青空に映える白亜の巨大建造物が
やっとその全容を明らかにしました。
幾何学的美しさでイスラム建築最高の傑作は、
世界で最も美しいと言われる霊廟です。
ムガール帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、
最愛の妻の死そ悼んで建設したのは有名な話です。
22年もの歳月とウズベキスタンやヨーロッパからも
招いた2万人以上の職人を費やし、
1653年に完成しました。
二重構造でひときわ高くした巨大ドーム。
白大理石は西インドのマクラーナーで採掘。
タージマ・ハルは横300m、
縦580mの広大な敷地に95m四方の基壇、
その中央に57m四方、高さは約67mの廟堂、
左右対称の総大理石造りです。
イスラム様式のドームを囲む4本のミナレット、
壁面に施したインド伝統工芸の象嵌細工。
想像以上に美しく壮大なものでした。
廟内部に入ります。
高い入場料を支払う外国人は、この列には並ばないで
良いのですが、内部は混雑しています。
内部の写真撮影は禁止です。
内部にはシャー・ジャハーンと妻ムムターズ・マハルの
石棺のレプリカが並んでいます。(本物は地下に安置)
ヤムナー川を背に佇んでいるタージ・マハル。
原則として土足厳禁、靴カバーをすればOKで、
入場料に含まれています。
規則的に水路や通路で均等に4分割された
四分庭園は、ムガル帝国時代の
霊廟建築によく見られるそうです。
霊廟に向かって左がモスク、右が迎賓館。
砂岩の赤茶色が対になってタージの美しさを
引き立たせるような構成になっています。
満月の夜に月光に照らし出されて
青白く浮かび上がる幻想的な美しさを見てみたいものです。
現代のお金に換算すると約20兆円とも言われる建設費、
国家財政を逼迫させ、のちに実の息子に幽閉されてしまう皇帝。
ムガル帝国滅亡の遠因ともなったのです。
インド・アグラ
2014.3.22