クロネコを見つけた。宅急便ではない、ブログにあった黒い猫の写真である。
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猫のツラが何とも言えず、佳い。
眉間のあたりのザラザラ感がよい。
髭を1本1本はっきりさせないのがまたよい。髭が目立っては肝心の目玉に見る眼がいかない。
これを見ていて思い出した。
むかし黒白写真をあれこれ撮っていた。
黒白写真は、色がないかわりに味がある。
「白鳥の湖」の舞台稽古を撮る機会があって、そのときの印画が残っている。
猫の画面のザラザラ感が、この写真を思い出させてくれた。
f3.5 のカメラで図々しく乗り込んでいた。フィルムはトライX、現像にはあれを使った。現像液の名前が思い出せない。
ネコ⇒ニャン、違う。ネコでなければイヌか、キャンドールだ。
キャンドール、ロウソクの光でも写せるという洒落だろうか。
1度くらい高めの温度で、ぐいぐい時間を延ばす。カンが当たれば、ハイ・コントラストのほどほどに粒子の荒れたネガが出来上がる。
夏の座敷暗室では、気温より10度も液温を下げなければならず、冷蔵庫の氷のお世話になった。
その氷も、扉を開ければザクザク出てくるのではない。大きな塊を、縫い針と金槌を使って、細かく砕かなければならなかった。
針で氷を割ることなど、知っている人はまだいるだろうか。