2014年にユネスコの世界遺産に登録された富岡製糸場。
群馬県では古くから養蚕、製糸、織物など
絹産業が盛んで、数多くの文化遺産が残っています。
1階は事務所・作業所、2階に乾燥させた繭を
貯蔵した国宝の東置繭所は、
1872年に建築された「木骨煉瓦造」で、
日本の瓦職人が窯を築いて作ったのだとか。
場内はこのようになっており、音声ガイドは200円。
自身のスマホ等で、QRコードを読み取って
情報を聞くのは無料ですが、通信料は自己負担。
解説員によるガイドツアーは1回200円。
1873年築の検査人館は重要文化財、外観見学のみです。
生糸の検査などを担当したフランス人男性技術者の住居で、
後に改修され、現在は事務所として使用されています。
ほぼ当時の状態で残されている
大理石のマントルピースが見たい!
はとバスの一行は、解説員のガイドツアーです。
国宝の繰糸所も1872年の建築で、
繭から糸を取る作業が行われていた場所。
創業当初はフランス式の繰糸器300釜が設置され、
世界最大規模の製糸工場でした。
内部も一部見学が可能です。
「トラス構造」という従来の日本にはない
建築工法のため内部は中央に柱のない
空間が保たれています。
採光のため多くのガラス窓や、
屋根の上に蒸気抜きの越屋根が
取り付けられています。
技術伝習工女として15歳~25歳の女性を募集、
技術習得後、それぞれの地元で
指導者として活躍しました。
当時の工女の日常を記した『富岡日記』の著者で
左の写真の女性、横田(和田)英さんをはじめとする
工女の活躍が、絹産業に大きく貢献したのです。
1985年頃の工場内の製糸行程がわかる写真です。
製糸工と言いますと、『あゝ野麦峠』を思い出しますが、
時代は同じでも、こちら富岡製糸場は官立で、
待遇はとても良かったのだとか。
写真は診療所ですが、敷地内に寄宿舎もあります。
指導者として雇われたフランス人・ポール・ブリュナが
家族として暮らしていた住居の重要文化財の首長館。
320坪、地下室も残る1873年の建築物で外観のみの見学。
後に建物は、工女に読み書きや裁縫などを
教える学校として利用されるようになりましたが、
これは、企業内教育の先駆けとか。
こちらも1873年の建築物で外観のみの見学の
重要文化財の女工館です。
フランス人女性教師の住居として建設。
ベランダの天井には板が格子状に組まれ、
当時の日本建築にはない特徴が見られます。
官営工場として創業され、やがて民間に払い下げ、
1987年まで115年間にわたり休むことなく
製糸工場として稼働し続けた製紙場、
日本がバブル経済に沸いた頃に操業停止したのですね。
群馬県富岡市富岡1-1
2020.2.10