行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

旅は東北へ、白神山地のぶな林で元気をもらった

2011-07-31 18:57:23 | Weblog

久しぶりの岩手、青森行きでいろいろと新発見した。八幡平では観光シーズンというのにさみしいくらいの人影、世界遺産白神山地でさえ、観光客数は昨年の5分の1というガイドの説明、特に外国人観光客は一人も見かけなかった。震災の影響は観光産業へも直撃している。

白神山地は広大すぎるのか、世界遺産のための規制もあり、大型バスではアクセスがかなり厳しく、日本海側から入るか、内陸の弘前側から入るかに限られる。そのため弘前付近にホテルを取ると五所川原から有名な五能線沿線に回り込んで日本海側から入ることになる。

日本海側から12湖地域に入り、散歩程度のハイクコースで小1時間、先ず足を慣らした

12湖散策の出発点、キョロロ、森にあわせたせっかくのデザインだが右の物置がいただけない。裏に移したら

水飲み場に観音様が、合掌

翌日内陸部からは最もポピュラーな暗門の滝探索とぶな林散策を2時間半したが、最初に200mの登りがあり、結構きつかった

暗門の滝、3つあってこれは第3の滝、下は途中で見たぶなの倒木、中が空洞になっている。ぶなは漢字では木偏に無し、木材としては用無しという意、寿命も空洞になっているので倒れやすく、せいぜい250年くらいだという

しかし、飲んだ自然水は美味しく、ぶな林は巨大なダムとして貴重だ。10月中旬頃の紅葉(6割が黄葉とのこと)はすばらしいと思う。是非もう一度訪れてみたい。東北の観光地は空いている今がチャンスだ。

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最低賃金タイより下回る可能性

2011-07-27 22:58:22 | Weblog

厚生労働相の諮問機関「中央最低賃金審議会」の小委員会は7月26日、最低賃金(現行時給平均730円)の引き上げ目安額を全国加重平均で6円と決めた。現行制度になった02年度以降、過去最高の引き上げ幅となった前年度の17円に比べ、あまりにも低く、経営側の「東日本大震災で経営が苦しい」という経営の論理に押し切られた。
この新最賃736円は英国の1200円に比べはるかに低く、タイの新首相が最賃を800円以上にするという金額よりも見劣りがする。

もう一つの大きな課題は生活保護の給付水準(生活扶助、住宅扶助の合計額)が最低賃金より高い逆転現象が起きており、労働意欲の低下を招きかねないことだ。今回の改定では北海道、宮城、埼玉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫、広島の9都道府県でその現象は解消されなかった。

今春闘での組合員や正規社員の賃上げ額は時間給にすれば約30円強だから、雇用労働者の半分を占める非正規社員やパート労働者との賃金格差はまた拡大し、雇用労働者全般の給与水準は低下し、せっかく上向いてきた日本経済に水をさすことになる。日本の経営者の近視眼的な見方は今に始まったことではないが、震災から立ち直ろうとする多くの労働者の意欲を削ぐことにもなる。

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中国高速鉄道、経営体質がもたらす大惨事

2011-07-26 16:46:52 | Weblog

5年前に南京へ出張した時にはまだ高速鉄道はできてなかったが、新車両の特急なのにトイレがてんこ盛りで使えなかったというアンバランスを経験した。この4年間に9000kmもの高速鉄道が建設され、各国の先端技術を導入したという。スピードを競い、上海ー北京間では世界最速、営業運転時速300kmを実現したと共産党結党90周年で誇らしげに発表した。このための建設ラッシュで建設業者からの賄賂が鉄道省のトップにたっぷりと入った。

大惨事では真っ先に計器類の搭載された先頭車両を地中に埋めてしまい、原因究明がなされないままに運転が再開された。何と恐ろしい経営体質であろうか?共産党トップの指示なのか鉄道省官僚の臭いものに蓋をする行為なのか糾明されるか判らないところが今の大国中国だ。犠牲者への対応も今後注目したい。このままでは第2、第3の大惨事が起こりかねない。

日本でも福知山線転覆事故でJR西日本の経営体質が問題となった。この時は約1ヶ月運行せずに原因究明を事故究明委員会で行い、運転手への教育訓練のあり方、ATSの未設置など直接原因の他に背景となるJR西日本の経営体質が事故原因の背景とされた。その結果、経営陣の刷新と経営体質の改善がなされた。

福島第一原発の事故も津波の可能性を頭から無視した人災であり、東電の経営体質が問題となっている。巨大システムにはアポロ宇宙船で有名になったフェイルセイフの思想が組み込まれているが運用するのは人間で、神ではないことをこの大惨事でも再認識させられた。

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本日、地デジへの移行、疑問だらけ

2011-07-24 18:44:06 | Weblog

本日をもってアナログ放送は終了ということだが、未対応の世帯が10万件もまだあるという。こんなに無理して何故移行するのかまだ疑問は解けない。アナログ画面が砂嵐化になる前に対策本部に相談しろと宣伝しているが、相談したって砂嵐が止むわけないのに・・
我が家はNTTの光テレビだが、依然として一台のアナログテレビには電波が届いている。デジアナという表示が画面に出てるところを見るとサービスで今年一杯デジアナ変換をしてくれるらしい。こうしたサービスの存在は一切宣伝しないところがまた不思議で、何か電波の割り当てで利権があるのではないかと疑問を持つ。

余ったアナログ電波を有効利用するというのがデジタルへの移行理由だが、明確な有効利用がよく判らない。ラジオで活用するというが、BBC放送などPCで聞ける時代だ。居間の大型液晶テレビや捨てるのがもったいない書斎のアナログテレビとDVDにつけたチューナー(注)の負担は自分がしているのにそれ相応のメリットは感じられない。

3月11日の経験から、災害時に余裕のできた電波が既存の携帯電話で使えるような設定ができれば少しは今回の移行が役に立つのだが、これも新型スマホからとなると受益者は限られてくる。

デジタルのメリットで強調されるのが画面がクリアになるという点だ。クリアになって良いのは自然界の景色だが、毎日景色ばかり見てるわけにはいかない。ドラマでは女優のしわや男優の染みが目に付き、この女優もこういう歳になったのだと自分の老いが気になる。
注、1万円ちょっとで地デジとBSが見られ、かつ外付けHDDに録画できるチューナー(IO DATA製)を見つけた。捨てるパソコンからHDDを取り出し、ちょい録に有効利用している。

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円急騰78円でも危機感無し??

2011-07-22 23:16:36 | Weblog

大震災から復興のトレンドに何とか乗ろうとしている企業にとってこの円高は大変な事態だ。私のような年金生活者は物価は安くなるし、国際商品のインフレ傾向を中和してくれるし、デフレが続くことは悪くないと思える。しかし、この長期にわたる円高はボディブローのように日本経済を弱くし、気がついた時は高失業率となっている。

特にリーマンショック後の円高は100円台からじわじわと進みついに70円台になってしまった。特に、近隣の中国や韓国との為替については油断しすぎていたのではないだろうか。かつては円と元は1元=15円くらいで中国の発展を考えると20円ぐらいになるのではとさえ思った。中国政府はかたくなに固定相場を守り、元安政策を続け、今や12円、これからの有望市場と目されている太陽光パネルや蓄電池で、中国の企業は急速に競争力をつけている。

韓国のウォンについては1ウォン=0.1円というわかりやすい相場だったが今では0.074円ウォンになり、電機・電子メーカーサムソンがパナソニックを超える企業になった。液晶の先端を行っていたシャープも韓国メーカーに対抗できず失速している。

経済学で学んだ為替ダンピングによる近隣窮乏政策を地でいっているようだ。自動車メーカーは何とか海外生産で乗りきっているがそのため、海外生産比率は日産、ホンダでは7割を超えている。トヨタもこの震災を期に海外生産比率を急ピッチであげて7割に近づいている。

これらの意味するものは雇用の縮小を通じての日本経済の弱体化だ。電力不足には大騒ぎして対応しようとしているが、円高については危機感無しの政府だ。

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追悼 笹森清さん

2011-07-20 22:53:18 | Weblog

元連合会長の笹森さんのお別れの会が昨日あった。笹森さんとは1984年労働界が念願の民間連合ができた時、政策要求の柱、エネルギー政策を伴に策定して以来のお付き合いであった。その時笹森さんは民間連合の事務局次長として政策担当、私は電機労連(当時)の政策責任者で、民間連合のエネルギー部会長だった。二人ともまだ40代で若かった。

今焦点となっている原発については、反原発運動を推進してきた総評系や新産別系の産業別組合もあるなかで何とかまとめようと苦心をしたあげく、安全性を確認しながらつなぎのエネルギー源として国民の理解を得ながらやって行くといった方向で全体合意を取り付けた記憶がある。

そうした縁で、私はその後、10年ぐらい社会党系のエネルギー政策を考える会の座長みたいなことをやらされ、国内どころか世界の原子力関連施設の調査でかけづり回った。多くの組合員が放射線管理下で働いている現実を考えると、被曝線量の問題が最重要課題で、如何に安全を確保するか大いに議論をした。当時は線量単位がレムで今のシーベルトではなかった。

笹森さんはその後、連合事務局長から会長に上り詰め、理路整然としたわかりやすい話ぶりで聞いていて楽しかった。国際舞台では国際自由労連(ICFTU)の重鎮として、とかく欧米に遠慮しがちな日本人とは違ってアジアの代表として歯に衣着せぬ発言は時には物議をかもし、恐れられた。

そのお別れの会が残念ながら菅内閣に乗っ取られた。祭壇のメイン会場は菅首相をはじめ2名の閣僚を除く全閣僚と衆参議長、小沢、鳩山等民主党の面々、野党の全党首、などが占め、SPのものものしい警戒で、労働組合関係の友人は主要な幹部を除き、私を含めて別室で液晶画面を眺めると言った事態、笹森さんが内閣の特別顧問といってもちょっとおかしいのでは、発起人は皆組合関係者なんだから

笹森さんはあちらからこの事態をどう見ているのだろうか?決して喜んではいないだろう。

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見た、ナデシコの足技、世界一

2011-07-18 22:55:24 | Weblog

日本中がざわめいた日だった。ワールドベースボールクラシックで優勝して以来のすばらしいニュースで、大震災で鬱状態になっている日本人を救ってくれた。
特に、印象に残った決勝シーンは何といってもPK戦、最初に見せたゴールキーパー海堀の右足でのブロックだ。

もちろん、延長戦で挽回のゴールを決めた澤の技術もすごく、いまだにどういう風に蹴ったのか判らないくらいだ。本人自身も後ろ向きだったのでゴールしたボールを見ていないと言っていた。

ただ、全体を通して試合を見てみると前半での米国の押し込みはさすがで、守りきったゴールキーパー海堀の存在は大きい。3人のゴールキーパーの中でも最も若く、今回の大会の中で成長したのではないか、PK戦で見せた米国の強烈なキックをブロックした姿は新たな守護神の誕生とも見える。

ワンバック選手もインタビューで今日の日本は神がかりだと言っていた。これを機会に、サッカーガールが増え、選手層が厚くなると良いのだが。

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夏休みはどこへ行くべきか

2011-07-17 23:04:01 | Weblog

前回は摂氏23度の国立新美術館を紹介したが、この暑さを逃れる場所はどこだろうか、北海道はちょっと遠いし、子供を連れて手軽にゆけるところベスト3(私の主観で)を紹介する。

特に、原発がらみの放射線の問題が出てきて、一時待避を受け入れるネットワークもできているが家庭の事情でそこまではという家族も多い。子供を室外で遊ばせられない地域ではせめて夏休みだけでも太陽の下ですごさせたいと思いが強い。

最近の暑さは高度1000mでも熱中症になるので、できたら1500mぐらいで、贅沢言えば温泉が出るところが良い。こうした基準で見ると
第1位は乗鞍高原、野性味あふれる無料の白濁の露天風呂があるし、民宿、ペンションもかなりの数だ。3000mの剣が峰も畳平(バスの終点)から1時間ちょっとで登れる。こまくさなど高山植物も豊富だ。

第2位は草津、万座温泉地域で、万座温泉は高度1800mでかなり涼しい。ここはホテルか温泉宿が主体だが、数が多いので安いところはネットで見つかる。温泉は源泉掛け流し

第3位は志賀高原熊ノ湯、ホタル温泉、宿賃が安く源泉掛け流しの五色温泉ですばらしい。8月中なら源氏ボタルが飛び交う。子供には是非見せたい光景だ。

他には高度から見ると蓼科のピラタス付近だが、高級別荘地なのでちょっと値段が高い。スイスのアルプス気分を味わえるスポットはずばり立山の室堂2500mで、3000mの雄山にも手軽に登れるし、ホテルの温泉から見る剣の雄姿には感激さえする。ただし、ここも値段は高い。

注意したいのは、こうしたスポットではレストランでちょっと食事をというわけにはいかない。どこも人出が足りないので1時間ぐらいは待たされる。出かける時は宿でにぎりめしでも作ってもらうのが賢明だ。

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必見、ワシントンナショナルギャラリー展

2011-07-15 22:48:17 | Weblog

東京では猛暑が続く、節電でどこでも28度程度、こんなに徹底できる国民は日本だけで、他の国ではまねができない。それでも例外はあるものだ。国立新美術館で行われているワシントンナショナルギャラリー展は展示品の品質を考慮した出品契約で室温は23度以下となっている。館内は上着が必要なほど誠に涼しかった。

パリとかミラノは観光で良く訪れるので、そこの美術館は行くチャンスが結構あるが、ワシントンとなると観光では先ず行かない。私も仕事で行ったくらいで、ナショナルギャラリーには1980年代、核高レベル廃棄物処理の調査でエネルギー省を訪問した際、時間を見つけてちょっと寄ったくらいだ。

今回の展示では常設名画のうち9点が出品されるというまれに見るチャンスだ。規則で10点以上は貸し出さないとされているからだ。

今回最も印象に残った作品をアップする。中でもゴッホの薔薇はすごい迫力で実物を是非見て欲しい。ゴッホと言えばひまわりとかアイリスの絵ばかり見てきたがこの薔薇は静物画の最高峰といっても言いすぎでは無い。

誰でもご存じ、ゴッホのカミーユ夫人と息子のジャンを書いた日傘の女

ルノワールの作品では珍しい踊り子

モネのヴィトゥイユの画家の庭

マネのオペラ座仮面舞踏会、右から2人目金色の髭がマネ本人

当時では珍しい女性画家モリゾの姉妹、左が本人で右が姉

 

 

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菅総理に誰が鈴をつけるか

2011-07-13 18:28:24 | Weblog

先日、ある飲み会で記者連中ともっぱら官邸の話題で盛り上がった。松本龍辞任やストレステストにおける菅総理行動分析では、菅総理は災害対策は2の次で、もっぱら脱原子力発電に目がはまり、それで延命を計ろうとしているという話だった。

党内で少数勢力でありながら、6月中辞任をせまる小沢、鳩山の大勢力を出し抜き、あわよくば8月解散をちらつかせながら9月まで引っ張ろうとしている執念にはあきれる。

野党は不信任決議案が否決され、もはや手も足も出ない。国会を舞台に嫌がらせの審議拒否や延長しか手はない。不信任決議案提出は拙速で、まあ菅排除の作戦失敗と言われても仕方がない。本人は「刀折れ矢尽きるとも」の覚悟らしいが被災者や国民はたまったものではない。

この執念は伸子夫人の執念だとの記者連中のもっぱらの見方。菅総理に鈴をつけられるのは伸子夫人だけだ。伸子夫人よ、夫がのたれ死にする前に名誉の撤退を考えるべし。脱原発の方向を確認する意味で再生エネルギー法案を成立させれば名は残ることは間違いない。

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