この「なにわB級グルメ探訪」シリーズの初回で紹介した「シチュウー」ですが、大阪で唯一メニューに載せていた「いづみ食堂」の閉店で、もう味わえなくなったと思い込んでいました。それがひょんな拍子に、同じ大阪の新世界で、食べられる所がまだあるという事を知り、この前の11月最後の日曜日に、其処「あづま食堂」に行ってきました。
その「あづま食堂」は、「いづみ食堂」のあったジャンジャン横丁から北に上がって、通天閣を間近に見る一角にありました。店の雰囲気は、「いづみ食堂」と同じ、昔ながらの大衆食堂そのものでした。
まず店の入口直ぐ横に、主なメニューの値段が記された看板が、でーんと控えていました(左下写真)。そこには「シチュー350円」の文字もありました。ここでは「シチュウー」ではなく、普通に「シチュー」と書かれていました。という事は、「シチュウー」というのは、別にそれが正式な表記だったのでも何でもなくて、単なる「いづみ食堂」の誤記だったという事か・・・。
その「シチュー」ですが、ファミレスなどによくある「クリームシチュー」みたいなドロッとしたものではなくて、謂わば「和風味のポトフ」みたいなものを想像してもらえれば、当たらずとも遠からずではないかと思います。サラッとした薄味のダシに、玉葱・じゃがいも・牛バラ肉の具が入っている、そういう昔ながらの「シチュー」です。
それが、味噌汁の様な汁物ではなく、れっきとしたご飯のオカズとして、どんぶり鉢に入って出てきます。そこに、お好みでソースを垂らしたりして食べます。テーブルの上には、お茶の入った小型のやかんと湯呑みが置かれていて、銘々勝手に注いで飲みます。その横に置かれているのは、私がシチューとつけ合わせのオカズとして注文したオデンに付ける、チューブ入りのカラシです(右下写真)。
但し、「いづみ食堂」とは違って、「たきみ」(卵入りのシチュー)はメニューにはありませんでした。「シチュー入りのうどん」はありましたが。また、メニューにはありませんが、生卵が50円、パック入りの海苔が100円で注文出来るので、今流行の卵掛けご飯も、わざわざ「卵掛けご飯」専門店まで行かなくても、ここで食べる事が出来ます。店内の隅には神棚まであり、雰囲気はもう「昭和30年代の大衆食堂」そのものでした。
帰りは、新世界を散策。通天閣付近の賑わいは昔と変わらず、もう師走の出で立ちで、大勢の人で溢れかえっていました。
ただ変わった点は、ネットカフェがあちこちに出現していた事。それも1時間300円、3時間600円、1泊1500円ぐらいの安価な料金設定の店が殆どです。そのうちの一つに入ってみましたが、難波や梅田にある大手チェーンのネットカフェとは雰囲気は明らかに違います。
ネットカフェというよりも、寧ろ「パソコン・インターネット付きの個室ビデオ店」といった方が近い。ブースではなく、それよりも広めの完全個室になっており、椅子の横には簡易ベッドもありました。でも室内は思ったより清潔で、これなら1泊ぐらいならオールナイトで利用してみても良いかな、という気に一瞬なりましたが、しかしそれでも如何にも作りが安っぽく、隣室の物音も筒抜けで、やはりこれでは落ち着いて寝れそうにはありません。
後、変わったといえば、コンビニが更に増えた点。90年代のフェスティバル・ゲート出現以降、この新世界一帯は様変わりし、労務者に混じって若者や観光客も大勢行き交うようになり、コンビニが其処かしこに出来ました。それが今や更に増えて、阪堺線南霞町駅(右下写真:1990年の暴動では焼き討ちの被害に遭った)の横や、国道25号線を隔てた向こう側の、あいりん地区の中にもコンビニが出現していました。
そうして、見かけ上だけは華やかになりましたが、格差社会の縮図としての、あいりん地区の現状は何も変わっていない事は、この間の住民票抹消裁判、ホームレス排除、手配師による賃金ピンハネ横行や、この前の西成警察による暴力的取締りに端を発した暴動発生の事実が、それを雄弁に物語っています。
(関連記事等)
・なにわB級グルメ探訪1 シチュウー
http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/c/37abd5d7f82f7547a9f4cfbe8d976d59/1
・なにわB級グルメ探訪11 失われゆく大阪の味
http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/05301ef6c3ac85ff29618e9cffa350de
・お食事処 あづま(「新世界NOW」:新世界ブログ会)
当該「あづま食堂」の紹介記事です。
http://blog.goo.ne.jp/shinsekainow/e/09f354c6013b24273c9b6dc0976afa18
・西成暴動に加勢した若者をどう見るか
今年6月の暴動後に訪れた「あいりん地区」のレポートなど。
http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/0463e270acdf7ac09b60a1636e445722
その「あづま食堂」は、「いづみ食堂」のあったジャンジャン横丁から北に上がって、通天閣を間近に見る一角にありました。店の雰囲気は、「いづみ食堂」と同じ、昔ながらの大衆食堂そのものでした。
まず店の入口直ぐ横に、主なメニューの値段が記された看板が、でーんと控えていました(左下写真)。そこには「シチュー350円」の文字もありました。ここでは「シチュウー」ではなく、普通に「シチュー」と書かれていました。という事は、「シチュウー」というのは、別にそれが正式な表記だったのでも何でもなくて、単なる「いづみ食堂」の誤記だったという事か・・・。
その「シチュー」ですが、ファミレスなどによくある「クリームシチュー」みたいなドロッとしたものではなくて、謂わば「和風味のポトフ」みたいなものを想像してもらえれば、当たらずとも遠からずではないかと思います。サラッとした薄味のダシに、玉葱・じゃがいも・牛バラ肉の具が入っている、そういう昔ながらの「シチュー」です。
それが、味噌汁の様な汁物ではなく、れっきとしたご飯のオカズとして、どんぶり鉢に入って出てきます。そこに、お好みでソースを垂らしたりして食べます。テーブルの上には、お茶の入った小型のやかんと湯呑みが置かれていて、銘々勝手に注いで飲みます。その横に置かれているのは、私がシチューとつけ合わせのオカズとして注文したオデンに付ける、チューブ入りのカラシです(右下写真)。
但し、「いづみ食堂」とは違って、「たきみ」(卵入りのシチュー)はメニューにはありませんでした。「シチュー入りのうどん」はありましたが。また、メニューにはありませんが、生卵が50円、パック入りの海苔が100円で注文出来るので、今流行の卵掛けご飯も、わざわざ「卵掛けご飯」専門店まで行かなくても、ここで食べる事が出来ます。店内の隅には神棚まであり、雰囲気はもう「昭和30年代の大衆食堂」そのものでした。
帰りは、新世界を散策。通天閣付近の賑わいは昔と変わらず、もう師走の出で立ちで、大勢の人で溢れかえっていました。
ただ変わった点は、ネットカフェがあちこちに出現していた事。それも1時間300円、3時間600円、1泊1500円ぐらいの安価な料金設定の店が殆どです。そのうちの一つに入ってみましたが、難波や梅田にある大手チェーンのネットカフェとは雰囲気は明らかに違います。
ネットカフェというよりも、寧ろ「パソコン・インターネット付きの個室ビデオ店」といった方が近い。ブースではなく、それよりも広めの完全個室になっており、椅子の横には簡易ベッドもありました。でも室内は思ったより清潔で、これなら1泊ぐらいならオールナイトで利用してみても良いかな、という気に一瞬なりましたが、しかしそれでも如何にも作りが安っぽく、隣室の物音も筒抜けで、やはりこれでは落ち着いて寝れそうにはありません。
後、変わったといえば、コンビニが更に増えた点。90年代のフェスティバル・ゲート出現以降、この新世界一帯は様変わりし、労務者に混じって若者や観光客も大勢行き交うようになり、コンビニが其処かしこに出来ました。それが今や更に増えて、阪堺線南霞町駅(右下写真:1990年の暴動では焼き討ちの被害に遭った)の横や、国道25号線を隔てた向こう側の、あいりん地区の中にもコンビニが出現していました。
そうして、見かけ上だけは華やかになりましたが、格差社会の縮図としての、あいりん地区の現状は何も変わっていない事は、この間の住民票抹消裁判、ホームレス排除、手配師による賃金ピンハネ横行や、この前の西成警察による暴力的取締りに端を発した暴動発生の事実が、それを雄弁に物語っています。
(関連記事等)
・なにわB級グルメ探訪1 シチュウー
http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/c/37abd5d7f82f7547a9f4cfbe8d976d59/1
・なにわB級グルメ探訪11 失われゆく大阪の味
http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/05301ef6c3ac85ff29618e9cffa350de
・お食事処 あづま(「新世界NOW」:新世界ブログ会)
当該「あづま食堂」の紹介記事です。
http://blog.goo.ne.jp/shinsekainow/e/09f354c6013b24273c9b6dc0976afa18
・西成暴動に加勢した若者をどう見るか
今年6月の暴動後に訪れた「あいりん地区」のレポートなど。
http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/0463e270acdf7ac09b60a1636e445722