行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

米国の最低賃金15ドルへの闘いに習う

2015-05-30 22:51:25 | Weblog

総務省が29日公表した家計調査報告(速報)によると、4月の二人以上世帯の消費支出は前年同月比で実質1.3%減の30万480円という衝撃的な数値だ。前年同月の4月は消費税が上がり、3月の駆け込み需要のあと消費は極端に落ち込んだので、誰もがこの4月の消費はプラスになると考えていたからだ。この原因は住居の修繕や外国旅行、外食を控えたことにある。この層は年収400万円クラスの中間層で、この下の貧困ライン年収250万円クラスの消費は更に落ち込んでいることが十分予想できる。

4月の賃上げが2.4%くらいになり、その内消費は出て来るという楽観論が多いが、重要なのは貧困ライン以下の賃金の動向だ。米国では今ファイト・フォー・フィフティーン(Fight for Fifteen)運動が全米で展開されようとしている。連邦最低賃金が7.25ドル(時給以下同じ)を、人間らしい生活ができる最低水準となる貧困ラインを上回る賃金、15ドルを獲得しようという大衆運動で、オバマ大統領の最賃引き上げ政策の後押しをしている。

日本もこれから最低賃金の改定にはいるが欧米の最低賃金をにらみながら改善するべきで、産業別最低賃金は1000円から1500円の実現で消費の回復を図ることだ。

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大相撲のニューヒーロー照ノ富士

2015-05-28 21:58:22 | Weblog
 
遠藤で始まり,白鵬で終わった夏場所

 昨年のブログ    昨年の夏場所のブログと同じ結果の夏場所となっ...
 

逸の城に注目してたら押しのけて照ノ富士が自分が先輩だとばかりに頭角を現し、ついに大関になった。昨年このブログでは稀勢の里の横綱取りと新星遠藤のことに触れたが、1年経つと大きく変わっているのには驚く。中心にいる白鵬は依然として変わらないが、審判にケチをつけて以来、マスコミとの距離感が合わずストレスを貯め込み今場所は稀勢の里、日馬富士に苦杯をなめ、結果的に照ノ富士が優勝と大関取りを実現した。

照ノ富士の強さは本物で、大関になって横綱への距離は先輩大関より近い。今場所の稀勢の里戦では稀勢の里充分の上手をゆるしながら、下手投げで転がした。力が同じなら上手投げの方が有利であることは常識で、下手投げが勝ったというのは稀勢の里が上手を取って安心したのか照ノ富士の力が勝ったのかどちらかだろう。その判定はこれからの取り組みで明らかになるが、興味津々だ。

足踏みしている逸の城も大銀杏が結える頃には照ノ富士のライバルとして、成長するだろう。来年の今頃は横綱照ノ富士と逸の城が誕生しているかもしれない。日本人力士がどう絡んでくるのか期待したいが、今のところ稀勢の里の頑張りに期待するしかない。

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ISOで労働安全規格45001の新設

2015-05-26 18:38:35 | Weblog

国際標準化機構(ISO)は2016年秋にも、企業などが労働者の健康と安全を確保できる体制を持つことを認証する国際規格45001を新設する。との報道。ISOというと、品質管理のISO9001や環境管理のISO14001が有名で、その規格をとってない企業とは取引しないという公共企業体や国が多い。今回新たに設ける「ISO45001」は、「管理規格の労働環境版」と位置づけられ、労働者の働く環境を客観的に評価し、企業に安全や基本的人権の維持を促すなど、ISOの役割が広がる。

この背景には2年前におきたバングラデッシュのラナプラザの悲劇がある。2013年4月24日、バングラデシュ郊外のラナプラザビルが倒壊し1134人の労働者が犠牲となり、負傷者を含めると被害者は3600人に達した。このビルにはベネトンやカルフールといった有名ブランドの衣料下請け工場が密集し、倒壊すると危惧されながら非常口を閉めて生産を続けた結果、多くの犠牲者が出た。欧州企業が多かったことから非人道的な職場環境をなくそうと労使一体となった下請け工場の監査などが実施され、EUの中でISO45001の実現に向けた動きが出てきたのだろう。バングラでは遺族や負傷者の生活補償のためにラナプラザ信託基金を設立し、有名ブランドを含む世界の衣料産業から寄付を募ったが、目標の3000万ドル(約36億510万円)には、270万ドル(約3億2859万円)が未達となっている。

大企業が低賃金を求めてサプライチェーンを途上国に構築するとき、前提となるISO45001を途上国で実現すればラナプラザのような悲劇は避けられる。日本企業も自ら取得するだけでなくサプライチェーン全体で取得すれば労働環境の良い企業としてのイメージが出され、人材も集まる。

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予断は禁物GDP成長率

2015-05-24 23:43:35 | Weblog

2015年 1-3 月期のGDP成長率が1 次速報値において、実質 0.6%(年率 2.4%)、名目 1.9%(年率 7.7%)となった。実質成長率、名目成長率ともに 2 四半期連続のプラス成長となったと各紙が派手に報じている。同時に発表した14年度の実質成長率マイナス1.0%、名目1.4%に比較すれば年率2.4、7.7%という数値はようやく景気は回復してきたと感じたくなる。

ところが中身を吟味してみると、予断は許せない。実質GDP成長率に対する内外需別の寄与度を見ると、国内需要は 0.8%とプラスに寄与した一方、外需は▲0.2%とマイナスに寄与した。内需のプラス寄与の内訳は民間最終消費支出と民間企業設備については、実質 0.4%増とふるわず、民間設備投資はようやく 4 四半期ぶりの増加となり、甘利経済相は記者会見で企業はもっと設備投資をと要請したくらいだ。特にソフトウェア投資の減少が気になるところ

民間住宅については、実質 1.8%増と 4 四半期ぶりの増加となリ、唯一の明るい材料だ。
今回注目したいのは民間在庫品増加で、GDP寄与度については、実質 0.5%とプラス寄与となった。まだ流通在庫及び 1 次速報値では基礎統計の不足から統計的な補外推計となるので判断は難しいが、仕掛品在庫が増加に寄与した一方、製品在庫が減少に寄与したという内容だ。仕掛品を増やしたことは先行き良しと見たと考えれば明るい方向だが、売れ行きが悪ければ一転GDPにはマイナスの影響を与える。

国内民間経済は輸出の伸びが落ちていることから、消費や設備投資の回復がかぎを握っている。

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ポツダム宣言を皆で読もう

2015-05-22 22:54:52 | Weblog

「私はまだその部分をつまびらかに読んでおりませんので、承知はしておりませんから、今ここで直ちにそれに対しての論評をすることは差し控えたいと思います」これは、先日の党首討論会でポツダム宣言をどう思うか聞かれた時の安倍首相の答弁だ。

歴史認識などと高度のことではない。日本の政治家が最も学ばなければならない1945年戦争終結に向けて出されたポツダム宣言をよく読んでないというのだ。その中に軍国主義で日本を破滅させた戦争犯罪人の責任追及が含まれているから忌避しているのか、党首討論ではもっと突っ込んで貰いたかった。

戦争を終結すべき条件が示されたポツダム宣言は戦後日本の民主主義国家への道を示している。私が重視するのは時期の問題で1945年7月27日には日本の外務省は把握し、東郷外務大臣は受諾やむなしとの思いであったが、陸海の大臣をはじめ猛反対にあい、当時の鈴木貫太郎首相は黙殺した。いたずらに時間が過ぎ、広島と長崎に運命の原爆が投下され、8月15日にようやく受諾することになった。

当時の大新聞マスコミも笑止な宣言で、聖戦遂行などと煽り、政府に強硬姿勢を迫った。政治家は勇気をふるい、命をかけてポツダム宣言を1週間以内に受諾を決断してほしかった。もたもたしていたため、原爆を投下したがっていたトルーマン大統領の思うつぼだった。
かつて私はポツダム宮殿の宣言を決めた部屋で上記のことを学んだ。全政治家、マスコミはポツダム宣言をこの機会に学んで貰いたい。

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悲惨なネパールの情況

2015-05-20 22:05:11 | Weblog

今日は私が相談役を務める国際労働財団でネパールの現状と今後の事業展開などの報告を聞いてきた。現地のカトマンズ同財団出張事務所からの報告やNPOからの情報では、かなり悲惨な状態で、緊急に資金援助を先ずする手続きに入った。寄付集めをするには、先ず公益財団は内閣府に定款変更を届けなければならず。来週の理事会で定款変更をはかるという手続きも必要となる。

ネパールの情況
カトマンズは支援が行き届き、物資は出回っているが、地方は道路事情のために支援物資が行き届かない。地方にトラックで運ぶと途中で、止められ、支援物資は抜き取られる。多くは略奪ではなく話し合いの上で取られるので、身の危険はない。食糧がないので仕方なしと割り切るしかない。

外国からの支援物資は空港の処理能力に限界があり、供給が制限されている。カトマンズ空港は平常でも、貨物処理が遅く、私が出張した時でも、携行荷物が出て来るのに1時間以上は掛かったくらいだ。仕方なく日本からの支援は現金を持ち込み物資をカトマンズで調達している。

家の倒壊は多く、震災孤児が多数出て、両親だ親戚だと言って子供をさらっていく犯罪が起き始めている。これは何としても防がなくてはならない。これからモンスーン季節で雨が多くなり、洪水の危険もあり、テント生活は一日でも早く切り上げる必要がある。日本政府も仮設住宅の建設などアジア最貧国を支援して貰いたい。

7月には国際労働財団の子供の教育事業や職業訓練事業を開始できるようにスタッフを派遣することにした。
ネパールの同財団の事業については何回かこのブログで触れているのでブログ内検索で確認して下さい。

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玉川上水を世界文化遺産に

2015-05-18 23:43:42 | Weblog

徳川家康が豊臣秀吉の要請?命令?により江戸に移った時、江戸の水は掘っても掘っても塩水だった。水は命でありその調達は絶対に必要だった。荒川からの水を引いたりしたが、多摩川の水を何とか江戸にという大構想が徳川幕府にとって必要だったことは肯ける。羽村から四谷まで43Kmの水路を困難な工事をやり遂げた玉川兄弟の功績は大だ。欧州に行くとローマ時代の水道橋が各地に残っているが玉川上水はなだらかな平野の中を掘ったわけで、水を流すのに苦労しただろう。途中には立川断層があり、そこをこえるのに苦労した痕跡が残っている。

しかも、1653年に着工し同年内に完成するという当時の公共工事としては最速で、如何に幕府が力を入れていたかが判る。上水道として考えられていたが、途中何カ所からは分水し、農業水としても利用している。私は羽村から井の頭まで歩いたが、途中自分の住んでる昭島近くの福生市熊川や砂川で分水し、農業の発展にも寄与してきた。

素晴らしいことは建設されてから360年余、玉川上水は保全され、実用されてきたことだ。明治以降、玉川上水の管理が重要だと言うことで上水が流れる三多摩地区は神奈川県から東京府に移されたほどだ。この玉川上水を世界文化遺産にという動きがあるが、いまでも飲める清流が大都会の中にあること自体世界に大きな影響を与えることから是非世界文化遺産にと願う。

昨日も新緑の中、玉川上水縁を散歩したが、武蔵野市がウオーキングラリーをやっていて多くの市民が参加してた。三鷹から拝島までは散歩道が整備され、途中には足湯まであり、ハイキングコースとしては年寄りも楽しめる。

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パンと牛乳で100歳に

2015-05-16 22:28:43 | Weblog

今日の新聞広告米国の医者が書いた「いつものパンがあなたを殺す」という大げさな掲載、またかと苦々しく見た。何年か前やはり米国の医者が牛乳を飲むなヨーグルトを食べるな寿命が確実に減るといった本を出し、話題になった。知人が真に受けて一切乳製品を取らないと言いだし、信用するなと説得したのを思い出した。専門家である医者が何故このようなことを言い出すのだろうか?米国のことだから金儲けしか思い浮かばない。

私の母がこの4月100歳を通過した。1人住まいでデイサービスでの食事以外はほとんどパンと牛乳が主で時たま卵やハムを摂っていた。あまりにも可哀相なので、夜は週二回和食を宅配してもらった。私は週に4カートンぐらいの牛乳と食パンを買って届けた。一族が集まる会食では、フレンチやイタリアンでパンやパスタを食した。

我が家は戦後の代用食の歴史を引き継ぎ、朝食はパンで、母親の影響を受けたのかもしれない。母はパンと牛乳を食べても100歳まで生きてるという生き証人で、国民の健康を守る厚生労働省はこうした米国の医者本に対する見解を発表すべきだろう。常識的に考えてもパンやパスタが人を殺すなど噴飯ものだが、権威に弱い真面目に実行する人がいるとしたら恐ろしいことだ。

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日本の商品・サービスは高品質だけではない

2015-05-14 22:29:17 | Weblog

先日の会合で長崎の友人が外国人による爆買いでカステラまでが品不足だと言っていた。東京だけでなく地方にも外国人観光客が来るようになった。日本の商品やおもてなしで有名になったサービスが単に高品質だけで爆買いになっているのではなく品質プラスαがあるのではないだろうか

爆買いで有名になった電気釜を見ると、単に焚くだけでなく、微妙な炊き上げご飯の味が本物の釜で炊いたようなこだわりで日本の各メーカーは競った。シャワートイレは中国や東南アジアの水であらう習慣にマッチしたことは否定できないが、確実に定められた温水で洗えるという細かい技術が評価された。爆買いでドラッグストアの株価が上がったが、チューブの歯磨き粉?にしても外国品とはデザインが違う。蓋の部分が大きく蓋を底に立てておくことができる。整理整頓好きの日本人らしいきめの細かいところだ。

先日訪れたゴルフ場ハウスの床、大理石が敷き詰めてるのかと思ったが柔らかい絨毯だった。絨毯にわざわざ手間をかけて大理石模様にするとは、感心してしまった。オートドアは日本発のお客に対するサービスで欧米でも普及したがタクシーの自動ドアだけはまだ日本限定のようだ。プラスαで世界に普及しない例の典型は日本製スマホのワンセグとかお財布携帯であるが、お財布携帯はクレジット機能つけるかたちでこれから普及するだろう。

昔、従業員提案制度というのがあって、全員が何か改善案や新製品を提案せよと言われ、眠れない人も出てきて問題になったが、強制されなくても日本人には創意工夫の習慣が備わっているのではないか

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ものつくりへの回帰

2015-05-11 23:23:02 | Weblog

GEがかの著名なウェルチ会長からイメルト新会長に代わり、経営方針を大きく変えることになった。前ウェルチ会長はメーカーであるGEで金融部門を拡大し、GEの企業価値を高めたことは有名で、GEは金融機関になるのではとさえ思えた。ところが儲け頭の金融部門は不動産投資、保険への投資がリーマンショックで大打撃、GEはデフォルト宣言をするのではとの噂も流れた。金融部門はその後の政府の支援などで立ち直ったが、イメルト会長はGEの本来のものつくりへ戻ることを決断した。発電部門では世界一の競争力を持ち、飛行機のエンジンなど高技術のものつくりで発展の道筋をつけたいと言うことだ。

昨年私が8年間事務局長を勤めた金属労協は結成50周年を迎え、世界の金属労組の代表者も記念パーティに駆けつけてくれた。世界の金属労組だけでなく繊維、鉱山などの労組を束ねる国際組織インダストリオールの会長ベルトフェルト・フーバー氏も来られ、お目に掛かることができた。彼はドイツ金属の会長も兼務されているが、彼の持論はドイツはものつくり立国で、GDPの20%以上は製造業が占めなくてはいけない。特に自動車や機械産業はドイツ経済の基本だと説く。日本の製造業のGDP比率は18%だからもっと頑張れという忠告でもあった。

最近のニュースで報道されているフォルクスワーゲン社のお家騒動だが、ピエヒ会長が永年一緒にやって来た社長とうまくなくなり、大株主であるが会長を辞したという話だ。ドイツの企業組織は独特で取締役会の上に監査役会があり、最高意思決定機関となっている。監査役会は労組・従業員代表や経営側代表、社外の中立委員などからなり、ピエヒ氏はその会長であった。監査役会では社長を支持する役員が多数を占め、会長は経営側代表として送り込んだ妻もろとも辞任した。そして会長空席を埋める人事が今後なされるが、その間副会長である前記のベルトフェルト・フーバー氏が図らずも最高責任者となってフォルクスワーゲン社の舵取りをすることになった。ドイツ金属の会長は辞しているが、国際労組組織インダストリオールの会長が世界一の生産台数を誇る自動車会社のトップとなるとは皮肉なものだ。持論のものつくり重視をフォルクスワーゲン社をとおして貫くことは間違いない。

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