安保法制の審議が参議院で始まった。世論の反対を押し切って衆議院で可決し、支持率も4割をきったため、安倍首相は丁寧な説明で国民に理解をして貰うと答弁をしているが、聞いていると「集団的自衛権は憲法違反出ないと確信」を繰り返し、戦争法案という野党に指摘に対し「戦争に巻き込まれることは絶対ない」と断定し、かなり荒っぽい説明をしてる。
前にも指摘したが、前者の集団的自衛権についは憲法学者の見解を見るまでもなく、首相が根拠としている砂川事件の判決文では一言も集団的自衛権に触れてない。だから歴代内閣は集団的自衛権は憲法では認められてないとしてきた。1年前に閣議決定をしてから自分で確信しているとだけの説明に終始している。
後者の戦争に巻き込まれないについては戦争の定義まで関連するが、米軍が戦闘状態に入り、敵潜水艦をヘリで爆雷攻撃しているケースが審議会で取り上げられていた。そのヘリを敵潜水艦の魚雷攻撃の範囲外に位置する自衛隊のヘリ空母が米軍の攻撃ヘリの給油艦として支援するケースが集団的自衛権の発動だという。この場合日本は戦争に参加していませんと言っても敵も第3国も認めないことは明らかで、それは自衛権の発動で戦争ではない巻きこまれてないと強弁しても国民は納得するのだろうか
イランとの平和が訪れ、ホルムズ海峡封鎖についても現実味がなくなり、これも荒っぽいが、海路の安全について急遽南シナ海での中国による存在を指摘しだした。1年前に戻り、中国と北朝鮮対策なら個別自衛権で対応できる安保法制を構築するべきだろう。この方が国民にとって解りやすいし、より現実的だ。