行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

モネとゴッホの家は対象的

2009-10-30 15:15:25 | Weblog
パリの郊外モネの家があるジベルニーとゴッホの終焉の地オベール・オ・シュワーズへ、今日は上品なアメリカ人のおばさま二人とアイルランド人夫妻が仲間で、ダイアナはパリのどの地下道で亡くなったと言った話題で出発した。

ジベルニーのモネの家は30年ぶりだが庭園が道路で分断されているのには驚いた。庭園から睡蓮の池(写真)に行くのには地下道で道路を渡らなければならない。周りの紅葉と池に流れ込む水の音にいやされた。

ゴッホの終焉の地オベールは絵に描かれた教会や市庁舎、麦畑が残っている。下宿の部屋もそのまま保存されているが4畳くらいの狭い屋根裏で、小さな明かり取り天窓があるだけで独房のように暗くショックだった。
ベッドのあるこの部屋は明るく描かれていた記憶がある。ゴッホがよく筆をとった麦畑の中に墓があり、お参りした。
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バリの魅力を再認識

2009-10-29 06:12:19 | Weblog
バリは3年前に仕事で訪れたが街を見る時間はなかった。今回久しぶりにまわり、その魅力と変化を新たに発見した。

その一つはエッフェル塔夜のイルミネーションだった。しぶい黄金色というか明るい赤銅色というか、その色を基準に変幻自在のイルミネーションが展開され、まるでショウーを見ているようだった。

初めてエッフェル塔を見たのは1973年、東京タワーが高さでエッフェル塔を凌駕したと日本人が胸を張っていた時代だった。しかし、バリに来てエッフェル塔を見た瞬間、これは芸術品で鉄鋼を節約した東京タワーはただの塔で比較できないと思った。今回あらためて中身の違いを認識した。

また、栄枯盛衰を感じたのは日航ホテルがノボテルに替わったことで、よく利用しただけに日系ホテルが消えたのは残念。嬉しかったのはオペラ座の横にユニクロがデビューしたことだ。ファッションのバリでどこまで頑張れるか楽しみだ。
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フランスの道路事情

2009-10-27 18:07:24 | Weblog
ニースに入って以来、毎日バスで移動している。昨日、モンサンミッシェルに着きほぼフランスを縦断したことになる。日本と大きく違うのはヨーロッパのすべての国の車、特にトラックが走っていることだ。ナンバープレートから国あてクイズができるほどである。

高速道路は有料だが料金は日本の約3分の一、都会以外渋滞はない。制限速度は130キロ、雨の時110キロだが、一般道路も整備されているので90キロ出せる。国道となると110キロ制限なので高速道路と変わらない。景色は田園風景が眺められる一般道路の方が良いのでもっぱらこちらを走ることになる。

ところが都会に入ると道路は駐車場も兼ねているのかすごい渋滞となり郊外との落差が大きい。

昨夜は港町サンマロに泊まったが市内の渋滞はひどかった。ここはかつて英国からの侵略に備えて高い城壁に囲まれていることも渋滞の一因だ。だが不便でも、取り壊さないで残しているとこは素晴らしい。
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ロワール渓谷のワイナリー

2009-10-26 17:20:17 | Weblog
リヨンからマコン、ボジョレーを抜けてシュノンソーへ、ワイン畑、牧場ばかりの農村を眺めながら到着。シュノンソー城はバリから日帰りができるせいか各国の観光客で賑やかだった。

このあたりのロワール渓谷は石灰岩でできているので断崖に横穴を掘って住んでる人が今でも多い。教会までも横穴を利用し、なかには400平米の豪邸もある。
サンセールで有名なロワール渓谷ではこの横穴をワイナリーを利用している。
500年の歴史を持つ小さなワイナリーに寄った。小さいながら、発泡酒を含む赤、白、ロセ、合計年間40万本を生産している。

発泡酒の生産方法はシャンパンと同じだ。2007年のものを試飲したが、どれもなかなかのものだった。ボトルで6~10ユーロと安いが、機内持ち込みができなくなったので買うのはあきらめた。スーパーや輸出むけに出してないのでここでしか飲めないのは残念!
ワイナリーの責任者から聞いたところ、この地方の今年の天候は良くワインのできも良い。来年出荷のワインを期待していた。
ということは来月出て来るボジョレーヌーボのできも良いと期待したい。
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ブールジュの大聖堂でふと思った革命の狂気

2009-10-26 02:21:36 | Weblog
昨日は今や高級ワインになったシャトーヌフドゥパフの本家アビニヨンの法王庁を訪れた。7代の法王が住んだ見事な法王庁だが、内部の装飾品はフランス革命時に民衆が略奪したとの説明だった。

ヨーロッパで観光すると世界遺産が多いせいか大聖堂や教会を見ることになる。
今回訪れたマルセイユの丘に立つ大聖堂はこの地方で採れる白い大理石の美しい芸術品だ。リヨンの大聖堂は内部のモザイク画や床のモザイクは20年以上もかけて完成させた。いずれも信者たちの税金や喜捨で作ったものだ。
そうした信者が革命の中で神に仕える法王庁を襲い略奪するとは?革命時の狂気の為せる業としか思えない。オペラにあるようにバリでは修道女もギロチンにかけられた。

本日はで日曜日、ブールジュの大聖堂でミサを受けるフランス人の中でふと思った。
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アルルの青空

2009-10-25 05:17:26 | Weblog
ゴッホのふるさとアルルは絵のような青空だった。跳ね橋は古くなって絵の面影はないがゴッホが入院し、数々の傑作を描いた病院と中庭はきちんと残されていた。

毎日利用するこちらの外食事情だが日本のようにファストチェーンはマクドナルドがひっそりとあるくらいで、カフェかブラッセリーで取ることになる。
こちらでは人件費も労働時間も人間らしい暮らしを保障しているから外食は高くつくが誰も文句はつけない。マクドナルドでも日本のように300円や400円では食べられず倍はする。

外食がいやなら食品は安いから自分で調理しろということなのだろう。ここならどこでも美味しいパケットもハムもチーズも100円ぐらいで買え、それで2回の食事が取れる。

食事のたびに飲むワインは地元のハウスワインにしているがグラスで2ユーロと安く助かる。カフェで飲むコーヒーの値段と同じくらいだ。
プロバンスのワインは天候に恵まれ今年は良いとのことで数年後が楽しみだ。
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消費税改革へのヒント

2009-10-24 13:56:51 | Weblog
セザンヌのアトリエのあるエクサンプロバンスに移動、太陽はまぶしいくらいだが、ミラボー通りのブラタナス並木は色づいている。

食品を買いにスーパーに寄った。レジ係りは買い物をレジにうち、その買い物をお客が袋に入れてから現金なりカードで払う。その間、レジ係りは手持ちぶさたで待っている。時間がかかり並ぶことになる。

しかし感心したのはレジ係りは立ち作業でなく椅子に座っている。腰痛対策にはこれが良いのだが、日本では効率を考えなかなか実行されない。アジアの日系工場で立ち作業が原因で争議が起きたことを思い出した。

食品の値段は安い。その秘密は消費税が安いからだ。日本ではヨーロッパは消費税が高いと政治家やエコノミストが喧伝しているけど、正確ではない。

フランスでは消費税は四段階になっていて食品は3パーセントくらい、次がビールなど5.5.次が11パーセント、耐久財が最も高くて20パーセント弱だ。格差社会に入りつつある日本の消費税改革に参考なる。
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環境税の使い道

2009-10-23 14:54:26 | Weblog
ニースに滞在してモナコ、リヴィエラなどを観光した。昔は王侯貴族、現代は世界中の富豪が海岸に別荘の建築美を競っている。昨年はベルギーの貴族の別荘が史上最高値700億円で売りに出され、ロシアの富豪が飛びついたがリーマンショックでだめになったとの噂。

自分の住んでる世界と違い過ぎ、ただ淡いブルーの地中海に溶け込んだだいだい色の屋根瓦と白壁の別荘を見ていると夢を見ているかのようだ。

カーニバルを始め、映画祭、音楽祭、カーレース、などコートダジュウルでは世界的イベントが白押しだ。ホテルや別荘の建設も盛んだ。おかげでニースの財政は良いのか、中央通りに路面電車を10年前に敷設して環境対策の先駆けどなった。フランスでは路面電車の建設が地方都市で行われている。電車の車両もJRの特急並みのグレードでデザインもこれが路面電車?と思うくらいスマートだ。

日本も環境税を導入するならそれで地方都市に路面電車を復活したらどうだろうか、ちなみにフランスではサルコジ大統領が環境税導入を表明している。
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日航は羽ばたけるか?

2009-10-21 08:43:38 | Weblog
今、成田でフランス行きのフライトを待っているが、最近の旅行は格安バックツアー利用のためか海外航空便ばかりで日航に乗れない。コスト競争力が無いためだ。

映画「沈まぬ太陽」が24日に公開されるという時期に日航が沈みそうになっている。マーケットでは債務超過ということになり、株価も下がっている。大手銀行からの債務も5000億を超え、確定給付の年金債務も3000億といわれている。一企業に多数の組合があり、経営者は代々運輸官僚が天下り、労使関係はまさに「沈まぬ太陽」の記述どおりの状況だった。

この会社の再建は容易ではない。米国GM型の再建方法しかフラッグシップを再建できないのではないかと思うが前提は労使特に複数の労働組合が危機感を持ち、団結しなければ新生JALは羽ばたけないだろう。完全に会社がつぶれては年金もなくなることを考えるとOBも痛みをある程度分かち協力することが必要だ。

羽ばたくためには銀行も債務の軽減、そして国費の投入となれば、関係者全てが何らかの痛みを分かつ覚悟がなければ納税者たる国民は納得しないだろう。かつての颯爽としたJALを知って私としては再建して欲しい。格安バックツアーでも入札に勝てる会社になって貰いたい。
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上杉藩の危機に直江兼続のリストラ

2009-10-19 13:58:46 | Weblog
NHK天地人もそろそろ大団円に入りつつある。大企業徳川に対する中小企業上杉藩の生き残りにたとえると興味深い。関ヶ原の戦いに敗れた上杉藩は直江兼続の窮余の一策「直江家の跡取りに徳川の重鎮本田家より婿養子をむかえる」ことにより生き残りをはかった。直江家は上杉藩の執政、大企業から専務をむかえるようなものだ。

お家存続となったものの、120万石あった上杉藩は4分の一の30万石に減らされ、米沢へ仕置きされ、兼続の苦闘が始まる。当時はこの場合、召し抱えていた藩士の人員整理に入るのだが、兼続は米沢についてくる者はすべて再雇用すると宣言し、動揺する人心を鎮める。ドラマでは感激した藩士はほとんどが米沢に移動するが、当然給料である石高は激減し、困窮を極め、兼続自身の禄も削る。今でいうとワークシェアリングだ。

貧困を解決するために、武士でも鍬を持ち開墾して新田作りに励み、治水対策では堤を築く、殖産興業では紅花染めを振興させた。藩士はがんばるが大企業徳川藩のやりように不満を募らせ藩内の統一に直江兼続は苦労するが何とか上杉藩の生き残りをはかる。

現代の企業経営者にも見習ってもらいたい場面が多い。本日の報道によれば現代の大分藩では非正規労働者の失職予定者が4491人と九州で最も多いとのこと、大分キャノンのデジタルカメラ減産で同社の請負会社が非正規労働者1000人以上を解雇したことが大きい。現代の藩主はじつに簡単に首を切る。非正規労働者は原材料と同じで売り上げが減れば仕入れない。兼続のように人を生かすリストラを考えるのも経営者の責任だ。

上杉藩の藩士は誇りを持って米沢に移ったが現代の非正規労働者に日本人としての誇りを持てといわれても持てるわけがない。非正規労働者を無くす努力が一刻も早く求められるし、民主党政権の喫緊の課題だ。

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