俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

障子

2018-11-20 | 俳句・冬・人事




白障子開けて掛軸見られけり




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日本座敷の内外を仕切る建具の一種。

片側にのみ和紙を貼り、光を採り入れつつ寒さを防ぐ。







障子の種類は多いが、現在では採光のできる明り障子を

指す。

障子を通してほのかに光の入った座敷は明るく感じられる。







元庄屋だった屋敷の白障子を開けると、座敷の奥の床の間

に掛かっている掛軸が見られた。






髷を結ふ男ゐさうな障子かな




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枯蓮

2018-11-19 | 俳句・冬・植物




枯蓮に動くものとは日差しのみ




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冬になってすっかり枯れ果てた蓮をいう。







夏の間、青い大きな葉を開いていた蓮も、冬になると枯れて

水中に没したり、泥中に折れ曲がった葉柄を突き立てたりと、

哀れな姿となる。







上野の不忍池などでよく見られる風景である。







水が涸れると蓮田で蓮根掘りが始まる。







枯蓮の池があった。

全く動かぬ死の世界で、唯一日差しだけが少しずつ動いて

いた。






素通りのできざるものに枯はちす




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朴落葉

2018-11-18 | 俳句・冬・植物




薄暗きところに敷かれ朴落葉




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朴はモクレン科の落葉高木。







葉の長さは三十センチ以上あり、芳香がある。







初冬の山道を埋めるように大きな葉が落ちていることもある。







朴の葉が暗がりに、円形に敷きつめられたように夥しく落ち

ていた。






音幽か後ろに降りし朴落葉




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枯蘆

2018-11-17 | 俳句・冬・植物




枯蘆やボート一艘池に浮き




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枯れた蘆をいう。







冬が深まると、枯れ切った蘆は葉が下から散って、枯色の

茎だけが林立する。







その景は物寂しい。







〈津の国の難波の春は夢なれや蘆のかれ葉に風わたる也

 西行〉など、枯蘆は古くから詠われ、古来の伝統を持つ

季語といえる。







枯蘆が池の端に襖のように立ち並んでいた。

その池にはボートが一艘だけ浮かんでいた。






対岸の枯蘆昼の日を受けぬ




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冬菊

2018-11-16 | 俳句・冬・植物




冬菊や茅葺屋根の家の庭




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キク科の多年草。







普通種の遅咲きのものをいう。







古歌に「秋無草」「霜見草」などと呼ばれているのは「冬菊」の

こと。







移築した茅葺屋根の農家の庭先に冬菊が咲いていた。






冬菊に白き夕日の差してをり




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