大合唱「デフレからの脱却」そして鍵は賃上げ
岸田内閣は13兆円という巨額の補正予算でデフレからの脱却を目指すとしているが、更に確かなものにするには「賃上げと物価の好循環」が必要だと強調している。公正取引委員会も賃上げが......
岸田内閣が掲げた賃上げと物価の好循環、春闘の5%越えで達成できたかに見えたが、未だ実質賃金はマイナス、石破内閣もそれを引き継ぐと意気込む。政府は11月26日、政府と経済界、労働界の代表が協議する政労使の会議を首相官邸で開き、石破茂首相は来年の春闘に向け「33年ぶりの高水準の賃上げとなった今年の勢いで、大幅な賃上げのご協力をお願いする」と要請した。
更に、2020年代に最低賃金の全国平均時給を1500円に引き上げる政権の方針については、政府が来春までに対応策をまとめるとした。
連合を始め各産別労組は労組の春闘要求案をまとめつつあり、中心となる金属労協はベースアップ(ベア)の要求額を月1万2000円以上とする要求方針案を発表した。過去最高だった24年の「1万円以上」を上回る。率にすると、傘下加盟産別では6~7%の昨年を上回る要求案を発表している。
昨年と違うのは103万円、106万円などの壁問題も、手取り賃金を増やすという国民民主党の公約が取り上げられ、実質賃金上げへのサポートとなっていることだ。
また、現国会でも取り上げられた労働分配率の低下だが、まだまだ賃上げの原資は残されていることが提起され、政労使は一層の努力が要請される。
石破首相は「賃上げの流れが雇用の7割を占める中小企業、地方で働く皆さまにも行き渡ることが重要だ」と語ってるが、極めて重い課題だ。
どこでも人手不足状態の日本経済、先ず働きたくても壁があることを解決しなくては最賃を引き上げても解決しない。
注
政労使会議の開催は石破政権になって初めて。経済界から経団連の十倉雅和会長、日本商工会議所の小林健会頭、労働界からは連合の芳野友子会長らが出席した。