『銘酒居酒屋・赤鬼』赤鬼だより

東京三軒茶屋にある『銘酒居酒屋・赤鬼』のスタッフが、お酒周り、お店周り、そして旬のよしなしごとをトツトツと綴ります。

師走12月、今月の六品 その2

2011-12-03 16:16:45 | 酒の肴
「春菊とささみの胡麻和え」

ほうれんそうも、春菊も、
青ものの少ない冬の食卓ではひときわ彩りをはなつ野菜。
赤鬼では、露地もののおいしい春菊を仕入れています。
毎冬、お浸しにしてメニューに載せると、
地味ながらリピーターが後を絶たない春菊です。
普通売られているものは、茎が堅く、
鍋だねなどには葉と分けて煮なければなりません。
が、この春菊は、茎もしんなりとして、生でもおいしいのです。
上品なほろ苦さとシャキシャキの歯ざわり。
この良さを最大に活かして、胡麻和えをつくりました。

合わせたのは、築地の鶏屋さんから仕入れている
これまた旨いとりの笹身。
さっぱりとした部位なのにしっかり味があるこのササミを
プルンと歯ごたえが残るように茹でて、
さっと湯がいた春菊と、炒って擂った特製胡麻だれで和えています。

一見、何の変哲もない箸休めに見えながら、
口に運ぶとわかる、素材同士の相性の良さ。
ほんのり苦く、ほんのり甘く、染み出る滋味、
野菜の歯ごたえと肉の歯ごたえの違いが生み出す愉しさ。
そして控えめに足された胡麻の油気と香り。
箸休めどころか箸が止まらなくなる一品です。

(中村作)


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