魚は氷に上りて人は歩くのみ
七十二候の一つ、立春の第三候。
水が温んで、氷の割れ目から魚が氷の上に躍り出る季節をいう。
二月十四日頃から十八日頃までの約五日間に当たる。
一説に、魚が氷に沿って川を遡る意味ともいう。
魚氷に上る季節となり、少し暖かくなった。
そうなると、人は歩くだけである。
氷に上る魚や川面は木を映し
魚は氷に上りて人は歩くのみ
七十二候の一つ、立春の第三候。
水が温んで、氷の割れ目から魚が氷の上に躍り出る季節をいう。
二月十四日頃から十八日頃までの約五日間に当たる。
一説に、魚が氷に沿って川を遡る意味ともいう。
魚氷に上る季節となり、少し暖かくなった。
そうなると、人は歩くだけである。
氷に上る魚や川面は木を映し
紅梅や母を呼ぶ子が橋の上
紅色の花をつける梅をいう。
白梅のもつ高貴な雰囲気はないが、親しみが感じられる。
一般に花期は白梅よりもやや遅いといわれているが、早く咲くものもある。
川堤の脇に紅梅が咲いていた。
橋の上から子供が、紅梅の近くにいた母親を盛んに呼んでいた。
紅梅に母の面影ありにけり
翡翠
川縁の細枝にをり春の鳥
唐椋鳥
春に見かける鳥をいう。
目白
春には種々の鳥が家の近くや野山に姿を見せる。
多くの鳥が繁殖期に入ることから活動が活発になる。
雉鳩
縄張り宣言や恋歌とも聞える囀りをするので賑やかになる。
また、羽を換えて美しく装う鳥も多く、飾り羽の生える雄鳥もいる。
翡翠
川堤を歩いていると、川縁に生えている木の細枝に翡翠が止まっていた。
翡翠は夏の鳥となっているが、今は春の鳥として見入った。
尉鶲
春禽に足止めて我忘れけり
早春やジョギングコース歩く人
立春以後、だいたい二月末頃までをいう。
春になったとはいえ、まだ冬の名残の寒さが目立つ。
「春浅し」に近く、春早々の気配と、また凛とした空気も感じられる季語である。
早春の気が漂っていた。
そんな中、公園のジョギングコースを歩く人がいた。
鷺下りてきぬ早春の用水路
気がつけば真夜となりけり朧月
朧に霞んだ春の月をいう。
ヴェールのような薄雲が広がる夜には、月は雲を通して朧に見え、暈がかかることも多い。
宵には春満月が綺麗に見えていたが、後で写真を撮ろうと思ってすっかり忘れてしまった。
真夜中に気づいて見上げたら、薄雲があっという間に広がり、朧月になってしまった。
ファックスは訃報なりしよ月おぼろ