂うべき情けないばかりの日本の政治です・・・
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