描くという字が常用漢字に選ばれたときは、えがく人の手による細かい筆遣いの表現が想い浮かべられていたのではないかと思います。
絵では、微細な表現がものをいう場合もあれば、全体の大まかな感覚が人の心を打つ場合もあります。
また、えがくのは絵ばかりではなく、何事かのビジョンのように文字で表すこともあります。
文字の統一と一口に言っても、1には程遠い識字率ものを1に近づけるのと、2~3種を1にするのとでは、大きな違いがあります。
読みかた聞こえ方が同じでも、それぞれに意味をもった漢字を一つずつにしてしまった常用漢字制は、恩着せがましくこれは単純で便利と思わせながら、日本国民の文化水準を低下させた大工作の成功要因の一つだろうと思っています。