行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

内視鏡で自分の中身を見る

2013-01-30 22:08:24 | Weblog

1年に1回のドッグ入り、苦しいけど楽しみなのは内視鏡で自分の食道、胃、十二指腸をながめられることだ。口を開けてと看護士にいわれ、開けるやいなや麻酔薬をシューと放り込まれ、5分くらいで喉のあたりがしびれてくる。そして胃を拡張する注射を左上腕にブスとされていよいよベッド入りとなる。

胃カメラを捜査する医師との対面は緊張するが、前にかかったやさしい女医なので一安心、一通り緊張を和らげる事前説明をするがこちらは早く見たい一心で上の空だった。口におしゃぶりみたいな管をくわえそこから内視鏡を入れる。これが結構役に立つ、緊張したりげっぶが出そうになるとこの管をグッと噛むことで堪えられる。内視鏡がのど仏を通る時が辛いがそれが過ぎるとモニター画面に集中できる。ハイビジョンクラスの液晶になりかなり見やすい。

ピンクの食道をゆっくりと進み、胃の入り口にかかったとところで花びらのように炎症している。医師の説明「胃酸が逆流して炎症をおこしている」後の内科医の診断は「気にするほどのことではない。病名を無理して付ければ逆流性食道炎」とかで特にお咎め無し。この辺に来ると、自分で自分の中にぐいぐいと入っていく感じで迫力もある。昔読んだミクロの決死隊で人間の内臓に入り込む探検物語を想起する。

先ず、胃に入ると、遠くに黒い穴が見え、カメラはそこへ直行する。医師はまず十二指腸を見ましょうと穴から入っていく、異常なしで胃へ引き返す。自慢するわけではないがピンクからオレンジぽくなった胃は実に綺麗で荒れてるところはないが、以前からある小さなポリープを再発見、内視鏡の管を使って塗料を送り込む細い管を通し、青色の塗料を吹きかけポリープを浮き出して観察、後ほど内科医は「まあニキビみたいなもんだ」と安心させた。もし新たなポリープが見つかると、内視鏡の先にあるつまみではぎ取り良性か悪性かすぐ検査をして通告される。

検査が終わり、内視鏡を引き上げる時には、長いトンネルから出て来るような感覚だ。

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見事、最軽量、日馬富士の全勝優勝

2013-01-28 23:12:38 | Weblog

昨年の初場所は把瑠都が優勝し、いよいよ大型横綱の誕生かと期待を持たせたが、怪我には勝てず、大関陥落となった。逆に幕内最軽量の日馬富士が横綱となり、二場所目で全勝優勝を果たし、勝負の世界の綾を見せた。大型力士の時代に敢然と速さで立ち向かう日馬富士の相撲は見事という以外無い。往年の千代の富士を思い出させ、その再来となる期待で楽しみだ。

他の期待していた力士は今場所はふるわず、収穫は上記日馬富士のみといっても良いが、大相撲の将来を考えると頑張って貰わないと・・・
稀勢の里、実力は誰でも認めるが、力を引き出す良いコーチが必要だ。自由にコーチを雇えるような仕組みへ改革が必要だ。
妙義龍、白鵬を破った一番だけが目立ったが負け越してしまった。期待はずれのトップだ。豪栄道は大関候補と場所前の評判だったが同じ部屋の後輩妙義龍の不調に合わせた感じだ。この部屋の初場所へのコンディションの調整が失敗した。正月に酒を飲みすぎたか・・

妙義龍が負け越した千秋楽の相手、若手の千代大龍は10勝を上げ、朝汐を彷彿させるやんちゃ力士の今後の活躍に期待したい。

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アプルの株価はやはりバブルだった、しかし

2013-01-26 23:28:10 | Weblog

1年前、このブログでアップルの株価はバブルではないかと次の内容で疑った。
「アップルの株価は過去1年間で83%上昇した。2012年に入ってからだけでも約50%値上がりしている。アップルは現在、株式時価総額で突出した世界最大の企業で、その額は約5650億ドル約46兆円に達している。時価総額が4080億ドルにとどまる米エクソンモービルをはるかに凌ぐ。日本を代表する企業の時価総額はトヨタ1425億ドル、パナソニック213億ドル、ソニー200億ドルだから信じがたい巨額だ。(中略)株価高騰の背景はアップルのPER(株価収益率)は22倍で、現在の株価は人が思っているほど高くはないし、予想利益を基にPERを計算すると、さらに値上がりが期待でき、時価総額が近く1兆ドルに達する可能性があると断言するアナリストもいる」

23日夕方にアップル社が発表した2012年10~12月期決算の最終利益が前年同期比でほぼ横ばいとなったことや、商品の利益率が低下したことを背景に、これまで順調だった成長に急ブレーキがかかったとの見方が拡大した。これを受けて24日のニューヨーク株式市場で米アップル株が急落し、前日比63.51ドル安の450.5ドルで取引を終えた。下落率は12.35%。株式時価総額では、わずか一日で600億ドル(約5兆4千億円)弱が失われた計算となる。失われた時価総額だけでNTTドコモ(約5兆7千億円)や日本たばこ産業(JT)(約5兆3千億円)の時価総額に匹敵する。米国企業ではパソコン大手のヒューレット・パッカード(HP)とデルの時価総額を合計した規模だ。

昨年9月にはiPhone5が好調に売れ、株価は700ドルまで上昇したからはじけたバブルの大きさは凄い規模になり、時価総額ではついにエクソンモービルに世界首位を譲った(注)。私はアップルのバブルが弾けたら米国株式市場は大きな影響を受けると思ったが、米国の株価は順調にリーマンショック前までに回復している。米国経済の懐の深さと力強さを感じた。
注、25日午後の取引でアップル株は2.7%安の約438ドル、エクソン株は0.3%高の91.59ドルをつけた。この時点の時価総額はアップルが約4114億ドル、エクソンが4176億ドルとなり、首位が逆転した

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ヴェトナムの新労働法でストは減るか

2013-01-24 11:59:16 | Weblog

昨日、国際労働財団主催でハノイ大学に留学されていた斉藤義久准教授を囲みヴェトナムの新労働法(5月1日施行予定)や諸々の労働情勢についての研究会があった。このブログでもヴェトナムでのスト多発について8月にその背景を書いたが、この新労働法でストの問題がどうなるかだ。

新労働法でもベトナムにおける唯一の労働組合は共産党の組織の一部であるベトナム労働総同盟であることに変わりは無い。山猫ストをなくすために新法では賃金不払いとか権利関係ではストは禁止され、賃上げとか労働条件ではストを認め、経営側のロックアウトも認めるが、団体交渉とストとの関係については触れてない。団体交渉を行えるのは労働組合だから、ここで決裂したらストという条項がないので組合がストをコントロールできるのか不明瞭さが残る。

山猫ストを防ぐために、従業員の過半数が同意したらストが出来るとしているが組合が主導できるのかこれまた判らない。未組織企業の場合従業員代表が当該地区の組合の上部団体代表ということだが、機能できるのかこれまた疑問だ。組合費だけは組合の有無に拘わらず使用者から賃金の2%を税務署が徴収するので組合が頑張って貰わないと経営者としては間尺が合わない。

最賃はこの1月1日に17.5%上がったが物価の上昇にようやく追いついたにすぎず、生活費の6割ぐらいを補填するのみで賃上げ圧力は今年も強くストが発生しやすい背景は変わらない。新法で法に則ったストになるか山猫ストが発生するか??

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怒りをおぼえるアルジェリア政府の対応

2013-01-22 22:22:33 | Weblog

人命は地球より重いという言葉があるが、アルジェリア政府にとっては人命より石油・ガスプラントの方が大事だった。日本人を含む多くの人命を犠牲にしてテロリストを攻撃し制圧した。独裁国家の政府は関係各国の人質の人命尊重という要請など一顧だにしないでひたすら宝と言っているプラントを守ることを優先させた。

アルジェの宝なら何故多くの軍を常駐させ警備をしなかったのだろうか?たった40人のテロリストに制圧されるとは油断以外考えられない。テロ攻撃の対象になっていることは予想されたから治安部隊で警備させていたのだろう。日揮も長年の操業で充分そのことは知っていただろう。もっと多くの軍による警備をアルジェ政府に要請しなかったのだろうか悔やまれる。

アルカイダが生まれ、9.11事件以来、次々とテロが発生し、今や中東やアフリカは常時戦場と考えなければならなくなった。私にも苦い思い出がある。1980年代前半イランイラク戦争の時、制空権をイランに奪われた中で、三菱電機はイラク・バスラの発電所などを受注し、現場の作業員を派遣するかどうか会社から判断を迫られ、組合の担当役員だった私は悩んだ。事前に部下を現地に派遣し調査したり、各方面から情報を集め、イラク政府が24時間体制で軍隊による警備を保障するという条件で組合員を派遣した。

しかし、未明のイラン空軍の空爆でバスラの発電所は破壊された。幸い従業員宿舎は離れていたので組合員は無事だったが、それ以来戦場には出張させないという不文律ができた。現在は当時以上に多くの各種プラント受注が危険な地域であり、日本人の長期滞在は日常のことになり、やや神経が麻痺していることが今回の悲劇を生み出したのではないだろうか。

人命は地球より重いという言葉を企業はもう一度かみしめて貰いたい。

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夢となるのかドリームライナー

2013-01-20 23:04:40 | Weblog

最新鋭のホーイング787ドリームライナーが大ピンチをむかえている。2基のエンジンの中型機でありながらジャンボより航続距離が長く、太平洋も横断できる革新的な飛行機だ。私が初めてドリームライナーのことを聞いたのは1998年、シドニー湾を望むシーフードレストランでボーイング社を組織する全米機械工労組(IAM)会長のビュヘンバーガー氏と会食した時だった。彼はボーイングで開発している新型機ドリームライナーへの期待を熱っぽく語った。

3年ごとの労働協約改定でストライキを必ずする全米機械工労組も、ドリームライナーの生産には特別の関心を払って来た。ストの影響を避けるためボーイング社が米国南部の労組の影響力の弱いサウスカロライナに新工場を建設する時には反対をしたが生産そのもを阻止しようとはしなかった。むしろ日本をはじめ海外での部品の生産や基幹システムの海外メーカー発注を米国内調達に切り替えることを要求した。

今回の事故で判ったが、事故を起こした電機、電子系統のシステムやバッテリーはフランスや日本が、燃料もれの原因のバブルは英国と海外調達のものの不具合のようだ。IAMはボーイングに全面的に協力をしてこの難局を乗り越えるとの報道だが、海外調達にはこだわり内製化を主張することだろう。

検証飛行を2007年からやっているにも拘わらず今年になって事故が起きていることはかなり複雑な原因が予想され、その究明には時間もかかるだろう。自動車だったら「煙が出たので路肩に駐車してJAFを呼ぼう」で済むが太平洋、大西洋を横断するわけだから場合によっては飛ぶことが夢になる可能性すらある。

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安部龍太郎「等伯」直木賞受賞

2013-01-18 18:51:19 | Weblog

1年前、このブログで当時の巨人狩野永徳との確執を乗り越えた等伯の凄まじい生き様を描いた安部龍太郎の筆力に感心したと書いた。「等伯」に小説の力を久しぶりに感じたが、やはり直木賞を受賞し喜びたい。

昨年、長谷川等伯の絵が京都智積院(ちしゃくいん)にあると聞いて、やや興奮しながら訪れた。小説を読むとこれらのふすま絵の劇的な意味が判る。息子の久蔵が非業の死をとげる1年前、25歳の時に書いた「桜図」は八重桜である。何故八重桜なのか?故郷七尾の家では京都の御所から分けてもらった八重桜が毎年花を咲かせて、久蔵は子供の頃より描いていた。等伯一家が七尾を追われ、京都に移っても七尾の八重桜は久蔵の記憶から離れず、等伯もこの八重桜に拘っていたと小説は語っている。

そして圧巻は非業の死を遂げた息子に捧げた等伯の「楓図」だ。智積院の解説では「息子への哀惜の情を振り切り、自己の生命力を画面一杯に傾けて楓図を描き出した」としている。更に秀吉の愛児鶴松の菩提を弔う「松と葵」など国宝館の中でぐるりとふすま絵が見られるように工夫されていた。小説では家康に召されて等伯が江戸に移るところで終わっているが、江戸にたどり着いて2日後に亡くなっている。

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雪の絶景昭和記念公園2013

2013-01-16 16:30:13 | Weblog

14日は予報以上の積雪で東京は午後から交通機関にかなり影響が出た。飛行機は飛べなくなり、鉄道も立ち往生し帰宅がかなり遅くなったようだ。東京でも7センチ積もり、高速道路は通行止めとなった。夕方、小やみになったので家の前の道路を除雪したが、どの範囲まで自分で除雪するべきかまた除雪した雪をどこに溜めるか判らない、腰に負担がかかり車庫入れが最低限できる範囲だけ除雪し、除雪した雪は我が家側に積み上げておくことにした。雪国の人々の大変さがしのべた。

昨日15日、雪の絶景昭和記念公園を撮るべく散歩に出かけてたが、天気は最高で木々の枝に積もった雪は融け始めていた。
池は氷が張っており、水鳥の姿はない

みんなの原っぱ

日本庭園

 

蝋梅がようやく咲き始めていた

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アベノミックスが成功する細い道

2013-01-14 23:22:16 | Weblog

20兆円の補正予算が成立しそうだ。金融、財政、成長戦略の3本の矢のアベノミックスでデフレ脱却が出来るのかそれを占う補正予算だが、中身は公共投資が中心で新味は裕福な老人が孫に贈与しやすい税制改革ぐらいだ。

何回かこのブログで書いたが、デフレ脱却には個人消費が出て来て、企業が設備投資を国内で展開することが必要条件だ。アベノミックスへの期待から円安や国際的に出遅れていた株価上昇が起きて、資産効果で消費が出て来るというこれまでのセオリーは殆どの資産を円定期にしている個人にとってはつうようしない。日銀がお札を銀行にジャブジャブ預けても企業が借りて設備投資をしなければ銀行に滞留するばかりで、銀行はこれまで国債を買って運用していたが国債の暴落(金利が高くなる)を恐れだしている。

インフレ目標の2%は円安で外国製品特にエネルギー価格が高くなるので達成可能かもしれないが原料高で中小企業の経営を圧迫することで、成長戦略にはマイナスに働く。唯一アベノミックスが成功する細い道は、欧米や新興国の経済が回復して輸出が伸び、企業が投資を行い、賃金を上げる場合だろう。

個人消費刺激についてもこれまでと大きな違いはこの20年間で日本が格差社会になり、贈与税や自動車税の減税や住宅ローン優遇処置などは対象者が限られ効果が薄くなっていることだ。短期的に最も効果があるのは最低生活者に金をばらまくことで、すぐ消費につながる。ところがアベノミックスの中ではむしろ生活保護費を削ることが入っている。3本の矢が放たれ、上昇気流に乗れば良いがブーメランのように帰ってきてアベノミックスが刺されるという危険が一杯だ。

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不思議の国の税制改革

2013-01-12 21:41:57 | Weblog

脱皮をしきりに強調する安部首相の政策が見え始めた。3党合意の社会保障と税の一体改革の行方がこの政権の当面の税制改革で占えるが、参議員選挙を意識した不思議の国のものが出てきた。

それは孫の教育費への贈与、1500万まで非課税にしようとする案だ。おかげで塾産業の株価が信じられないほど上がった。安部首相の教育改革とは先ず塾産業の充実なのだろうか?年寄りは孫の教育費を見なければならないと小遣いを削ることになるのか?200万人を超える生活保護世帯の4割は高齢者だという現実とあまりにもかけ離れている世界の話だ。どのくらいの年寄りが孫のために大金を出せるのか根拠となるデータを出して欲しい。

安倍、麻生といったお坊ちゃまが爺さんになるとこういう発想になるのか、格差社会の日本を垣間見た感じだ。相続税は基礎控除を低くし、対象範囲を広げるという。うがった見方をすれば相続税で払うより、生前、孫の教育費として贈与したらどうかというお節介な提案にも見える。一方で、70歳からの医療負担2割を1割にするという特別措置を是正しないという改革?参議員選挙対策が見え見えだ。

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