衣服のひだには、プリーツ、ギャザー、フリル、
タックなど多くの表現があります。
ひだがあることで、布を体のラインにフィットさせたり、
動きやすくなるためといった機能性や
体形をカバーするため、魅せるため、威厳を示すため、
エレガンスに見せるためにあると思っていました。
気候風土に適応させるためとは考えもしませんでしたが、
世界各地の民族衣装などをみるとなるほど
そのような理由からこうした衣服が誕生したのかと
目から鱗が落ちるような展覧会でした。
昼夜の温度差のある地域では、多くのひだを寄せることで、
体を衣服の間に多くの空気をためることができるので、
日中は体熱を放出し、夜は空気を静止して、
温かい空気を保持するのだそうです。
確かにトルコなどでギャザーを寄せたパンツを見かけましたし、
寒冷地ではプリーツを寄せたスカートを着ていました。
山岳地域では、高低差のある険しい山道を
歩くための工夫がされているのです。
ひだが作り出す機能性とエレガンス、
旅先や映像や絵画からも注意深く見てみたいと思います。
この展覧会は2月14日まで開催中です。
文化学園服飾博物館
東京都渋谷区代々木3-22-7
2020.1.9