行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

日本は物価が安い、しかし

2014-04-29 17:09:31 | Weblog

今月の消費者物価が消費税増税で都区内調査で2.7%になったとの報告があり、これもアベノミックスの成果でデフレ脱出は目の前との閣僚の評価もされている。物価が上がることがそんなに良いのだろうか。10日間、ベネルックス3国を回って日常生活で重要な食料品、外食の値段に触れる機会があったが、つくづく感じたのは日本の物価が実に安いということだった。

日本の消費税である付加価値税を見ると、オランダ、ベルギーは21%で食料品は6%の軽減税率、ルクセンブルグは15%で食料品、外食は3%の軽減税率となっている。したがって日本の税率が8%になり、食料品に関しては日本の税率が高い。ところが、ユーロが強くなったせいか全般的に日本の物価が安くなっている。もちろんチーズのように高い関税をかけているものは日本の方が高い。

庶民が利用するレストランやカッフェでのランチで見ると、ブラッセルやアムステルダムでは18ユーロを前に出して宣伝している店が多い。日本円で2600円だからほぼ日本の銀座や丸の内のランチ代の倍で、ビックリした。ドライブインの地元系ハンバーガーショップでは14ユ-ロセットを売りにしていた。免税であるオランダスキポール空港内の売店で、サンドイッチとカフェラテを買ったら9ユーロ(約1300円)弱、税抜きでもセブンイレブンの倍はする。

かつては、日本は物価が高いといった時代があったが、現在は神話になりつつある。この原因は日本の外食産業やコンビニといった小売り産業の企業努力と肉類を中心とした関税率の減少が上げられる。電機電子製品の価格は従来から安かったが、ここへ来て消費税増後の方が値段が下がったという奇妙な現象も起きているが、心配なのは外食産業も含め、97年以降人件費の節約がやり過ぎではないかという懸念だ。

欧州は労働協約で賃金と労働時間はきっちりと規制されている。物価の安さが安い人件費や長時間労働の上で実現されてないか絶えずチェックする必要がある。

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キューケンホフはチューリップだけではない

2014-04-27 22:30:34 | Weblog

オランダキューケンホフ公園は今が盛り、花という花が咲き誇っている。 日本の観光客にとって、桜も満開で、一緒にチューリップが楽しめるのは有り難い。

キューケンホフ公園のあるアムステルダムの郊外リッセではチューリップ畑が色を織りなす

鳥取花回廊が一角にあり、ツツジとチューリップが競っていた

ムスカリの川、ちゅっと色の薄い品種だ

珍しいチューリップも

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なぜEU本部がブラッセルにあるの?

2014-04-26 04:53:29 | Weblog
ベルギーの首都ブラッセルに来てEUの本部がまたITUCの本部が何故ここにあるのか解った。これまでなんとなくブラッセルがヨーロッパの中心に位置しているので本部があるぐらいに思っていたが、その背景には歴史的な事情がある。

ベルギー王国はオランダから独立したのは1930年代で新しい国といってもよい。長いヨーロッパの歴史を見ると南のラテン系と北のゲルマン系の絶えざる紛争の歴史だ。ベルギーは地理的にちょうど双方がぶつかり合うところで国自体も北部のオランダ系住人のフランダース地方と南部のラテン系住人のワロン地域で明確に別れており、話す言葉もオランダ語系のフラマン語とフランス語に別れている。首都のブラッセルは2ヵ国語併用となっている。

アントワープでは、ほぼオランダにいる感じだし、古き建物もファサードのデザインが階段状で、石が採れないのでレンガ造りが多い。南部は石造りのどっしりとした建物だ。人間は簡単に言うとゲルマン系の背丈は大きく、ラテン系は小さいのであるが、ベルギーを南北に旅してみるとよくわかる。
南部で覚えたフランス語の挨拶を北部で使うとエッという顔をされ、なんとなく違和感を感じる。

今、ウクライナではロシア語を使う地域で独立をめぐり紛争がおこり、東西分裂の危機だが、ベルギーは克服してブラッセルはベルギーだけでなく全ヨーロッパの中心になろうとしている。
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ルクセンブルク、世界一の豊かな国?

2014-04-24 06:47:35 | Weblog
ルクセンブルクは小国ながら21世紀以降、一人当たりのGDPにおいて世界首位の座を維持し続けている不思議な国だ。 ルクセンブルクはベルギー、オランダと 国民所得がトップ水準のベネルックス3国と呼ばれているが、規制の緩さで経済を活性化し、世界最高水準の富んだ国となった。
その秘密を探って見た。首都は大渓谷をまたいで緑の中の美しいリゾート地のようだが、断崖の上に巨大なガラスのビルが目にはいる。ミッタルに買収された世界一の鉄鋼会社アルセロールの本社で、製造業の牙城が先ずは豊かさの証明だと言ってるようだ。しかし、リーマンショックで世界的に鉄鋼業はさえなく脇役にならざるを得ない。

現在では銀行業や金融サービスを中心とした金融大国でスイスに匹敵する。金融関連機関が集中しており、ユーロ圏における金融センターとしての地位を不動のものとしている。金融セクターへの外国の投資が盛んなのは法人税がEUのなかでも最も安く、タックスヘブンと非難されてるくらいだ。 スカイプ社、Apple社など多くのインターネット関連企業もヨーロッパ本社機能を移転して副次的に情報通信産業の競争力がトップ水準となった。日本企業も帝人、ファナック、楽天などが欧州本社を置いている。

人口の少ない国でなぜうまく産業構造の転換が可能なのか?その回答は移民やコミューター通勤労働者の利用にありそうだ。労働者の6割が外国人と言われてるが、多くはベルギー、オランダからの通勤者や移住者だが正確な統計はない。また現地では、アフリカ系労働者が多く見られ、ほとんどは不法労働者だが取り締まることはしないようだ。

統計上は分母の国民数が小さいので一人当たりのGDPは大きくなる。世界一の豊かな国というのも住んでみないと判らないというのが結論だ。
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自転車王国 オランダ異聞

2014-04-23 04:29:22 | Weblog
オランダはどこでも地平線が見えると前述した。坂がないせいか、交通手段は自転車が活躍中で、人口の1.6倍も自転車を所有する自転車王国だ。アムステルダム中央駅には4000台もの駐輪場があり、運河を往き来するボート船着き場に位置している。この駐輪場、鍵をかけてない自転車は誰が乗っても犯罪にはならないという徹底ぶり、自己責任を強調する伝統が生きている。

サイクリングは空気を汚さず、健康にもプラスで、日本でも普及が叫ばれているが、オランダでは車道の脇に必ず自転車とバイクの専用道が整備されている。車道の交通渋滞を尻目にすごいスピードで自転車は走るため、日本人にとっては横断歩道を渡るとき車道を渡ったからといって安心できない。自転車の突進に注意しなければならないからだ。

こちらの自転車盗難防止はあくまでも自己責任だから、施錠された鎖の太さは日本では見たことのない大きさで溶接機でもないと切れない。鎖だけでかなりの重さと思うが、男子平均身長180センチの体力でカバーしてるのだろう。

環境問題から自転車利用はオランダの得点にはなるが、伝統的にクリーンエネルギーを産み出してきた風車は今でも粉引きなどで動いている。今では利用する風は大部分、発電風車に採って替わって環境に貢献している。アムステルダム郊外では新旧風車が回っているが、旧風車は左回り、新風車は右回りと好対象で興味深い。
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オランダ紀行

2014-04-22 04:40:31 | Weblog
オランダはパートタイムの国と前回書いたけど、今回来て改めて豊かさとゆとりを感じざるを得ない。国土は小さいが、山がなくどこでも地平線が見られ、すべての国土は利用可能で、農産物の輸出は世界一だ。国土の4分の1を占める干拓地は有名だが、けして肥沃な土地とは言えない。創意と工夫で切り抜けてきたオランダ魂は、先般のソチ五輪でのスケートメダル独占でも見られる。
またこの季節アムステルダム郊外の春の色鮮やかな名物、チューリップにもいえる。トルコから600年頃渡ってきたチューリップは砂地で作物放棄地を利用して育成し、今や40ヵ国に輸出している一大産業になっている。それだけでなく、チューリップ、ヒアシンス、水仙の公園キューケンホフは3月中旬から5月まで、世界から観光客を引き付けオランダの観光産業の柱になっている。

このオランダ人の根性は歴史を振り返ると推測できる。宗教上ではカソリックのオランダプロテスタントへの弾圧で、オランダは神が創ったのではなく自分達が干拓して創ったとさえ言い切る。また、独、仏、スペインなど強国の侵略を克服し、17世紀独立するや東インドを設立し、スペイン、英国と覇を競うトップレベルの国になった。貿易立国は現在でも輸出、輸入額で世界5位、とか6位、経常収支は黒字4位と変わっていない。

その富の蓄積はアムステルダムからユトレヒト、マーストリヒトへと旅するにつれ、運河沿いの黄金の街並みから旧市内の建造物に残されている。現在は北海の天然ガスに恵まれ、金融サービス業務でGDPの大半を稼いでいる。ちょうどイースター休暇でユトレヒトの運河沿いのレストランでは若者や家族連れがマロニエの木陰で春を満喫していた。
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イケヤからグッドニュース

2014-04-19 04:06:31 | Weblog
スエーデン家具の大手が本格的に日本で展開し始め、近所の立川にも16日オープンした。そのイケヤから「パートタイム従業員を雇用期間を決めない無期契約にする。同時に職務内容と賃金を見直して、同じような仕事をしている正社員と福利厚生も含め均等待遇にする」というスエーデンの企業らしい方針を発表した。イケヤではこれまでパートタイムの雇用期間は6カ月だったから、雇用期間の呪縛が無くなり、これからは安心して仕事に専念できる。更にやる気が出るのは正社員と時給で同じ賃金に近づく均等待遇だろう。

このイケヤのモデルはオランダで 、この国では夫婦で週4日ずつ働くというのが理想のライフスタイルとし、 男性、女性ともパートタイム労働の比率が高くなってきている 。 女性でも男性でも、年齢に関係なく、同一 (価値)労働同一賃金が法律、あるいは労働協約で保障され、 無期契約のパートタイマーとして働く労働者は、パートタイム労働者のうち65%を占めている。 こうした施策で労働力率は77%と高く、日本の59%に比較すると驚異的だ。

イケヤのような労務政策を採れば、女性のパートタイムが増え、労働力率が10%ぐらいは上昇し、介護、小売り、外食産業の労働力不足も緩和され成長率もアップする。成長産業探しより効果的なのではないだろうか。

群馬の食品工場での農薬混入事件では、この非正規社員の行為に対し会社は監視カメラで対応するなどと言っているが、自分の仕事に誇りを持ち、職場を愛する社員を生み出すイケヤのような方法もあることを認識してほしい。
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昭和記念公園スプリングマジック2014

2014-04-17 15:41:27 | Weblog

チューリップとまだ頑張る枝垂れ桜、そしてこれからの若葉、ハナミズキ、自然が織り成すマジックだ。

変わったチューリップ3体・・・・・ワイングラスを思い起こさせる

お皿を並べたみたい

怪しい雰囲気

成熟枝垂れと若いハナミズキ

若葉とハナミズキの協演

 

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昭和記念公園チューリップ見ごろ

2014-04-16 18:17:14 | Weblog

朝の散歩で一番にでかけたが、スプリングマジックではかなりの人出、小学生の団体も入り、チューリップの園は賑やかだった。今年のできばえは満点に近く、ただ見とれてしまった。けやきやもみじの若葉が目に染み、山桜、しだれも満開で時間があれば、1日居たい気分。

 

 

 

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春闘の成果は

2014-04-14 23:47:49 | Weblog

4月に入り、中小労組への回答も出そろいつつある。ベア春闘の成果はどうだったのだろうか?まだ結論は早いが、相場形成の核である金属労協の結果を見ると、電機のように業績格差を乗り越え、2000円の統一ベアを実現し久しぶりに労組リーダーの笑顔が見られた。自動車はトヨタがやや自制的な回答となったが、日産は業績がもう一つだったが満額回答だ。金属労協全体では大手が1737円のベア実現に続き、中小のベアは1246円と健闘した。連合ではベアと定期昇給を含めた賃上げで中小は4810円となり、頑張っているが14年度の物価上昇率をカバーするまでの水準ではない。

非正規の時給の増も実現しつつあるが今のところ連合内では12.19円にとどまり、充分とはいえない。政府が多少とも影響力を発揮できる最低賃金の引き上げが焦点になるが、デフレ脱却の原動力は最低賃金の引き上げで、少なくとも都の最低賃金は民主党政権が掲げた時給1000円の実現が望ましい。

多くの企業で非正規労働者の正規化が行われ、望ましいことであるが、基本は均等待遇の実現だ。

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