行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

米大統領選テレビ討論失望

2016-09-29 18:50:43 | Weblog
先日行われた米大統領選テレビ討論、期待はしていなかったが世界一の大国米国のトップを決める討論会なので見てみたが見るに堪えないものだった。箒に乗ったおばさんとドンキホーテが口論しているみたいで視聴率の高さは随一と聞き、米国民は忍耐強い。いや闘鶏を見るつもりで楽しんだのかもしれない。
 
私にとって米国大統領は理想を掲げ世界のリーダーシップを取る存在だった。第一回のテレビ討論は今回みたいに全世界に流すことはできなかったが、少し時間をおいて、討論の様子がわかった。また就任したケネディの就任演説は気高く世界のリーダーとして理想を掲げ、当時ESSに所属していた私たち学生は就任演説をそらんじたものだ。ケネディ人気は日本では熱狂的で我が家には米国大使館からはグラフ雑誌が届けられ、大統領一家の動向が詳しく知らされ、ジャックリーンに寄り添う息子のジョンと娘のキャロライン(現駐日大使)のあどけない写真が届けられた。現オバマ大統領は平和を追求し、オバマケアを実現し、失業率を改善し、少なくとも理想を掲げ、格闘してきたと評価をしたい。
 
イスラム教徒は入国させない等と言う発想はどこから出て来るのだろうか、トランプ氏は、この今でも忘れられない就任演説の一節を読んで貰いたい。
「我々は、その最初の革命の継承者であることを忘れてはなりません。今このとき、この場所から、敵味方の区別なく、すべての人に伝えましょう。たいまつはアメリカの新しい世代に渡されました。20世紀に生まれ、戦争で鍛えられ、苦しく困難な平和に身を置き、古来の伝統に誇りを持つ我々は、人間の権利が徐々に奪われていくのを見過ごすことはできません。人権こそ、この国の変わらぬ関心の対象であり、今日の我々が国の内外を問わず力を注いでいるものです。
世界の人口の半分を占める、集団的困窮から抜け出そうと懸命にもがいている人々に対しては、彼らの自助努力を支援すべく最大限の努力をすることを誓います。どれだけ長い期間かかるとしてもです。これは共産主義者がそうしているからでも、票集めを狙っているからでもなく、ただそれが正しいことだからです」
 
 
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日銀の目くらまし忍術

2016-09-27 18:35:33 | Weblog
日銀が目標としていた「2年で物価上昇率2%」は、3年強がたった今も実現の見通しは立ってない。日銀はその理由として原油価格の下落や、2014年の消費増税後の需要の弱さなどを挙げているが、増税は財政再建に必要というのが黒田総裁の意見だった。それでも日銀はデフレは克服したと言っている。何回かこのブログで書いたが2016年はデフレの予感(昨年年末)から完全にデフレ状態だ。外食産業はお得感のある安いメニューで何とか客を呼ぼうとしている。
 
21日日銀は総括的検証に合わせて、金融政策の新たな枠組みを発表した。ポイントは膨大な国債の購入によって金利を引き下げる「量」を軸とする政策から、「金利」を軸とする政策に転換するとした。そして金利を短期だけでなく、長期まで含めコントロールし、10年国債の利子はゼロにすると発表した。資本主義の経済で金利がゼロとは資本主義そのものがおしまいだと指摘する学者もいる。利息を禁じるイスラム金融と似てきた。
 
発表がイールドカーブのコントロールと物価のオーバーシューティング許容(2%を超えてもよいという意?)と、何が何だかわからない英語で煙に巻いた。真田の忍者戦術みたいに目くらましの術か?どう解釈するかで専門家も右往左往、量を軸とする政策変更で国債の買い入れが減るのでは(金融緩和の終わりか)と心配する人も、マイナス金利の深掘りが回避され、銀行に対する悪影響が回避されたという評価で株価は上昇したが、その後黒田総裁がマイナス金利の深掘りは有効と語り、その評価ははげ落ちて株価は下落、つまり金融緩和が強化されたのか、後退したのかの判断すら定まらない状態。
 
ヘリコプターマネー論者バーナンキ先生はデフレが終わるまで長期金利をゼロにするというのはヘリコプターマネー政策と同じようなものとお褒めの言葉、
庶民にとっては雲を掴むような話で、死ぬまでデフレが続くような気がしてならない。ゼロ金利、マイナス金利は厚生年金運用にボディブローで効いてくることは確かで、日銀が東証上場株全般を対象としたETFを買う方針に変え株価を支え当面の株価下落を防ぐことも目くらましなのでは
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記録ずくめの豪栄道全勝優勝

2016-09-25 21:58:08 | Weblog
前々回のブログで秋場所は豪栄道が主役と書いたが全勝優勝するとは驚いた。豪栄道2敗で日馬富士、遠藤とで優勝決定ともえ戦と期待していたが日馬富士に窮余の策首投げで勝って一気に全勝へと駆け上がった。
この優勝86、22、20、8、という数字が並ぶ、86年ぶりの大阪出身者の優勝であり、22年ぶりに珍しい全勝での初優勝であり、20年ぶりの日本人力士全勝優勝、8年ぶりの角番大関の優勝とまさに記録ずくめだ。
 
大和魂で大関になったがその後怪我で情け無い成績が続いた。今場所は体調も良く、小型力士が大型力士にどうしたら勝てるかという見本のような低い体勢からの攻撃で難敵の稀勢の里などを圧倒した。優勝候補の筆頭稀勢の里は今場所も腰高で強引さが目立った。豪栄道のように低い体勢が取れる足腰の訓練が必要だ。
 
九州場所も今場所のように15日間満員御礼が続く条件は、豪栄道を軸に優勝争いが白鵬を交えて行われることが条件だ。より望ましい予想では豪栄道が今場所の調子を続け,14勝か13勝で優勝か準優勝し横綱になり、稀勢の里が準優勝か優勝し、次場所に横綱をかけるといった展開で、悪い予想は豪栄道が贔屓の引き倒しで祝賀宴会続きで調子を崩し、横綱陣が頑張り白鵬が優勝といった元の木阿弥になることだ。
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日系キューバ人、深刻だった受難の歴史

2016-09-23 21:59:41 | Weblog

安倍首相がキューバを訪れ、記者会見では日系キューバ人がキューバへつくして頑張ったことは触れたが,真実の受難の歴史には触れなかった。医療機器を中心に無償援助を約束したが、日系キューバ人に対する倍賞に言及することは避けた。


日系キューバ人は戦前沖縄、広島、熊本などからキューバに渡り、荒れ地を開拓して砂糖きび栽培で何とか成功しかかったところに太平洋戦争が勃発、収容所へ送られ、苦労して築いた財産も没収されてしまった。
さらに戦後も持ち前の勤勉さで復活を遂げたが、今度はカストロの社会主義革命で資産をまたもや没収という過酷な運命をたどった。米国の日系人は米国政府より戦時の財産没収に補償金を支給されたが、キューバ政府はそんな余裕もない。米国の経済封鎖で日本政府も、キューバへの支援はプラネタリウムの建設など小規模なものであった。


私が初めて日系キューバ人のことを聞いたのは2005年頃国際労働財団在職時に岩田達明キューバ大使(当時)からのメールであった。岩田氏は「キューバには1500人とも云われる日系キューバ人が忘れ去られたような状態で居て、貧困のため衣類も満足に買えない。是非支援して貰えないか」という要請であった。岩田大使は赴任する前、国際労働財団の常務理事として途上国支援に尽力された経緯があり、そのつながりで私に連絡があった。ただちにいくつかの労働組合に呼びかけて中古の衣類を集め段ボールで送ったことを思い出した。

これからは苦難の日系人に対してきちんとした支援が官民挙げて行えるのではないだろうか。もちろん経済ベースでは日系人の協力を得てキューバ観光やメキシコのように製造拠点投資など、促進することも重要だ。

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白鵬がいない秋場所、盛り上がった

2016-09-21 21:30:46 | Weblog

本日は稀勢の里と豪栄道の取り組みで豪栄道が勝ち、稀勢の里の綱取りが消え、流れは全勝の豪栄道に大きく傾いた。今場所は白鵬が休場し、稀勢の里の綱取りに期待がかかったが、初日から2連敗し、今場所の焦点がわからなくなった。ところが隠岐の海が豪栄道を除く3大関と2横綱に勝ち、7連勝し、これなら優勝かと前半のヒーローになった。隠岐の海は8日目に豪栄道に負けてから連敗し、本日の大関戦で勝った豪栄道は日馬富士が高安に負け2敗となったため、俄然今場所の主役に躍り出た。

大関を狙う高安は強くなった。豪栄道には負けたが2横綱2大関をやぶり、その点では隠岐の海からバトンタッチを受けたようだ。あと4日間、まだ2敗なので台風の目で、同じ部屋の稀勢の里を援護することもあって横綱を喰った訳だが、ひょっとすると豪栄道の前に立ちはだかるかもしれない。

目が離せない場所でもう1人、遠藤も2敗で頑張っている。上位とはあたらないのでこのまま頑張り、千秋楽まで優勝候補として残って貰いたい。今場所を盛り上げているもう1人は伸張著しい御嶽海で、同じ押し相撲の先輩で好調琴勇輝に真正面から勝ったのには驚いた。まだ3敗なのでどこまで勝てるか楽しみだ。

大黒柱の白鵬がいないということは各力士に大なり小なり影響を与えたのではないか。

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豊洲市場建物入札は官製談合では

2016-09-19 23:17:35 | Weblog
豊洲市場では盛り土が建物の土地にはされてないことが連日報道されてるが、もう一つの疑惑が浮上している。公正取引委員会の行動を期待する。
毎日新聞の報道では
「豊洲市場(江東区)の主要建物3棟の建設工事で、1回目の入札が不調に終わった後、都が入札予定のゼネコン側に採算が取れる実勢価格を聞いていたことが、元都幹部への取材で分かった。2回目の入札は予定価格が3棟計約1035億円で、1回目の計約628億円から1.6倍に増えており、都側が予定価格をゼネコンの希望額に近づけた可能性が浮かんだ。
1回目の予定価格は青果棟159億8951万円、水産仲卸売場棟260億434万円、水産卸売場棟208億932万円。都は14年2月に2回目の入札を実施し、予定価格をそれぞれ259億4592万円、436億765万円、339億8535万円にまで大幅に引き上げた。2回とも予定価格は事前に公表された。
その結果、青果棟に鹿島のJV、水産仲卸売場棟に清水建設のJV、水産卸売場棟に大成建設のJVの1JVずつだけが入札した。青果棟は259億3500万円(落札率99.95%)、水産仲卸売場棟は435億5400万円(同99.87%)、水産卸売場棟は339億1500万円(同99.79%)で落札された」
 
この報道が事実とすれば、1回目の入札が不調だったら何故外国企業を含めた国際入札をしないで、ゼネコンに入札希望価格を聞きに回ったのだろうか?2回目の入札では落札率が3棟とも100%弱という手品みたいな結果は談合がなければ実現しない。しかも3棟とも3つのジョイベンにきちんと分けられて、競争は全くない。競争があれば3棟が2つのジョイベンに受注されることもあるはずだ。このまか不思議な現象は談合があったとしか考えられない。
我が税金がまたもいとも簡単に1回目の予定価格から400億円も増えて使われている。
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昭和記念公園、コスモスと曼珠沙華

2016-09-17 18:16:40 | Weblog

天候不順で夏には訪れることが少なかった昭和記念公園、今日は曼珠沙華と東花畑のキバナコスモスが見頃だった。結構暑かったので、CAVAのセミ・セッコで喉を潤した。

キバナコスモスは黄色のレモンプライド、サンライズの2種と橙色のマンダリン3色が楽しめる。

サンライズとマンダリンが広大に咲いていた。

レモンプライドとマンダリン

立川口ふれあい橋付近の林の中に咲く曼珠沙華、

 

バーベキューガーデン前の見事なパンパス

CAVAのスパークリング、業務スーパー円高還元セールで600円弱、この値段で、味はシャンペン並みだ。

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高速増殖原型炉「もんじゅ」は直ちに廃炉に

2016-09-15 21:58:11 | Weblog

政府は13日、高速増殖原型炉「もんじゅ」廃炉も含めた検討に入ったとの報道、今更まだ検討か!?,政治の貧困で毎年150億円税金の無駄使いが続いている。

このブログでもんじゅを取り上げたのは先ず2010年2月11日、前日経済産業省原子力安全・保安院が10日に運転再開を容認した時だ。「原子炉技術の先進国フランスでは高速増殖炉に国運をかけ、フェニック炉、スーパーフェニックス炉を開発したがもんじゅと同じ冷却用金属ナトリウム漏れがおき火災事故が発生した。リヨンからスイス国境に近い同サイトを運転停止中に訪問したが冷却水に替わる金属ナトリウムの扱いにくさと危険性に強い印象を持った。その後フランス政府は検討した結果、フェニックスの巨大な施設と計画を放棄せざるを得なかった」とし、先進フランスでさえ手に負えなくなっている。もんじゅの運転再開は世界的にも孤高の危険な選択と書いた。


次に2014年10月17日のブログでは、日本原子力研究開発機構は12日、停止中の高速増殖原型炉もんじゅで、ナトリウムの漏れを監視するカメラ180台のうち約3分の1が故障していることを明らかにした。という報道で「補助的なカメラだからと放置したようだが、検知装置が壊れていたらどうなるのか、何重にも監視をして初めて安全が保たれる。ましてプルトニウムを燃やす高速増殖炉には原発以上の安全が重視されなければならない。もんじゅはナトリウム漏れ事故で長期停止、運転再開した直後の2010年には、核燃料を交換する装置が原子炉容器内に落ち、再び停止した。さらに、約1万点に上る機器の点検放置が発覚し、規制委が2013年5月、点検や管理の態勢の見直しが終わるまで運転再開の準備を禁じる命令を出した。あまりにも無責任な日本原子力開発研究機構の管理では危険」とし、廃炉にする以外選択はないとした。

あれから2年余、もんじゅを巡っては政府内であり方を検討してきたが、日本原子力研究開発機構に代わる運営体制の刷新は難しく、かつ20年以上ほとんど運転していない施設を改修するのに数千億円をさらに拠出することになり、電力会社さえ尻込みをし、経済産業省も諦めだした。モンスターとなった「もんじゅ」は廃炉しかない。

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オリンピック道路より食の安全を

2016-09-13 23:03:54 | Weblog
豊洲市場の土壌汚染対策をめぐって、東京都は、土壌や水質に詳しい大学教授らで作る「専門家会議」から、盛り土を敷地全体に行うよう提言を受けていたにも関わらず、独断で方針を変更したとの報道には眼を疑った。これまで都が敷地全体で行ったと説明してきた盛り土が、実際には主要な建物の地下では行われていなかったことが明らかになった。専門家会議の提言は、平成20年(2008年)7月に行われ、都は、その5か月後の12月には別の専門家が工事方法を検討する「技術会議」で、建屋の部分には盛り土を行わない方針とした。つまり現在の大部分の建屋は汚染対策がされてない土地に建っていることだ。
 
ことは普通の工場ではない。生鮮食品を床に置いて競りをかける都民の台所中央卸売市場であるだけにベンゼンなどの汚染物質をどう防げるか大問題だ。当時の石原元知事はどう決済したのか、都庁への出勤が適当だったため、役人が勝手に判断したのか責任を明確にした上で、再建覚悟で新市場を建設するべきだ。築地市場が移転できないとオリンピック道路ができないなどと森喜朗東京オリンピック組織委員長は言って圧力をかけているが、道路は迂回すれば良い。都は信用を失った今、都民監視の下、時間かけても汚染対策をきちんとして食の安全を確保して欲しい。
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加藤紘一氏と海坂藩

2016-09-11 18:43:49 | Weblog
自民党内のリベラル派で中心的な存在だった加藤紘一氏の死去を惜しむ声が10日、政界から相次いで上がったとの報道、それは今の安部政治と対極にあったからだろう。加藤紘一氏は私が専務理事を務めていた国際労働財団(JILAF)の設立に尽力されたと聞いていたので、勉強会などにお招きして、お話を何回か伺った。生真面目で率直な物言いをされ、好感を持たれる政治家との印象が残っている。
 
勉強会でのお話しは多分時々の話題だったと思うがだいぶ前のことで思い出せない。しかし、会が終わった後一杯やりながら故郷鶴岡のことをよく話され、訃報を聞いた時、そのことは思い出した。特に藤沢周平の小説の舞台海坂藩はわが庄内藩のことで映画の撮影も鶴岡で行われたと説明された。私は藤沢ファンで小説も映画もテレビも見た作品「たそがれ清兵衛」「隠し剣鬼の爪」「武士の一分」「蝉しぐれ」など海坂藩での出来事だが、庄内藩でもそれに近いことがあったようだ。蝉しぐれのラストシーン、主人公が浜辺を乗馬で去っていくシーンは日本海のきれいな砂浜が印象的だ。
 
加藤紘一氏は庄内藩の藩主酒井氏は今でも家系が続いており、正月には必ずお殿様の屋敷にあいさつに行くと言っていた。調べてみると、庄内藩は幕府の親藩で、西郷隆盛率いる討幕軍と会津とともに戦ったが、後に恭順し、会津のごとくつぶされることなく、酒井家は明治政府より伯爵を賜り、健在しているとのこと。
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