参拝す卯月曇の村社
陰暦四月、卯の花の咲く頃の、降るでもなく晴れるでもない曇り空をいう。
晴れれば気持ちのよい初夏だが、一度天気がくずれるとなかなか回復せず、梅雨の走りを思わせる。
卯の花の咲く頃合いにあたるので、「卯の花曇」ともいう。
今日は卯月曇であった。
そんな中、北多摩の村社を訪れ、参拝した。
団子屋の小窓も卯月曇かな
参拝す卯月曇の村社
陰暦四月、卯の花の咲く頃の、降るでもなく晴れるでもない曇り空をいう。
晴れれば気持ちのよい初夏だが、一度天気がくずれるとなかなか回復せず、梅雨の走りを思わせる。
卯の花の咲く頃合いにあたるので、「卯の花曇」ともいう。
今日は卯月曇であった。
そんな中、北多摩の村社を訪れ、参拝した。
団子屋の小窓も卯月曇かな
バス避けて茅花流しを見てをりぬ
五月頃吹く、湿気を含み雨を伴うことの多い南風を「流し」という。
「茅花流し」は、茅花、すなわちチガヤの花穂が白い絮をつける頃に吹く湿気を含んだ南風をいう。
梅雨の先触れとなる季節風につけた美しい名である。
歩道のない道を歩いていると、バスがやって来た。
バスを避けるために野原の方に向きを変えると、そこには茅花流しが見られた。
百均に菓子買ひ茅花流しかな
薫風や一万歩超す一休み
青葉を吹く風が緑の香りを運ぶ心地よい風をいう。
和歌では、花や草の香りを運ぶ春風の意であったが、連歌で初夏の風として意識され始めた。
元禄時代になって俳句の季語として使われ、以後今日まで伝わっている。
三夏いつでも吹いているが、「風薫る五月」というように、初夏の五月にこそふさわしい季語といえる。
歩いていて一万歩を超したところで、自動販売機のジュースを買い、ベンチで一休みした。
その間も薫風は吹き渡っていた。
風薫る木の間に覗く昼の月
畑の上(へ)に浮かぶ夏雲近かりき
夏空に現れる雲をいう。
積雲と積乱雲が代表的な夏の雲である。
積雲は綿雲ともいわれ、積乱雲は入道雲(雲の峰)のこと。
雲の峰は聳え立つ入道雲の威容を山並みにたとえていう。
各地には積乱雲の発生しやすい地形があり、愛称をつけて、「坂東太郎」、「丹波太郎」、「信濃太郎」、「安達太郎」などと呼ばれる。
畑の上に夏雲が浮かんでいた。
雲は手が届きそうなほど近くにあった。
葉書手に向かふポストや雲の峰
窓閉めてよりた走れる雷雨かな
雷をともなった激しい雨をいう。
雷は空中に上昇気流が発生するとき、雲の上方と下方の間で起こる放電により、発光と音響を発生する自然現象をいう。
上空が冷え、地表付近が高温多湿のとき上昇気流が発生しやすいので、夏に多い。
雷がゴロゴロと鳴ったと思ったら雨が降り出した。
ピカッ、ゴロゴロと近くに聞こえると、雨は地面を打ちつけるように降り、風も激しくなった。
正に雷雨であった。
玻璃戸より見てゐるのみや大雷雨