潮待ち・風待ちの港として栄えた鞆は、
海にまつわる歴史が展開されました。
江戸時代には北前船の寄港地としても栄え、
朝鮮通信使も幕府の慶賀などのために
度々寄港しています。
日本で最初の国立公園に指定された瀬戸内海を
代表する景勝地の1つであり、
映画のロケ地や演歌の舞台ともなっています。
2008年公開された『崖の上のポニョ』で、
宮崎駿監督が構想を練った地として有名になり、
いつか訪れたい場所になりました。
いろは丸展示館
坂本龍馬率いる海援隊が、伊予大洲藩から借用し、
鞆沖で沈んだいろは丸の足跡を証する資料館。
引き揚げ品や沈没状態のジオラマ、
調査風景写真の展示、龍馬の隠れ部屋が再現。
坂本龍馬ゆかりの地として、マップもありました。
中世の鞆には、足利尊氏・義明も足を留め、
幕末には、坂本龍馬や三条実美らの七卿などが、
鞆に歴史の足跡を残しました。
常夜燈
鞆の浦のシンボル、鞆港西側の雁木の南側に立つ常夜燈。
1859年に建てられた船の出入りを誘導してきた灯台で、
高さは5.5m、海中の基礎の上から宝珠まで11m、
現存する江戸時代の常夜灯としては最大級の大きさ。
鞆の浦は国内外との交易で栄えた港で
歴史に名高い旧跡や遺構も多く残されています。
2018年5月には、鞆の浦の港町文化をテーマとした
ストーリー「瀬戸の夕凪が包む 国内随一の近世港町~
セピア色の港町に日常が溶け込む鞆の浦~」が
日本遺産に認定されています。
太田家住宅
瀬戸内海を代表する往時の商家の佇まいを今に伝える、
歴史的価値のある建造物群は、国の重要文化財。
主屋や炊事場、保命酒蔵が見事に保存されていて、
玄関には杉玉掛けもあり、
造り酒屋の構えをよく残しています。
「重要伝統的建造物群保存地区」にも指定、
ユネスコ「世界の記憶」と合わせて
一つの地域が3つの評価を受けているのは、
国内で鞆の浦だけです。
広島県福山市鞆町
2024.5.14
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