行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

嘉田知事の新党、何だこういうことか?

2012-11-29 17:48:03 | Weblog

滋賀県の知事が新党を立ち上げると聞いて、先ず浮かんだのは何故急に?という疑問だが、その裏には政治の世界の理解しがたい動きがあった。11月28日付け朝日新聞の政治欄に小沢一郎が9月頃から嘉田知事に秘かに接近し、新党結成を提案していたとの経緯が報道されている。小沢、嘉田両者の組み合わせは不思議な感じがするが、接着剤に小沢と親密な京セラの稲盛さんがなったとのことだ。

生活が第一は維新の会に袖にされ、三極ブームに埋没した感があるが、ひっくり返す大芝居が今回の嘉田新党の誕生と見ても肯ける。

小沢一郎はこれまでの経歴を見ると自由民主党幹事長(第26代)、新生党代表幹事(初代)、新進党党首(第2代)、自由党党首(初代)、民主党代表(第6代)、生活が第一代表(初代)と自民党を離れてから5つの新党を作り、中には壊したものもある。そして今回は未来の党の結成で、形の上で代表は嘉田知事、本人は無役としているが、この新党大部分が民主党から離党した小沢の手勢だ。

自民党の高村氏は小沢党をオブラートで包んだものと未来の党を批判しているが、透けて見えるだけにうまい表現をしている。

維新の会も石原太陽と合流して以来、政策が徐々に明らかになってきたが、最低賃金の廃止や解雇規制の緩和などを発表し、「賃金は引き下げ、首は切りほうだい」になりかねない勤労者には厳しい本性を現してきた。

新党の動きには目が離せない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ASEAN諸国の最低賃金事情

2012-11-28 23:30:55 | Weblog

国際労働財団で招聘したアジアの労組リーダーから各国の最低賃金についての報告があった。各国様々でお国の事情が反映されている。どこの国でも共通しているのは最低限生活が出来る賃金living wageを目指し、タイやインドネシアでは来年度の最低賃金はこれまでになく大幅に改定され労働者にとっては幸いだ。タイは政府主導で、インドネシアは労働組合のゼネストを含む圧力で達成された。

2013年、タイは全国一律日額300バーツ(750円)、インドネシアは各州、地区、市によって自治体が定めるがジャカルタ、ブカシ地区は月額220万ルピー(18700円)その他の地域は今後それを反映させたものにして行くと労組リーダーは言っている。

ヴェトナムは公務員・公共セクターと民間・外資企業の2本立てだが民間・外資は地域によって5段階でかつプラスαが許容されるという複雑な構造、公務員・公共セクターの最低賃金が民間・外資の最低ランクに据え置かれているのはかつて官舎、光熱費が国負担というなごりで今でもその慣習が残っているからだ。公務員・公共セクターの最低賃金は全国一律で2012年月額105万ドン(4100円弱)、民間・外資の最低賃金は最も高いハノイ地域で2百万ドン(8000円弱)。

マレーシアはようやく今年最低賃金制度が導入され、2013年1月から発効される。マレー半島が月900リギット(24000円)、サバ、サラワク島が月800リンギ(21000円)で、平均賃金の約半分の水準だ。それでも4500社以上の企業が実施の延期を求めている。組合としては妥当な水準と評価している。

フィリピンは最低賃金制度があるが1000以上の最低賃金がある上、10人以下の企業は対象外といった例外が多く、実効性に疑問が残る。首都圏だけでも2012年農業は日額409ペソ(819円)、非農業日額409~466ペソ(932円)

最低生活費がいくらか?ということから最低賃金の根拠を求めているが、人間らしい生活には何が必要品目かで議論が分かれる。インドネシアでは通信費が入っていないので労組は組み込むよう要求している。タイでは当然のように御布施が入っている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

昭島の紅葉

2012-11-26 22:30:06 | Weblog

普段、散歩する道すがらの木々の葉も染まり、昨日の日曜日、短かくなった秋を惜しんだ。残念なのはせっかくの街路樹の枝をばさばさと切り、昭島駅北口ロータリーや銀杏の街路樹はまるででくの坊並木の状態。為政者は何故このようなことをするのだろう。緑化の意味をなさないし、地球温暖化を加速させる。落ち葉拾いに費用がかかるのなら、ボランティアを募れば良いではないか

ここの写真は玉川上水以外は全て私有地のもので、民間が管理すれば環境が良くなる事例だ。
つつじが丘団地は林が多く、ツグミ、ジョウビタキといった渡り鳥も観察できる。

染まりぐらいが3段階のもみじ

玉川上水の紅葉は来週あたりか

モリタウンから北へホテル昭和館までの銀杏並木、ホテル側は散り始めているが

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

盛り上がらなかった大相撲九州場所、救いは松鳳山

2012-11-25 22:50:10 | Weblog

不甲斐ない大関陣と新横綱日馬富士の不振で九州場所は盛り上がらなかったが、ご当地出身の松鳳山の元気な相撲と強さが増した豪栄道が印象に残った。松鳳山はスピード感あふれ、かつ馬力のある相撲で小さな身体をカバーし、3大関を破って10勝し、初の敢闘賞を獲得した。圧巻は稀勢の里を破った相撲で、小が大を制する見本みたいだった。

豪栄道は対戦した4大関を全員破り、11勝を挙げ3度目の技能賞を獲得した。全大関を破っても殊勲賞にはならないほど大関の弱さが目立ったわけだ。来年は強い大関の誕生を期待したい。

期待した妙義龍は一休みか、場所後半の相撲ぶりは来年ブレイクする予感もする。日馬富士は屈辱の9勝6敗、新横綱昇進への諸行事で稽古不足、疲労蓄積が原因と思いたい。それにしても怪我の目立つ場所で、把瑠都はついに休場で大関陥落となった。琴奨菊も思い切った相撲が取れる状態では無かった。場所の数を減らすとか抜本的な対策が必要だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インド進出企業と労働組合

2012-11-24 23:04:24 | Weblog

中国がダメならインドがあるとインド投資を考えている日本企業が多いが、課題は多く、その一つが労務問題だ。

最も早く進出したスズキのインド現地企業の暴動が解決はしたが、その原因について、会社側はテロと言い、現地州政府や警察は労使関係の齟齬と食い違いを見せている。スズキが企業内組合との労使関係を築いてきたところに、インド伝統の産業別組合がスズキの新工場に組合を結成しようとして労使紛争になったのが事の発端であることは間違いない。

最近のニュースでは韓国現代自動車のインド工場(チェンナイ近郊)での労使紛争だ。2007年労働組合が結成されたが、会社が労組を認めず、2008年には組合関係者を解雇し、労使関係は悪化。労組に所属する従業員の一部は2012年10月30日から4回のストライキを実行した。その大きな原因は会社がこの共産党系ナショナルセンターCITUの属する組合に対抗すべく、昨年5月に新労組を結成させ賃金協定を締結したことだ。

タミールナドゥー州議会の議員でかつ労組名誉会長の要請で州政府が労使紛争の解決に乗り出し、ストは中止したが現代自動車インド社は政党のバックアップを受けている労組は認めないと強行で解決に至ってない。工場を移せと言う声さえ上がっている。

インドには永年与党の国民会議派と密接に関係ある最大ナショナルセンターINTUCがあり、企業内組合にこだわらす、この組織の産業別組合に組織された組合との良好な関係を築くことが労使関係安定への道だ。もちろんかつての宗主国英国の組合の影響を受けているので労使協調などとは行かない。厳しい団体交渉、場合によってはストもありうる。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安倍総裁はやくも軌道修正

2012-11-22 18:30:12 | Weblog

今日、自民党の公約が発表された。さすがに建設国債の日銀直接引き受けには我がブログを含め批判が強く、安倍総裁の言及がトーンダウン、市中消化の建設国債を日銀が買うということで日銀が直接買うことでは無いと本人自ら言い訳。財政法に違反するとの指摘もされたが、何とも前途多難なことで、首尾良く首相になっても参議院選挙まで持つか?

証券市場では大手ゼネコンの株や証券会社の株が値上がりしているが、これも土建国家回帰への批判が出ると、軌道修正することになるだろう。景気拡大には将来の日本の人口構造、少子高齢のうち少子化に歯止めをかけなければ誰が見ても成長は望めない。残念ながら自民党の公約の優先順位には少子化対策が入ってない。小泉さんの時には待機児童対策をとりあげ達成できなかった後遺症なのか???

名目成長率は3%を公約としているが、今の人口構造では長期的には不可能だろう。民主マニフェストのように出来ないことは言わないと安倍さんの言、これまた軌道修正をせざるをえないだろう。米国の浜田某という学者にかぶれているが、米国自体がQE3でお金をジャブジャブばらまき、その金は金投資や商品投資に向かい肝心の設備投資には回っていない。日本も同じ現象が出てきている。それは決してデフレからの脱却では無い。

政調会長の甘利さんは安倍総裁発言をフォローして修正軌道に乗せる役目のようだが無軌道にならないように苦労するだろう。

民主党、鳩山由紀夫不出馬でマスコミは大騒ぎをしているが、首相不適格でいちど辞めると言った人、何故大騒ぎをするのかよく判らない。国会議員、民主党最高顧問でいることが日本の政治にどれだけマイナスになったか、かつてこのブログで書いたが最後まで裸のドンキホーテだ。
http://blog.goo.ne.jp/admin/editentry?eid=101146c0f0ef9bf73d8b75f6b2d5f00a

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安倍総裁「日銀の建設国債引き受け」ほんとの理由

2012-11-20 22:24:04 | Weblog

ここのところ、日銀の建設国債引き受けを提唱した安倍総裁の発言が話題となり、日経ダウ平均株価も9000円をこえた。インフレターゲット3%まで無制限に紙幣を刷るということがデフレ脱却になり、インフレ期待をいだかせたからだ。

現在、日銀は政府の要請もあり、かなりの水準で銀行の保有する赤字国債を買い上げて資金供給を行っているが肝心の銀行が買い上げ代金の現金を抱いたままで融資を実行しないためいっこうに景気にプラスになってない。それでまた国債を買うということまで起きている。銀行から金を借りて投資をしようとする民間企業特に中小企業の意欲が弱いからだ。
そこに安倍総裁の狙いがある。建設国債を直接日銀に引き受けさせて公共投資をやれば景気が良くなるという土建国家へ戻ることがほんとの狙いだ。如何にも自民党らしい政策で公明党も困り、一定のルールの下で建設国債引き受けをと山口党首は苦しそうだ。

無制限に紙幣を刷り、公共投資をするとどうなるか財政危機の国の政治としては気違い沙汰で、一定のルール等と言っても歯止めが掛からないのは歴史が示しており、インフレ率3%になったからすぐ公共投資はストップできない。これは八ッ場ダムでも経験済みだ。

賃金を抑え続け、コストの安い非正規社員を増やし、更に公務員の給与を削るなど、国内市場は当然縮んでいる。国内需要の喚起こそが基本で、先ず最低賃金を1000円程度に引き上げることをが必要だ。国内市場を拡大し中小企業の経営を建て直せば銀行から金を借りて投資をしようとするだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

錦秋の昭和記念公園

2012-11-18 22:08:25 | Weblog

今日の日曜日、賑わいを見せた昭和記念公園、英語、中国語、韓国語も聞こえ、皆笑顔で錦秋を満喫していた。日本庭園ではシンガポール人とおぼしきカップルがウエディングドレスで記念撮影をしていた。平和の価値を再認識させられ、各国リーダーの狭量こそ問題だ。

昭島入口付近の銀杏並木、来週も楽しめる。

名物の銀杏並木は散りかけている。

ハイライトは日本庭園

 

 

紅葉橋付近も見ごろを迎えているが、池之端の菖蒲園の紅葉は日当たりが良く、暖かいせいか来週が見ごろになる。池之端は夏の日差しをもろに受けるため、葉がちりぢりになっている木もある。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年のボジョレヌーボーとフランスの最低賃金

2012-11-17 23:41:43 | Weblog

今年は、前回書いたボジョレに続き、昨日はボジョレ地方で最大の生産量を誇るジョルジュ・ デュブッフを居酒屋でビール代わりに飲んだ。今日は写真のクロワ ルージュを業務スーパーで求め、飲み比べた。軍配はこのクロワルージュで、色はボジョレ独特の明るいあざやかさはないが、新酒の割には落ち着いた深味とコクがあった。

 飲んでる最中、フランスの葡萄摘み労働者の賃金はどのくらいなのか話題になった。多分季節労働者だから最低賃金ぐらいかということで調べてみた。
フランスは全国一律の法定最低賃金で最近はこの7月に改定され時間当たり、9.4ユーロ約940円だ。東京の最賃が850円だからかなりの水準だ。1ヶ月当たりの最低賃金は1ヶ月に151.67時間、週35時間、月4.33週の就業として計算されるため1か月当たりは1425.67ユーロ15万円弱となる。

フランスは改定最賃額未満の賃金で就業していて、改定によって賃金が引き上げられた労働者は今年約169万人を数え、官公庁などを除く雇用労働者(見習いや研修生なども除く)の11%を占めていた。日本の場合、最低賃金で働く人は少ないので、最賃が上がっても自分の給料が自動的に上がる人は雇用労働者の2%に満たない。

フランスの法定最低賃金は毎年、物価と賃金の動向を反映して決められており、2010年以降、原則として1月1日に改定されている。2011年は2回改定され、1月に時間額が8.86ユーロから1.6%引き上げられ9.00ユーロに、12月には物価上昇率が2%を超えたため、2.1%引き上げられ9.19ユーロとなった。2012年には1月に9.22ユーロ、7月に9.40ユーロへと改定されている。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

野田首相の見事な一人芝居、ボジョレを飲みながら思いをめぐらす

2012-11-15 18:09:48 | Weblog

解散、総選挙で昨日は野田首相の堂々たる一人芝居、自公も驚き、そして評価さえした。野田首相が何事も相談し、頼っていた藤井裕久元蔵相さえ反対した年内解散、自立したということか?準備不足の第三極、資金不足の小沢生活党ややうろたえ気味だが、投票日までの1ヶ月余、各党の選挙運動の中でどういうドラマが待っているか誰も予想が付かない。

本日解禁のボジョレヌーボーを飲みながら思いをめぐらす。私の30年余の労働運動では労働条件向上と生活改善への政策要求という2本の柱が中心だった。後者実現のために多くの仲間を国会に送り、紆余曲折はあったがようやく民主党が実現し、政権を取った。自公政権では実現できなかった児童手当や高校授業料無償化などが実現したが、官僚支配構造からの脱却や日米関係などで失政が続き、消費税問題で党内抗争は目をおおいたくなるような様で国民の不信を買ってしまった。夢破れてといった状態だ。

離党者が更に出るだろうが民主党は当に出直し選挙への試練に入った。

ところで今年のボジョレヌーボーは天候悪く不作と聞いたが、色も綺麗だし、酸味も良く五反田のビストロで飲んだものは美味しかった。ワイン会の面々は満足といったところ。このボジョレヌーボー、ビストロには置いてない?ので近くの成城石井から店が取り寄せたとのこと。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする