あの頃、「しゃんくれ~る」が京都ジャズ喫茶のメッカ的存在として人気があった秘訣の一つは、新譜の入荷が一番早かった。
恐らく独自のルートを持っていたのだろう。例えば、C・ロイドの”FOREST FLOWER"なんか、他店にまだ無い時、「しゃんくれ~る」ではばんばんリクエストで流れており、運が悪いと「先ほど掛けたばかりなので・・・・・・・」と。
この”JCOA”(1968年録音)もSJ誌の海外新譜コーナーに載ってからまもなく掛かった。つまり本国とほぼリアルタイムでジャズレコードを聴ける環境だったので必然的に他の店よりある意味で耳が進んだ人達があの赤カーペットの階段を上がっていった。初心者の自分は肩を窄めて・・・・・・・・
その時のカヴァは、下のブラックだったような朧げな記憶があり、上のシルバーはリ・イシューもの(ECM盤)で、ブラックはECM盤のインナー冊子にあります。また、JCOA盤はゲート・ホールドではなかったような・・・・・・・・
それはともかく、この手のレコードはジャズ喫茶で充分な音量で聴くものと勝手に決めていたけれど、もうそう言う状況は困難と思い、諦め気味にECM盤を可哀そうな位の安価で入手。
当時から前衛ジャズの名盤、傑作として不動の評価を得ている作品ですが、改めて聴いても間違いありません。前衛ジャズに対する一部の歪んだ先入観は無用です。
ただ、このECM盤、耳に残っている音とちょっと違うような気が。特に2枚目、C・テイラーの圧巻のパフォーマンスを聴くと、オリジナルJCOA盤の壮大なスケール感がECM・スケールに・・・・・・ ・・・・
同時期、「しゃんくれ~る」で記憶に残った"A GENUINE TONG FUNERAL / GARY BURTON"、邦題「葬送」。
この作品の良さを上手く語る術を知らない自分がもどかしい。優れたアルバムですね。
今思えば「あの頃のJAZZ」は本当に凄かった。「何でもあり」だが「芯」もあった。
音楽も、モノづくりも、本気だったんだなあ、としみじみです。
「しゃんくれーる」では反射して見難かったので冊子の表紙(ブラック)を飾った可能性が高いですね。
その冊子もスコアからスタジオ写真等々、確かに取り組む姿勢が何もかも真剣だったんですね。