庶民のマイナス金利対策
2月3日のブログでマイナス金利導入と聞いて瞬間に思ったのは「銀行は当然預金金利をゼロに近く下げるだろう。0.02%の普通預金金利などは0.001%ぐらいになり、時間外で引き出すAT......
1年前、史上初めてマイナス金利が導入され、経済を一生学ぼうと自負する私にとって興味は尽きない。金利をマイナスにするなんて想像もしなかったしこれまでの経済学の教科書にはなかった。日銀黒田総裁の狙いは経済活性化→物価2%の上昇にあることは判ったが、もう一つの狙い円安は急激な円高になり、見事失敗した。これはまた景気を引き下げ、秋までは企業業績は低迷し、物価2%は遙か先に目標を延ばさざるを得なくなった。
1年経った今、マイナス金利の効果はどうなのか目をこらしてみると
1年前予想した箪笥預金の増はあったようで、最近の日本人の現金保有、支払いは先進国の中でもダントツで、名目GDPに対する現金流通残高は19.4%、「いつもニコニコ現金払い」が好まれている。カードの国米国は7.9%、スエーデンではほとんどカード払いで1.7%と信じられないくらい現金払いは少ない。外国では現金の持ち歩きは危ないと云われているが、日本でもひったくりは多い。1年前空き巣が増えるのではと心配したが、住んでる昭島では毎週警察からニュースが来るが、空き巣はほとんど見かけない。
マイナス金利の効果は住宅ローンの借り換え促進や実需の住宅投資も増え、我が家の周りでは新築がこの1年増えた。又、クレジット会社からリポ払いをしろとうるさいくらい景品付きで通知が来る。安く銀行から借りて、高い金利を稼ごうとするクレジット会社の意図が見え見えだ。周囲の地方銀行は無担保で500万すぐ融通すると宣伝している。いずれも借金はしやすくなったが、これはよいことかどうか?
マイナス金利政策は銀行の経営に大きなインパクトを与え、地銀の中には不安定に陥るところも出てきた。日銀の黒田総裁は「合併・統合なども選択肢の一つとなり得る」と云いだし、マイナス金利の目的の一つだったのかと思わざるを得ない。事実、関西では系列を超えた地銀の合併が報道された。1960年代後半、私は大阪でサラリーマン生活のスタートを切ったが、代理店の資金調達支援も仕事で当時の地銀と日常お付き合いをさせてもらった。当時の近畿相互銀行、兵庫相互銀行とか大阪銀行は今や合併吸収でどうなったのか、あの支店はどうなっているのか?上からの目線で合併しても肝心の顧客の利便性がなくなっては経済の活性化には寄与しない。