行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

天皇陛下のカナダご訪問でふと考えた

2009-07-08 22:27:04 | Weblog
天皇陛下がご夫妻でカナダ政府の招きで訪問されている。相対するカナダの元首は総督でミカエル・ジャン氏、アフリカ系カナダ人で2005年9月27日に首相により指名され就任した。カナダの女性総督としては3人目だが黒人としては初めてのカナダ総督でハイチ・ポルトープランス生まれ、難民としてカナダに移民した。彼女の夫はフランス人のためか天皇陛下への出迎えはお一人であった。彼女は総督就任時にはカナダとフランスの二重国籍であったがフランス国籍は捨てた。

カナダは多民族国家、国民の融和をいかにはかるか腐心している。ジャン総督の前はこれも女性で中国系のアドリエンヌ・クラークソン氏であった。クラークソン氏も香港難民であった。当時、従来白人のエリート層のポストであっただけに首相の上位の総督にアジア系がなることにかなり議論があったようであるが、結果的には成功したので再び少数の移民系から選ばれた。
もちろんジャン総督は5カ国語に堪能で、ジャーナリストとして傑出していたことも国民の支持を得ている要因だ。かなり行動的で2007年8月にはカナダ軍最高司令官として、アフガニスタンで作戦中の部隊を訪問している。

カナダには何回か仕事や観光で訪問したがどこへ行ってもいろいろな民族が仲良く働いていた。特にバンクーバーはアジア系が多く、日本人が住むには快適のようで定年退職後の住み家としている方もいる。
日本も将来、少子高齢社会が続くと移民を受け入れ、多民族国家になるのであろうか、その場合、国家元首に韓国系、中国系、東南アジア系を受け入れられるのであろうか?カナダの統治スタイルは他の多民族国家の参考になる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いよいよ都会議員の選挙だ

2009-07-06 18:47:52 | Weblog
参考のために選ぶ271人の都議の報酬は月103万円、年三回の期末手当を加えると年収は約1700万円、これに政務調査費が月60万円、年間で720万円、つまり7月12日は年間2400万円の人材を選ぶことになる。
その他にハイヤー付きなのでこの経費は1人あたり年間140万円かかる。
これだけでも慎重に選ばなければならない。

現在の都議さんがやったことで最大の無駄遣いは新銀行設立1000億円、ご存じのようにこの銀行の経営は大失敗、1000億以上の赤字を出し、経営者を首にして首謀者の知事と都議さんは何ら責任を取らない。どころか400億円の追加支援までしてしまった。
民間なら退職金没収が当たり前だが

さらにオリンピックで金を使うという。先月末には容赦なく固定資産税、都市計画税が取られた。この怒りは選挙でしか果たせない。

東京都は税収が多すぎたのでおかしなことを考える。都民税を減税すべし。議員の定数を半分にすべし、無駄な経費(例えばハイヤーをタクシーに代えるか地下鉄に乗る)を削ぐべし。


コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界同時雇用危機

2009-07-04 23:41:21 | Weblog
かつてないほどの世界同時雇用危機だ。先週あいついで発表された失業率は米国、欧州とも9.5%で米国にとっては26年ぶり、オバマ大統領は10%になるだろうと予防線を張っている。カリフォルニア州知事のシュスワルツネッカーは財政危機で週は破産するかもしれないと非常事態宣言、連邦政府もこれ以上の対策はしたくてもできない状態だ。暑い夏をむかえ大都市では暴動が起こるかもしれない。
EUとても9.5%は平均の数字でスペインでは2割を超える失業率だ。イタリアやスペインは家族で失業者を囲い込み高失業率には慣れているとはいえ厳しい。

日本では4月から失業率の悪化が加速し、5月には平成15年(2003年)以来の5%台となった。しかし当時と大きく違うのは、雇用対策の目玉として昨年末から雇用調整助成金制度を拡充し、5月では233万人が対象となっている。これを5月の失業者に加えると失業率は8.6%に跳ね上がる。

5月の失業者347万人の内、会社都合で解雇された人は前年に比べ46万人増えて、これが失業率を押し上げていることは確かだが、この4月からは定年退職者も結構増加し44万人で前年より11万人も増加している。これは団塊の世代が定年をむかえているという特殊要因だろう。

さらに内容をチェックしてみると企業規模別ではこれまで29人以下の小企業(雇用者数1612万人)が24ヶ月連続して雇用が減少してきたが、がんばっていた500人以上の大企業(雇用者数1431万人)で23ヶ月ぶりにこの5月雇用者数が減少した。

今回新たに問題とななったのは35歳から44歳の働き盛りの年代で失業率が1月に4%台になり5月には5%台に悪化したことであるが、私がこれまで重視してきた世帯主の失業率は3.4%と比較的安定している。

雇用の増減を見てみると、米国も日本も製造業や建設業では大きく雇用が減少し、医療福祉部門で雇用が増加している。マクロ経済対策で景気の浮揚が必要であるが、雇用の産業別セクター間での移動対策も強化すべきだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

的確な労働経済白書の分析

2009-07-02 23:16:32 | Weblog
厚生労働省は6月30日、平成21年(2009年)「労働経済の分析(労働経済白書)」を発表した。白書は今回の急激な景気後退について、経済成長の成果を勤労者生活に行きわたらせなかった影響を指摘し、不安定就業層の正規化に取り組むとともに、長期雇用システムのもとですそ野の広い技術・技能の蓄積と人材育成を図ることで、経済の活性化や所得の底上げを実現していくべきだとしている。

 白書の指摘は誠に的確であり、その通りに実行して欲しい。特に第3章での景気後退期における雇用調整の分析では90年以降、過去2回の景気後退期と今回のリーマンショック以降の急激な不況と比較している。今回の雇用調整は正社員の希望退職や解雇を抑制し、残業規制と同時に派遣労働者など非正規雇用労働者の雇い止めなどを集中的に実施したと指摘している。これは過去の景気後退期に比較し、非正規社員を増やしていた結果でもある。

現在時点では雇用調整給付金を受給している人が200万人をこえており、その大部分は正社員である。経済の状態が改善しなければ今度は過去の景気後退期のように正社員対象の希望退職が予想される。同じ白書の分析ではこの3年間、年間給与総額は大企業で横ばい、労働者の75%が働く中小企業では3%強減少している。従って消費が伸びないのは当然で、白書は上記のように経済の活性化を主張しているが、日本経済の浮上は輸出頼みとなっている。長期安定雇用と両立させるワークシェアリングを企業内だけでなく日本全体で考える時期になったのかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする