行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

またも想定外の災害、岩手、北海道

2016-08-31 22:55:25 | Weblog
昭島の姉妹都市岩手県岩泉町が台風10号の豪雨で、グループホームの高齢者が全員亡くなった。今年の気候不順は台風の進路に影響し、普通西日本から来る台風が7号から東北、北海道に立て続けに上陸するという現象が起きた。特に10号は小笠原あたりで発生し、南西日本の琉球諸島付近まで西に動き、更に東に引き返し、北上するという迷走ぶりだった。
 
今年3月14日は岩泉町の町長を始め、町民の代表者をお招きして昭島でチャリティゴルフを行い収益金を東日本大震災復興の一助とした。大震災で岩泉町は津波に襲われ、死者13人、住宅被害は全壊177棟を含む208棟、被害総額は水産業を主に44億円だった。岩泉町の報告に寄れば、全体としてこの5年間の復興は漁業関係の施設は完了し、住宅建設も含め8割は復興計画を達成しているとのこと、昭島市は職員を派遣し支援してきた。また昭島市観光協会では岩泉町産の濃厚ヨーグルトを販売している。
 
そうした復興の途上に、今回の豪雨水害であるが、先ほどのテレビインタビューでは町長を始め住民は全く想定してなかったといっている。専門家によると、岩手や北海道は比較的雨が少なく、豪雨の経験が少ないという。従って、西日本や関東のような水害対策の堤防は完備して無くてもこれまで何の弊害もなかった。今回の異常な台風の接近にNHKはしきりに歴史上かつて無い雨量をもたらすと言って警告していたけど、人間は自分の体験しないことに対し、如何に反応が鈍いかと言うことだ。ここは先祖代々無事だったから大丈夫ということは地球環境激変の時代自然の前には通用しないことを認識すべきだ。
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資本主義の変容

2016-08-29 23:11:02 | Weblog
本日報道された日経の試算によると、「公的マネーによる日本株保有が急拡大し、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と日銀を合わせた公的マネーが、東証1部上場企業の4社に1社の実質的な筆頭株主となっていることが分かった。株価を下支えする効果は大きい半面、業績など経営状況に応じて企業を選別する市場機能が低下する懸念がある」
 
GPIFは運用総額約130兆円の世界最大の年金基金。政府の後押しで2014年に日本株の保有比率の目安を12%から25%へと大幅に引き上げた。ところが株価が下がり、現在の比率は21%ぐらいになり、25%へ向けて日本株を買い増しに動いていると思われる。今年の第一四半期運用では5兆円の赤字を出し、大騒ぎだ。
 
年金の130兆円は自分を含めて、厚生年金と国民年金の加入者の基金だから、加入者が株主となっていると考えても良いが、その運用は政府の影響下にある。
 
一方日銀は金融緩和策の一環として上場投資信託(ETF)を買い入れており、7月29日に年間購入額を3.3兆円から6兆円へと倍増した。毎月5000億円ものETFを買うと言うことはETFに組み込まれてる株を買うことで、1日の東証の売買額が8月は2兆円前後だから日銀が株を買い支えていることになる。そのため東証の株価指数は日経ダウで16000円で必ず底を打っている。
 
アベノミクスの結果、日本の資本市場はマーケットの原理が働かなくなっている。その行き着く先はどうなるのか?確実なのは何時までも続かないということだ。日銀が緩和政策を転換するときにはETFを6兆円売ることになり、株の暴落を防ぎながら極めて難しい道を探さなければならない。そしてその時、GPIFの資産価値はどうなるか年金受給者としては自分が死んでからにしてくれと言いたくなる。
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政治家はつまらない男が良い

2016-08-27 23:00:13 | Weblog
23日、日本外国特派員協会での記者会見で民進党蓮舫氏が「私は岡田克也代表を大好きです。ただ、1年半一緒にいて、本当につまらない男だと思いました」と軽口を叩いて、話題になっている。日本語とは難しいもので、外国特派員が冗談として笑ったのは多分boring manと訳したのだろう。蓮舫発言の前後をみると、1年半一緒にいて退屈したという意味だと思う。ところが「つまらない」という言葉をboringと捉えず、鳥越修太郎氏のように、日本語の感覚では『つまらない男』というのは『最低な男』というのと同義語で、蓮舫氏の日本語はおかしいとなる。
当の岡田代表は「妻に言われればショックだろう。蓮舫さんの性格はよく分かっているのでショックはない」とまさに性格がにじみ出たようなコメントを出している。
 
私は、金属労協の事務局長時代政策要求で多くの政治家と会ったが、岡田代表は生真面目で真摯にこちらの話を聞いてくれた。人物としては信用できる政治家で、曲がったことは大嫌いだから金に絡む話もない。逆に面白い男とはどんな人か、蓮舫氏に聞いてみたいものだ。政策の話はすぐ切り上げてすぐ飲みに行こうとする政治家や冗談ではぐらかす政治家はつき合っていて面白いが信用できない。
 
岡田さんのような生真面目な政治家は昔の社会党には結構いた。自民党でも谷垣前幹事長、若手では茂木選対委員長とか、公明党では神崎元委員長など、話をしていて信用できると肌感覚で判った。一派一絡げでつまらないという言葉を使っては失礼に当たるが、政治家は面白い男である必要は無い。
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格差社会の象徴、JR東の超豪華寝台列車「四季島」

2016-08-25 23:21:08 | Weblog
6月の家計調査、実質消費支出前年同月比2.2%減で4か月連続のマイナスとなり、消費者の節約志向は続いている。外食産業はより低価格のメニューを揃えて何とかお客を呼ぼうと知恵を絞る。
 
一方、昨日はJR東がシャンパンゴールドに輝く超豪華寝台列車「四季島」を登場させた。1両当たりの投資額は新幹線の1.4倍、スイート客室は絨毯、和紙、漆がふんだんに使われている。上野駅を出発して日光や函館を回る3泊4日のコースで料金はなんと75万円から95万円で平均競争率は6.6倍、最高倍率は、運行初日の来年5月1日の最高級の「四季島スイート」(2人利用で1人95万円)で76倍と発表。まさに世界一の豪華列車で金額だ。
 
JR東社によると、応募者は20~90代と幅広く、関東圏在住者が7割を占め、韓国や中国からの応募もあったという。私は次々とブルートレイン寝台列車が消えて行く中、庶民が乗れる寝台列車も登場させて貰いたい。
 
この2つのニュース、どちらがほんとの日本なのだろうか?両方とも日本なのだという答えしか思いつかない。日本は格差社会になったことが極めて明確になったことだ。政府は来年の税制改革に向けた議論を来月から開始するとのことだが、是非所得税の累進性を高めて貰いたい。1987年だったか日本の所得税の累進度をゆるやかにし、最高税率を70%から50%にしたが、累進度を戻すだけで5兆円の財政収入増になるという計算もある。
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エコノミークラスの座席に工夫を

2016-08-23 23:53:59 | Weblog
各航空会社はエコノミークラスの狭い座席を少しでも広くしようと競争している。主に前の座席との間を10 Cm広げたとか皮製の椅子にしたとか知恵を絞っているが、最も多くのニーズには応えていない。高齢化が進む日本では海外旅行の主客はシニアで、若い人は親の付き添いで来ると言った光景が大方だ。先日もスイス旅行の中で男のシニアが通路側の席をと必死になっていた。ところがほとんどの大型機の席は3-4-3で2-4-2という席は最後尾ぐらいだ。真ん中の4席は通路にはさまれ、最も人気が有り、夫婦席として最適だ。シニアにとって最悪は窓側の席で、トイレに行くには2つの座席をスキップしなければならない。スイス旅行ではJALのチャーター便であったので、借り切ったトラピックス社は事前に追加金を取って通路側の席を保証するほどだった。
 
2-4-2の小型機の場合、ほとんど問題は無い。大型機の座席配列に知恵を絞って解決できないものだろうか。机上では3-4-3を2-4-4にし、窓側に通路を設ければ良いのだが、飛行機の機体は丸みをおびているので難しいかも。座席の幅を工夫するとか、欧州の飛行機の中では座席の幅が異なるケースもある。
シニア用エコノミークラスということで2-4-2の座席をプレミアエコノミーの下に創ることも考えても良いのでは
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8月20日、樺太の悲劇を忘れてはいけない

2016-08-21 23:40:17 | Weblog

8月15日に終戦記念日の行事を行うが、15日以降でも実際は戦闘が行われていたことは廣く知られている。戦闘停止へ国の内外で大変な努力がされたことは今年もいくつかのドキュメントや映画「日本の一番長い日」の上映で若い人にも解ってもらえたと思う。

しかし、どうしてもこの20日には、毎年思い起こしてもらいたいことがある。1945年4月5日ソビエト軍による中立条約を破棄した侵攻で樺太住民は大混乱に陥り、15日に終戦を迎えたにも拘わらず20日、通信を最後まで確保すべく電話交換台を守った9人の女性は青酸カリをあおり自決した。稚内の郊外ノシャップ岬にはその彼女たちの霊を祭った祈念碑があり、毎年8月に慰霊祭を行っている。樺太からの引き揚げ者も40キロの距離だが、引き上げる際、小船の転覆で多くの住民が犠牲となった。戦前の稚内港は樺太への玄関口で賑わっていたが、終戦時には修羅場となっていたようだ。現地にゆくと稚内港には防波堤も当時のまま残っており、当時を偲ぶ展示物も公開されている。沖縄の悲劇は多く語られているが、樺太の悲劇も忘れてはならない。

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リオオリンピックで気付く

2016-08-19 23:10:31 | Weblog
「今頃の若い者はだらしがない,根性がない」という言葉、江戸時代の書物にも見られるとのこと、しかし、オリンピックでの日本の若者の活躍はそんな言葉を吹き飛ばし、ただただ感じ入るばかりだ。女子レスリングでの3つの金メダルやバドミントンのダブルスでの金メダルは最後まで諦めない気迫が大逆転をもたらした。
 
最初に感動をくれた水泳の金籐選手の場合も、2008年の北京大会に出場し,次のロンドン大会ではエントリーすらできず、8年間失意の中何度も辞めよう,諦めようと思ったが、コーチや家族に励まされ、最後まで諦めずに金メダルを勝ち取った。失意と悔しさを知る人間のたくましさを見たという人もいるが、27歳の若者がひたすら追い求めた道への執念を称えたい。
 
金メダルに劣らない価値ある銅メダルもある。その例がカヌーのスラロームの羽根田卓也選手で、日本勢のカヌー競技でのメダルは、男女を通じて史上初めてだ。羽根田は初出場の北京大会で14位、ロンドンでは7位で、3度目の五輪挑戦で念願のメダルを獲得した。これも最後まで諦めないという執念だ。
 
見てて面白くないのが柔道で、ダンスをしているのかという試合が多い中、胸が空くような金メダルを獲得したのが田知本遙選手、決勝では横四方固めで一本勝、しかしロンドン大会ではメダルに届かず、今回も日本柔道陣でただ一人シード権を与えられず1回戦から勝ち進んだ。昨年の国際大会では風邪薬を飲んで,ドーピングの疑いから欠場した。彼女も「ロンドン以降、怪我も有り、苦しくて何回も諦めようと思った」と言っているが、家族やコーチの励ましで最後まで諦めないという結果が結実した。
 
今回のメダルの数はいつもながら米国が1位だが、選手を見ていても人種のるつぼ、移民国家が強さの背景にある。これを見てもトランプさんは移民を毛嫌いするのだろうか?2位の英国にしても黒人が活躍している。それでも移民を排除するのだろうか?日本の選手の中にも国際色が豊かになりつつあり、戦力強化に寄与している。
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中国、漁船もたくさん来るけど訪日客も増

2016-08-17 23:56:50 | Weblog
ここのところ、尖閣諸島海域に200隻もの漁船や公船が来て領海を侵犯していることもあり、政府間では緊張関係になっているが、一方観光客はこれまでになく訪日している。
日本政府観光局によると、7月の訪日観光客数は前年同月比19.7%増の229万7000人で今年4月の208万2000人を大きく上回り、単月として過去最高となった。とりわけ中国からの観光客は26.8%増の73万1400人となり、単月として初めて70万人を超えた。ただ、円高がひびき爆買いはなくなったようだ。
 
どちらが中国政府の政策の重きなのか不明であるが、日中友好関係を永く努めてきた日本側の責任者が北京でスパイ罪として逮捕されたという報道に驚いている。何故か詳しいいきさつは日中両政府とも口を閉ざしているので判らないが、習近平政権になってからのことで、以前の中国では「井戸を掘った人」を大切にし、こんなことは信じられない。
 
私が事務局を担当し電機産業労使団で1989年に訪中したときは、VIP待遇で北京で行動するときはパトカー先導だった。中南海の首相官邸で羅漢秘書長(日本だと官房長官)と周恩来の部屋で会談し、主たるテーマは電機産業の対中投資であった。その成果かどうか知らないが、日本の電機メーカーは続々と工場を中国に建て、もう引き上げることは不可能となっている。その後も私は何回か友好親善で訪中したり、国際労働財団時代では安全衛生トレーナーの養成事業も開始し、井戸を掘ったとは言わないが溝くらいは掘った。しかし、習近平政権下の中国では日本人駐在員は用心に用心を心がけなければならない。
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年金生活者のワインお盆に飲んだこの一本

2016-08-15 22:52:54 | Weblog

チリとのFTA経済連携協定により、洪水のようにチリワインが日本に入ってきて、値段も1000円以下が多い。しかも味はしっかりしている。でももうちょっとはずむと素晴らしいワインに出会える。昨年は日経ムックよりデイリーワインの王者の内、コノスル18番があげられ、2000円弱にしては凄いと紹介した。
今年はボルドーの名門バロン・フィリッペ・デ・ロスチャイルド社がチリで栽培しているEscudo Rojoエスクード ロホを初めて飲んだ。カベルネ ソーヴィニヨン、カベルネ フラン、シラー、カルメネールのマリアージュ(ブレンド)で深味、渋み、バランスがとれており、香りも良くさすがフラッグシップと宣伝しているだけのできあがりだ。他のワインと4本1万円で買ったので値段は2500円前後だろう。チリワインの多くは単品種から造っており、5品種のマリアージュは名門だからこそだろう。

戦没者追悼式展での天皇陛下のお言葉をかみしめながらいただいたこの一本だ。
天応陛下のおことば
本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。
 終戦以来既に71年、国民のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、苦難に満ちた往時をしのぶとき、感慨は今なお尽きることがありません。
 ここに過去を顧み、深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。

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八ッ場ダム建設費 当初計画の2.5倍に

2016-08-13 22:52:06 | Weblog
東京オリンピックの事業費は当初7340億円だったのがいつの間にか2兆円(森組織委員会委員長)になり3兆円(舛添前都知事)とあれよあれよと膨らみ、小池都知事が選挙戦でその透明化を訴えた。土建国家の面目躍如たるものがあり、そのからくりが国民の前に明らかにされることを期待したい。
 
今日のニュースで八ッ場ダムの事業費が当初の2.5倍に膨らむことが判明、蟻地獄のような公共工事で、一度は取りやめと民主党内閣が英断を下したが、その後の土建勢力と群馬県の圧力で自民党内閣は復活を策動した。ところが国土交通省は更に720億円増やし事業費は当初2110億円を2.5倍の5320億円に変更するとした。
 
だいたい公共事業は予算で収まることはなく、その原因は「計画外の余分な事業を付け加える。コストが上がってる?。平然と見込み違いがあった」といった内容で今回もデフレだというのに単価が上がっている(233億円)。安全対策を施した(141億円)。地質の見込み違い(202億円)で720億円余分にかかると言い責任は一切触れずだ。今後いくら増額(皆税金)になるか判らない。私は何回か現地の吾妻渓谷を訪れたが、ダムによる自然破壊は目に余るものがある。今からでも建設を中止し、渓谷美の水没を防ぐべし。
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