jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

真の三部作 ・・・・・ HUBBARD & MOBLEY

2021-06-15 | Legacy of Freddie Hubbard

 

左から”ROLL CALL / HANK MOBLEY”(4058、 1960.Nov.13)、

”GOIN’ UP / FREDDIE HUBBARD”(4056、 1960.Nov.6)、

”UNDERCURRENT / KENNY DREW”(4059 、1960.Dec.11)

三作の共通点は ハバード(tp)、モブレー(ts)というフロント2管のクインテットで録音はほぼ一ヶ月の間、No.も4057のひと番を外しただけの三連荘。

ジャズ・マスコミが作ったモブレーの通称「三部作」に対し、こちらはライオンが初めからハッキリと制作意図した三部作。狙いはデビューしたばかりで未知の器量に溢れるハバードとピークを迎え、恐らくマイルスのグループに参加が決まった?モブレーのプレゼンだったのは明らかですね。

ただ、”GOIN’ UP”は何故かデビュー作”OPEN SESAME”の陰に隠れ、”UNDERCURRENT”もあの「幻の名盤読本」の本稿ではなく巻末のレコード専門店のクイズの中で紹介され「裏・幻の名盤」扱いとなり、後年のヨーロッパ盤のイメージも強く、知名度、人気度は”ROLL CALL”に及ばない。

けれど、内容は甲乙付け難い名演揃いです。

リズム・セクションの人選は一流所、有望株を巧みに配し変化を持たせつつ、曲構成を”ROLL CALL”、”UNDERCURRENT”は全てリーダーのオリジナルで固め、二人の作曲能力を抜かりなく打ち出し、”GOIN’ UP”ではドーハムの代表作2曲を取り入れてハバードの経験の浅さをカヴァしている。

好みの順でいくと、

初心者の頃、初めて聴き朗々と鳴り響くtpに脳天をぶち抜かれた”GOIN’ UP”が一番、二人の息が段々と上手く噛み合い、特にA面の曲が良い”UNDERCURRENT”、そして、”ROLL CALL”かな。

”GOIN’ UP”のオリジナル盤はずっと縁が無く、今でも欲しい一枚です。

兎に角、ハード・バップの神髄、それも50年代ではなく60年代の熱いいぶきを全身に浴びるには最上のもの。

バード、モーガンではなくハバード一人に絞ったライオンの慧眼が光り、10年後、見事に証明されている。

 

 

 



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (azuminojv)
2021-06-17 18:43:51
こんにちは

この三部作は、素晴らしいものばかりで、折に触れて私も聴いています。トップにフレディー・ハバードの「GOIN’ UP」を挙げられましたが、私もそう思います。学生時代にこのアルバム(リバティ盤)を購入したのですが、演奏が素晴らしく迫力があって、凄いなと繰り返して聴いていました。他の二枚(日本盤ですが)も愛聴盤です。
返信する
Unknown (avengerv6)
2021-06-17 21:32:21
こんばんは

「GOIN’ UP」の凄さは、素直に聴けば直ぐ判りますね。
昔、ハバードを悪党扱いし大嫌いと叫んでいた某有名ジャズ喫茶店主、物書き屋が「フレデイと知らなければ実に優れたトランペッターだ」と宣っていましたが、逆にこれほど客観的なコメントはなく、本人が気が付いていない所が面白く、内心は一番、好きだったのでは(笑)・・・・・・、保身のためにフレディーを貶していたと勘繰りたくなります。
アップ・テンポの曲も良いですが、バラードの”I Wished I Knew”の情感も素晴らしいですね。とても22歳とは思えません。

コメント、ありがとうございます。
返信する

コメントを投稿