いささか旧聞に属しますが、10月15日付の日経新聞のコラム、「2000年企業 成長と持続の条件」に福島県の「大七酒造」が紹介されました。
それによると、七月に洞爺湖畔で開かれた主要国首脳会議の晩餐会の乾杯酒に大七酒造の純米大吟醸酒「妙化蘭曲(みょうからんぎょく)」が選ばれたという。
初めて目に、耳にする銘柄なので、興味深く読んだ。東北の日本酒というと、どうしても宮城とか秋田がすぐピーンと来てしまい、自分だけかもしれないが、福島とは、意外でした(勉強不足で失礼しました)。
大七酒造の日本酒は、すべて江戸時代の元禄期に始まった酒造法「生酛(きもと)造り」で生産され、乳酸菌などの微生物の複雑な働きを利用し、添加物を一切使わず、通常の二倍以上の時間をかけて醸す、とコメントされている。
そして、2005年、創業250年記念事業として完成させた酒蔵の新社屋の投資額は年商約10億円に対し、ざっと20億円という。それが、タイトル・コピー「身の丈 超える経営」となっている。
ところで、年商10億円というと、均すと月に83,000千円、日に2.800千円弱となり、それも小売価格ではない?はずなので、僕のような世間知らずの頭には想像を絶する数字です。
まぁ、それだけ「大七 生酛」が広く酒飲みに支持されている証拠なのでしょう。
ところで、少し前、時々行く近くのあるこだわりの食品スーパーに寄ってみると、タイミングよろしく「大七 生酛」の特設コーナーが設けてあり、迷わず三本購入しました。今まではこの銘柄は取り扱っていなかったので、間違いなくこの新聞の影響なのでしょう。まさに「ペンは剣より強し」ですね。
左から「純米生酛」、「極上生酛」、「からくち本醸造生酛」、早速、飲んでみました。いずれもアルコール度は15度です。
まずは、真ん中の「極上生酛」、これは!これは!直球ど真ん中ストライクです。15度でこれほどまでにガツーンと喉から食道、胃袋に沁み渡ってくる日本酒は初めて。美味い!です。これは危険な酒ですね(笑)。本格派です。ある意味で、現代日本酒のトレンドとも言える、淡麗さ、フル-ティーさとは対極的な味ですね。
次に左の「純米生酛」、「美味しいお燗酒 第一位」なんて触込みですが、納得しますね。冷では「極上生酛」ほどのインパクトがありませんでしたが、燗をすると、豹変します。正に日本酒という感じで、結構、ハードです。おっさん好みと言うと、怒られますかね(笑)
右の「からくち本醸造生酛」、こちらは口に含んだだけでは辛口を感じませんが、喉を通る時にハッキリと解ります。味わいがやや遠く感じられるので、通常では僕好みではありません。
だが、この酒を寿司と合わせて飲むと、その本領を発揮します。酢の甘さと抜群の相性を示します。今までの最高ではないでしょうか。皆さんも、是非、お試しくだされ。勘定が怖い?かも。
いずれにしても、全てが「生酛(きもと)造り」とは、半端じゃできませんね。恐れ入りました。
いつの日か、純米大吟醸酒「妙化蘭曲」を味わってみたいです。
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