森林オフセットという商売があるという。
森林をオフセットするのか、ずいぶん大変な事業ではないかと思った。
森林を隣の山に移して、眺めのよい元の山をリゾート開発にでも向けるのだろうか。
また生態系がかき回され、水の流れも変わってしまうではないか。そんなことを考えたが、大違いだったようである。
オフセットというのは、もともとは差引勘定のことで、基準値との差がどれくらいかという意味だった。
ホイールオフセットとやらで、車体側の取り付け面とホイールの中心面のずれを表す用語もある。この寸法によって走行性や安全性にどう影響があるのかは知らないが、凝る人もいるらしい。
オフセット印刷は、インクの付いた版と紙面とを直接触れさせずに中間転写体を介して印刷する方法で、ここでは値の差の概念はどこかに行ってしまい、位置をずらせることだけになっている。
このあたりが思い違いのもとになった。オフセットとは、ちょっとずらせるだけのことなのに、森林が隣の山へお引越しなどと思ってしまった。感覚ずれのオフセットだ。
森林オフセットは、森林カーボンオフセットと言わなければ、何をするのかつかむことはできなかったのだ。
話の道筋がオフセットされて、1回ではすまなくなってしまった。
続きは明日に送る。これはオフセットとは言わないのだろう。