「メディチ・エルメーテ」はメディチ家の流れを汲むメディチ家の末裔アルベルト・メディチが心血を注いだワインでランブルスコの名声を成した。
ランブルスコは、まだ糖分が残っている時点で発酵を止めるため、甘さを感じられ、かつアルコール度数が抑えられる。そしてこの過程で発生する二酸化炭素が、シュワッとした微発泡ワインとなる。シャンパンみたいに強発泡させるために手間暇かけることはしないので価格は安くなる。また、ランブルスコ種のブドウは一房にたくさん実がなるため、生産性が高い点も安くできる。
また、ステンレスタンクで醸造するので、安定した質を保ちやすく、大量生産に向いているという点もコスパの良さに一役買っているのではないか。
お酒は楽しく飲むもので、まして他人に迷惑をかけてはお酒に失礼に当たる。日本は昔から花見酒に象徴されるように室外での飲酒が許されてきた。その伝統を守るためにも一定のルールを条例で定めることには賛成だ。
米国やカナダでは州によって室外での飲酒を禁酒している。欧州諸国はワインの文化があるが、街中路上での飲酒は制限している国が多い。ニュージーランドでは花見酒もだめと旅行したときに言われた。タヒチに行った時、夜のマルシェで食事をしたときも禁酒でジュースを飲みながら食事をした経験がある。伝統的な事情があってそうしたことになっているようだ。日本でも公園やビーチでの屋外禁酒を定めている自治体もある。
これからは神戸摩耶山山頂や高尾山山頂でのビアガーデンも開店し、夜景を見ながらビールを楽しめる。そうした文化を守るためにも一定の制限は必要だ。
ワインに需要と供給の問題が発生している。生産量が多すぎるのだ。
オーストラリア、カリフォルニア、フランスの生産者たちはブドウの木を伐採しているという。ワインが供給過剰になっている大きな理由はアルコールの需要が減少していることだ。アルコールの需要の減少がワインの供給過剰を引き起こしている。
現在、オーストラリア、カリフォルニア、フランスでは、一部の農家では、ブドウ畑を処分している。
南オーストラリア州のワイン用ブドウの栽培者トニー・タウンゼント(Tony Townsend)は最近、長年ブドウを育ててきた34エーカー(4万1621坪)の畑を処分するつもりだとブルームバーグ(Bloomberg)に語った。
「ワイン業界にいることは楽しかったが、このままでは経済的に成り立たなかった」と彼は話す。ブドウは順調に育っていたが、収穫するためには2万3000ドル(約342万円)かかっただろうと付け加えている。
タウンゼントだけではない。ロイター通信(Reuters)によると、オーストラリアではワインの供給過剰に対処するため、数千万本のブドウの木が伐採される予定だ。またオーストラリアでは、2023年の時点で生産量の2年分に相当する量のワインが貯蔵されており、販売前に腐ってしまうものもあるという。
ヨーロッパやアメリカのワインメーカーにも影響が及んでいる。
自国の伝統的な食材を守るために力を注ぐことで有名なフランス政府だが、2023年、苦境に立たされているワイン業界を救うため、過剰ワインの廃棄に2億1600万ドル(約321億円)を投じると発表した。消費されないワインは、香水、手指消毒剤、洗浄液といった工業製品用アルコールの製造に使用されるという。
フランスは現在、ボルドーの栽培者が所有するブドウの木の約10%を伐採する取り組みにも補助金を出している。
また、サンフランシスコ・クロニクル(San Francisco Chronicle)紙によると、カリフォルニアの一部の生産者はブドウ畑を処分し、代わりに他の作物を栽培しているという。
ワインの過剰生産の背景にある理由の1つは、単に需要が変化していることだ。人々は以前ほどアルコールを飲まなくなっているのだ。
同紙によると、ワインの消費量は、多くの人がワインは健康にいいと信じていた1990年代に増加したが、この10年でアメリカ人の飲酒量は減少し、生産量が需要を上回っているとという。
カリフォルニアにあるアライド・グレープ・グロワーズ(Allied Grape Growers)会長のジェフ・ビター(Jeff Bitter)は、「このビジネスに携わる人たちは、ワイン業界は常に成長することが当然だと考えていた」と同紙に語っている。
昨日からの大雪、雪見酒の幸運、もとめたランブルスコは有機栽培のすっきりした味わいだった。
ランブルスコは、まだ糖分が残っている時点で発酵を止めるため、甘さを感じられ、かつアルコール度数が抑えられる。そしてこの過程で発生する二酸化炭素が、シュワッとした微発泡ワインとなる。シャンパンみたいに強発泡させるために手間暇かけることはしないので価格は安くなる。また、ランブルスコ種のブドウは一房にたくさん実がなるため、生産性が高い点も安くできる。
また、ステンレスタンクで醸造するので、安定した質を保ちやすく、大量生産に向いているという点もコスパの良さに一役買っているのではないか。
カタログの中には同じボルドー産でも一本80万円から90万円もするものもある。この差はどこにあるのか飲み比べができないのでわからない。専門家はその希少性を上げているが、それにしても凄い格差だ。
日本の食料品価格の多くがこの1年、一斉に値上げし、デフレからの脱却の波に乗っている。帝国データバンクの調査では2023年の日本の食料品の値上げは3万2395品目で、平均値上げ率は6%から14%。カテゴリー別では、1万1837品目の加工食品が値上げされた。また、調味料8,052品目、酒類等6,175品目、菓子類2,270品目、乳製品1,533品目、原材料865品目が値上げされた。酒類も多く値上がりしている。800円ワインが飲めるのはボルドーの生産者と日本の輸入業者の努力が貢献している。
春に買ったワインの時は船で運び、港から直接宅配するという離れ業もあった。この時は2か月前からの予約注文だった。今回は年初、円が1ユーロ140円ぐらいの時にあらかじめ大量に注文しておいたのだろう。
先月、世界のワイン生産が酷暑で被害を受けたことが報道された。
ローヌ渓谷のワイナリーからは50年間で最もひどく、つぼみの最初の開花は、1970年代初頭よりも15日早く、熟成は18日早くなり、収穫は9月中旬ではなく8月下旬となった。と報告された。仏の多くのブドウ園では、新しい天候パターンにより、ブドウが小さくなり、アルコール度数の高い甘口ワインが生産され、中には、水の供給量の減少がブドウ園の存続を脅かしている。
こうした報道から、ボジョレーでもワイナリーはかなり苦労して生産にこぎつけたのではないかと思われ、感謝しつついただいた。確かに例年より甘みが強いが、ヌーボーらしい新鮮な酸味はきちんとあり、美味しさは変わりなかった。飲み終わって感じたのはアルコール度も高くなっていて酔い心地をも楽しめた。
熟成を遅らせるために水を加えることも考えられるが、EUでは法律により禁止されている。
イタリア、ヴェネトの「アマローネ」は、3000円以上もする高級ワインで、年金生活者には普段は飲めない。その製法は収穫したブドウを3~4か月間陰干し(アパッシメント)して干しブドウにしてから発酵させるアッパシメント製法だ。時間もかかるし、陰干しするスペースも必要だ。甘さとコクが出るし、香りも独特なものがある。
幸いにもアパッシメントはヴェネット州の伝統的な製法だが、その人気は各地に広がり、以前ブログで紹介した南イタリアプーリア州産「アッパシメント」はプリミティーボ、ネグロアマーロにメルローを使っている。格安のアパッシメント製法ワインがいつでも買える。
今月はシチリアのシラーをアパッシメントしたNECORO(昭島ジュピターで1300円)、期待どおり干しぶどうの効果で甘みがあり、味も濃くベリー系のフルーティな味だ。シチリアを訪れた時はもっぱら固有種のネラダボラを飲んだ。まさかシラーまで栽培しているとは思わなかった。
背景のざくろの絵皿はシチリア、タオルミーナで買った記念品