行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

朝ドラで思い出す赤坂大空襲

2011-06-30 21:53:11 | Weblog

朝ドラ「おひさま」の話をしていたら、96歳の母がまた赤坂大空襲の話を始めた。夫が出征し、赤坂の実家に2歳の私を連れて帰っていた時、昭和20年5月、大空襲に襲われ、着の身着のままで逃げた話だ。戦後赤坂は歓楽街に変身、赤坂で飲むたびに思い出す話だが、朝ドラの空襲シーンを見て、つらい話に私も思わず引き込まれた。

元赤坂の実家を出て、見附の弁慶橋につく頃は焼夷弾が雨あられと落下する状態となり、お堀に入り水を掛け合う人や赤坂東急ホテル(当時はなかった)裏の防空濠に入る人など火の海の中を逃げ惑ったとのこと、

母は私を背負い、永田町方面の坂を上がり、焼夷弾に奇跡的に当たらず小学校(当時)へ逃げ込んだ。小学校は海軍が守っており、延焼は免れ、九死に一生を得た。坂下の赤坂の街は焼き尽くされ、実家の焼け跡には鉄瓶だけが残っていた。

伯父一家は弁慶橋の下で難を逃れ、横穴式の防空濠に逃げ込んだ人は火の中で犠牲者となった。ベトナムの古都、フエを訪れた時にナパーム爆弾の話を聞いたが、現代の戦争は如何に効率的に民衆を殺傷することを指向する。究極が原爆だ。

「おひさま」はこれから終戦を迎えるが、あの戦争で犠牲になった人のことをもう一度考えるチャンスだ。年間自殺者3万人という現実がこようとは当時は誰も考えなかっただろう。生き残った人も必ず良い世の中が来ると思って窮乏生活に耐えたことだろう。

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ベランダのヒヨ鳥観察の記

2011-06-28 22:03:49 | Weblog

生まれてから1週間、ヒナの声も大きくなり、親鳥は給餌でひっきりなしに巣へ来る。ほとんどトンボとか蝶、昆虫類が多いが時には木の実や花を与え、栄養のバランスを取ってるみたいだ。

4羽のヒナはすごい食欲で、1週間で羽根が成長し、眼をあけるようになった。

天敵の蛇や猫は2階のベランダなのでリスクはないが、カラスが現れると親鳥は巣から遠く離れ警戒警報の声をあげる。親が給餌で巣へ入る時は時間をかけて辺りをうかがいかなり用心をしている。写真を撮るため、巣に近づくとどこかで見張っているようで、飛んできて抗議の声をあげ、物干し竿にとまってこちらをにらみつける。

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巨大地震の被災は人智による対策で差が出てくる

2011-06-26 16:56:26 | Weblog

震災後、100日も過ぎると今回の巨大地震の分析が進み、国土地理院のホームページでも公開されている。昨日、高校同窓の元地質調査所長の小玉喜三郎博士より話を聞く機会があった。東日本大震災を分析すると、3つの大地震が重なった南北500kmにわたる巨大な震源地の面積が特徴だ。

地質調査所で過去の大津波が地上のどこまで達していたかという調査では、1100年前の貞観大地震による津波の大きさが特定できていた。ボーリング調査で貞観大地震による津波の痕跡を残す砂の層の年代を特定することにより可能だった。
 
トータルの災害の大きさは自然災害自身の大きさとそれを受け止めて行う対策の乗算であり、地震を防げない以上、人智による対策で被災の大きさが決まってくる。

この面で最も対策が進んでいるのが火山の噴火対策で、噴火すればすぐ無人ヘリを飛ばし、噴火の大きさを特定でき避難をし、被災を防ぐこともできる。今回かつての貞観地震のデータを参考に津波対策を実施した女川原発とそれを無視した福島第一原発との差が明らかになった。

地震の予知は阪神淡路大震災の後、中央防災会議で日本中の資料、データを一元化し、ここで行っており、先日の菅総理による浜岡原発停止要請時に発表された東海大地震が起こる確率87%も一元化したデータを元に出された。東日本大震災でも同じ震源地付近で3月9日にマグニチュード7の地震が起きており、これが巨大地震の前震と思われるが、今回は判断ができなかった。

地震は予知はできても何時起こるかが問題で、それは判らないから普段からの対策が重要ということだ。

 

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雇用が第一、企業は努力を

2011-06-24 22:50:23 | Weblog

被災地を回ってきた人に先日話を聞いたが、被災から100日、避難所での生活も難しい面もかなり出てきている。報道は避けているようだが、つい群れて酒を昼間から飲む人も出てきているとのこと。また、折角できた仮設住宅に入居すると生活費が掛かるので入りづらい人も出ている。これらの原因は被災者の働く場がないためだ。

多くの中小企業が被災してまだ立ち直れないことが大きいが、雇用を重視するからには金融面での対策や、雇用調整助成金の早期の支払い等中小企業対策を進めることが先ず必要だ。一方個別の労働者対策もきめ細かく県を中心に推進してもらいたい。

大企業も雇用への努力を最大限行うべきところだが先日の日経調査では努力しているのは一部の企業に止まっている。例えば、新卒採用でのベストファイブは①三菱電機1300名(昨年実績990名)、②三菱東京UFJ1300名(同850名)、③東日本旅客鉄道1200名(同1330名)④トヨタ1150名(同1011名)⑤郵便局会社1000名(同1760名)で、内2社は昨年より採用をへらしている。⑥位以下50社の内、大幅に採用を増やしているのは東レグループ765名、ニチイグループ701名、ゆうちょ銀行550名、日産自動車440名、ぐらいで伸び盛りの情報産業での採用増がNTTデータ500名(同539名)に代表されるように期待はずれだ。

解雇規制の緩い米国ではリーマンショック後、企業の業績は回復したが解雇した従業員の補充採用をしないため失業率は10%で高止まりになっている。このため米国経済の回復は軌道に乗らず、再選をねらうオバマ大統領が苦境に堕ちている。特に米国企業のランキング上位のアップル社やヒューレットパッカード社等先端企業は雇用のほとんどを海外で生み出し、国内雇用には寄与してない。米国で見られる現象が日本でも現実になってきているのではないだろうか。

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ベランダにヒヨドリが巣を作り、4匹のひなが誕生!

2011-06-22 22:44:52 | Weblog

我が家の2階ベランダに鉢植えの木がある。5月の末、なんとヒヨが巣を作り始めた。
このヒヨ、冬はメジロのミカンを横取りし、威張っているが、働き者で2日も掛からないで巣は完成、材料は木の枝やビニールの細紐で夫婦の共同作業だ。

6月10日前後に卵を4つほど産んで抱卵開始、洗濯物を干しにベランダに出ると巣から飛び出てギャーギャー騒ぎ、雄を呼び出す。細君は人の家に間借りしていて騒ぐとは何よとぶつぶつ

鳥はズーと抱卵していて雄が雌に餌を運ぶのかと思っていたけど、雌ヒヨが巣を離れ食事に行く、結構長い間巣を留守にするので日が経つにつれ、生まれるのか心配になった。

予定日は23日頃かなと思っていたら、昨日21日未明?に4匹無事生まれ、一安心、本日は夫婦共同で餌をひっきりなしに運び、そのたびに口を大きく開ける。3匹が元気であとの一匹はおとなしい。ちゃんと4匹に餌をやっているのかな・・・・

これが母親です。

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初夏の昭和記念公園

2011-06-20 13:14:13 | Weblog

昨日、久しぶりに昭和記念公園へ、夏草が勢いよく伸びてたが、正門から左に下ると木陰のギボシが群生して咲いていた。地味な花だが結構見応えがあった。今回の目的は花菖蒲、ここは正門の対岸にある菖蒲園と日本庭園内の菖蒲園があるが前者では見頃が過ぎていた。

 

 

園内で今見られるのは、あちこち咲いている山あじさい、花の木園には時計草が咲いている。武蔵野キスゲもちらほらではあるが咲いていて夏の本格到来を感じさせる。

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スペイン紀行 プラド美術館

2011-06-18 22:13:53 | Weblog

プラド美術館は今回で3回の訪問だったが、時間が思ったほどさけず物足りなさのままで帰国の途についた。スペインを代表するベラスケス、ゴヤ、ムリーリョ、グレコの作品群は個性的で逸話も多く、またプラドに来ようという気を起こさせる。もちろんここにはラファエロ、ブリューゲル、ティツィアーノ、レンブラントの傑作が目白押しだ。

バルセロナではピカソ美術館でピカソの若かりし頃の普通の絵にお目にかかり印象的だったが、マドリッドのソフィア美術館ではダリの駆けだしの頃の絵を見た。下の「海を見る少女」の絵だダリの絵といえばぐにゃりとした絵が相場だがなんと美しい絵であることか

こんなにたくさんの傑作の中からスペインを代表する1枚を選ぶとすると、王女マルゲリータを描いたベラスケスのラス・メニーナス(宮廷の侍女たち)だろう。ピカソもラス・メニーナスをキュービズムで描きピカソ美術館で見た。マドリッドの空港でも銀行の広告で現代のパロディを見たがなかなかの傑作だ。

 

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自然エネルギーで発電量35%を調達する先進国は?

2011-06-16 18:18:53 | Weblog

自然エネルギーで発電量35%を調達する先進国は?この問いにデンマークと答える人は多いが、実はスペインなのだ。今回バルセロナからセゴビアまでほぼ1週間のドライブであったがその間、至る所でドンキホーテの風車でなく現代の発電風車を見た。荒れ地には広大な太陽光発電装置が設置され、原発はバルセロナから南、地中海を望む海岸に一基だけ見た。

エコノミストに寄せられた在マドリッド・ジャーナリスト、アルバレス氏のデータによると2010年のスペインの発電電力量に占める再生可能な自然エネルギーの比率は水力16%、風力16%、太陽光2%、太陽熱1% 計35%に達する。他の比率は原子力が22%、天然ガス火力23%で、風力の比率の伸びが著しい。欧州の風力発電量ではスペインに続き、ドイツ、英国、フランス、ポルトガル、イタリア、デンマークといった順位だ。

これだけ風力発電の比率が高まると、風が吹かないリスクも大きくなるので、天然ガス発電との連携技術が必要でスマートグリッドの出番となる。風予報の精度を上げ、吹かない時には立ち上がりの早いガスが補うわけだ。

太陽光はコストが風力の6倍と高く、太陽熱発電が重視されはじめ、アンダルシアに巨大な発電所が建設された。新型蓄熱装置との併用で24時間電力を供給できるという最先端技術も開発されている。

スペインは緯度もほぼ日本と同じで日本の新しい方向を垣間見た感がする。参考までに国内生産の比率はスペインが農業2.9%、工業25.5%、サービス71.6%で日本はそれぞれ1.1%、23%、75.9%で大きな違いはない。

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スペイン農業の底力

2011-06-14 17:28:26 | Weblog

欧州に来ると野菜不足になるとよく言われるが、スペインの食事で真っ先に出て来るサラダのボリュームには驚く、日本のレストランの3倍近い量だ。それでも実に美味しく平らげられる。マドリッドから荒れ地の中を1時間、アランフェスの宮殿を訪ねるとこの地は緑豊かなオアシスのようだ。昔より特産のイチゴをはじめアスパラガス、トマトなど野菜を首都に出荷している。

野菜の値段は日本の3分の1でしかも大ぶりだ。味が良いのはほとんど農薬なしで栽培できるからだ。乾燥した気候は害虫も育たないので、無農薬栽培ができ、コストも安い。超大規模農家(農家数のわずか1%に過ぎない200ha以上の農家が農地の50%を所有)が存在することもコストを安くしているのだろう。

ワインの栽培地の大きさは世界1、生産量は世界3番目というのも余裕で、良いワインができるわけだ。日本ではリオハ産が有名だが、今回訪れたバレンシアやラマンチャのワインも安くて美味しかった。生産量で世界一はオリーブとオレンジであることは言うまでもない。

アランフェスの宮殿は水が豊富な川に面し、森に囲まれ、フランスのロワール渓谷の古城のような雰囲気で、中に入ると、現国王一族の結婚式の衣装も公開されていたが、昔の国力のすごさを感じる内装や磁器類の華やかさを堪能した。

翌日はマドリッドの北西95Km、山越えをして、高原都市セゴビアを訪れ、接着剤を使わない建築美では傑作と思えるローマ時代の水道橋に見とれた。

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スペイン紀行 マドリッドへ

2011-06-13 10:03:00 | Weblog

トレドを後にして、オリーブ畑の中を走り、マドリッドに入へ、7時頃だが陽がまだ高いのでソフィア美術館でピカソのゲルニカを鑑賞した。大昔、大学1年の時、上野で見て以来の再会だ。この絵はワシントンのナショナルギャラリーからこの故郷へ戻っていた。ピカソの「スペインに民主政権ができたら返還を」と言う遺言が実行されたのだ。この絵は1937年、フランコ将軍を支援する独空軍によりゲルニカが爆撃された折りの悲惨な叫びを訴えている反戦の絵だ。

首都に来て気になっていたのがこの国の失業率の高さで、5月6日の統計局の発表では1~3月期の失業率は21.29%となっている。日本との比較では統計の取り方の違いも有り一概に言えないが、失業率推移から見ても21世紀に入り最悪であることは間違いない。マドリッド市内では車が止まる交差点ではガラスを拭こうと屈強の大人がいるがそれ以外に失業者があふれているという感じはなかった。
[世] 失業率の推移(1980~2011年)の比較(スペイン、日本)

雇用が日本に比べ短期化(解雇しやすい)しているせいか、景気の波に大きく作用される。失業率は遅行指数といわれるがここでは一致指数のようで、失業者は南イタリアのように家族の中で囲われているのだろう。
日本も非正規労働者の比率が4割近くになり、1年以上の失業者が増えているが、このままではスペイン化する可能性がある。

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