・・・・・・あわぞうの覗き穴・・・・・・

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こんなのもありか?:8 序禁

2019年03月14日 | つぶやきの壺焼

法治国という、奇妙な、ときには便利に使われる呼び名があります。

法律によってきっちり治められているしっかりした国という見方もできれば、法に触れなければ、あるいは法をうまく潜り抜けられれば、何をしてもいい国という見方もできます。
どちらにしても、誤解にせよ、人より法が先というところが、そのまま受け入れにくいところです。

法律をいちばんよく知っていて、それを根拠に人の行いを裁く仕事をしている裁判官は、憲法と裁判所法によって資格や仕事の割り当てが決められています。

それについて、どういうことが定められているのかと、あらためて調べてみます。
憲法 第七十六条には、「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」という条文があります。
裁判官の行いは、それぞれの良心次第ということになっているので、天皇制などと怪しげな呼び名だけの実在しない制度に反対を表明してみせる、おかしな裁判官も出てきます。

第五十八條 裁判官ハ法律ニ定メタル資格ヲ具フル者ヲ以テ之ニ任ス
という、前の憲法にあった、裁判官になる資格を定めた条文は、消えてしまっています。
裁判官になってからどうする以前の、どういう人を裁判官にするかという肝心な決めごとがないのです。
裁判所法 第五十二条 (政治運動等の禁止) 裁判官は、在任中、左の行為をすることができない
一 国会若しくは地方公共団体の議会の議員となり、又は積極的に政治運動をすること。
二 最高裁判所の許可のある場合を除いて、報酬のある他の職務に従事すること。
三 商業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと。

この条文にも、疑問のたねがつまっています。
在任中の禁止行為が、政治運動とお金儲けがいっしょくたにされ、序でに禁止しておけという程度の軽みさえ感じます。
両者が深く結び付いているかのような暗示を与えながら「又は」書きの禁止事項を標題にしておいて「等」つきで体裁を整え、とってつけたような切り貼り編集的条文になっているとも見られます。
在任中には積極的政治運動はできないとされても、就任前なら反日活動の実動工作員であってもよいのか、そういう思想の持ち主も裁判官に任ぜられるのかという、はなはだ心もとない法のもとに、私たちの生活が預けられているかと思うと、春の風もうす寒く感じるところです。

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