アルバニアの南部にあるブトリントは、
紀元前6~前5世紀に開かれたギリシャの
植民都市を起源としています。
ギリシャ方面に領域を拡大しつつあったローマは、
紀元前167年にこの地を支配下に置き、
ギリシャ侵攻の基地とし、
ローマ皇帝アウグストゥスは、
ここに植民地を建設していったのです。
丘の上の中心部にはイオニア式の神殿、
公共浴場や円形劇場が建てられ、やがて水道橋や
室内競技場、噴水、聖堂まで建設されました。
500年に及ぶオスマン帝国支配の間に、
大地震や伝染病の流行などで廃墟と化しましたが、
20世紀に発掘が進み、数々の遺構が蘇りました。
1912年にアルバニアは独立しましたが、
すでにブトリントにはわずかな居住者しかおらず、
遺跡は沼地に埋もれて植物の生い茂るままの
状態となっていたのです。
人の住まぬ土地になったこともあって
周辺には豊かな自然環境が保たれており、
2003年にはラムサール条約の登録地にもなっています。
世界文化遺産 1992年登録
アルバニア
訪問日2017.7.7
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