日銀が目標としていた「2年で物価上昇率2%」は、3年強がたった今も実現の見通しは立ってない。日銀はその理由として原油価格の下落や、2014年の消費増税後の需要の弱さなどを挙げているが、増税は財政再建に必要というのが黒田総裁の意見だった。それでも日銀はデフレは克服したと言っている。何回かこのブログで書いたが2016年はデフレの予感(昨年年末)から完全にデフレ状態だ。外食産業はお得感のある安いメニューで何とか客を呼ぼうとしている。
21日日銀は総括的検証に合わせて、金融政策の新たな枠組みを発表した。ポイントは膨大な国債の購入によって金利を引き下げる「量」を軸とする政策から、「金利」を軸とする政策に転換するとした。そして金利を短期だけでなく、長期まで含めコントロールし、10年国債の利子はゼロにすると発表した。資本主義の経済で金利がゼロとは資本主義そのものがおしまいだと指摘する学者もいる。利息を禁じるイスラム金融と似てきた。
発表がイールドカーブのコントロールと物価のオーバーシューティング許容(2%を超えてもよいという意?)と、何が何だかわからない英語で煙に巻いた。真田の忍者戦術みたいに目くらましの術か?どう解釈するかで専門家も右往左往、量を軸とする政策変更で国債の買い入れが減るのでは(金融緩和の終わりか)と心配する人も、マイナス金利の深掘りが回避され、銀行に対する悪影響が回避されたという評価で株価は上昇したが、その後黒田総裁がマイナス金利の深掘りは有効と語り、その評価ははげ落ちて株価は下落、つまり金融緩和が強化されたのか、後退したのかの判断すら定まらない状態。
ヘリコプターマネー論者バーナンキ先生はデフレが終わるまで長期金利をゼロにするというのはヘリコプターマネー政策と同じようなものとお褒めの言葉、
庶民にとっては雲を掴むような話で、死ぬまでデフレが続くような気がしてならない。ゼロ金利、マイナス金利は厚生年金運用にボディブローで効いてくることは確かで、日銀が東証上場株全般を対象としたETFを買う方針に変え株価を支え当面の株価下落を防ぐことも目くらましなのでは