今朝の日経でESG投資は今のところリターンが良くないといくつかのESGファンドを上げて紹介していた。日経ともあろうものがずれているのではないか?世界の潮流は環境・社会・統治の英語の頭文字をとったESGファンドだけで無く全ての投信に組み込む企業の判断基準にESG要素を判断材料にしている。日本の年金基金(GPIF)もESGを投資の基準とすることになった。たしかにすぐリターンに結びつくものではないが長期に存在し続けなければならないわゆるサステナビリティのためには企業はESG要素が必要十分条件だ。逆にESG要素がきちんとしている企業は安全で安定しているということだ。
日本の大企業にはESG要素がまだ判ってないというか欠けている。ようやく最近プラスチックの使用を減らすと宣言した企業も出てきたが、統治面では人権への配慮が十分ではない。過重労働やハラスメントで自殺者が出るような企業は投信への組み込みは止めることだ。また外国の日系企業では相も変わらずストを打たれると平気で労組役員を解雇し問題をこじらせている。一方、朝日ライフSRI社会貢献ファンドでは中小企業の中でESG要素が優秀な企業を組み込み長期間安定した成績(2000年設定以来TOPIX17.4%に対し94.9%)を上げている。このファンドは総資産の0.1から0.2%を社会福祉、環境、女性支援などの分野に寄付をし続けているから立派だ。
1999年国連がグローバルコンパクト(企業に対し、人権、労働権、環境、腐敗防止)を提唱し、企業に要請した。そして2006年には投資の意思決定プロセスにESGの課題を組み込むことを宣言したPRI(社会的責任)宣言を採択した。現在2300以上の投資機関が署名(GPIFも2015年に署名)している。
ファンドの評価をしているモーニングスターの朝倉社長もこれからはファンドの評価にあたって、従来の財務的要素に加えESG要素を重視すると強調している。社債投資でも投資適格かの判断にESG要素を取り入れ、安定的な運用を目指す「ORIX世界社債アクティブファンド」もあり、ESG要素の高い企業は長期安定が持続すると判定されている。
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