見ている夢の中で、その夢の意味がわからないことが、ときどきある。
自分の行動は、夢の中でも、どこかで納得しながら見ている。適否善悪には関係なくても、していることは自分のこととしてわかっているものである。
自分のことという意識は、起きているときよりもむしろ強いのではないかとさえ思う。
ところが、ふと半分目が覚めかけてかどうかもわからず、自分の見ている夢が、何なのか、さっぱりわからないことがある。
どのような、などと聞かれても、説明のしようがない。
痛くもかゆくも、嬉しくも悲しくも、快くも腹立たしくも、何ともないのである。
鬱か躁か、それなら言い表しようもあるが、そのどちらでもない。
頭の中が真っ白などというのではない。
あれは、何も考えられない状態ではなく、白い状態なのだ。
真っ白は一色、そういう潔白証明用の色で、塗りたくった自分がいるのだから、何もわからないのとは違う。
ことによると、情報になりそこなった電磁波が、脳に刺激だけを与えて消えてしまっているのかもしれない。
そういう難解な夢は、放射性夢とでもいうのだろうか。
あえて文字にすると、妙な連想にたどり着きそうだが、あることだけは確かにある。いや、不確かだがある。