俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

冬の山

2019-11-25 | 俳句・冬・地理




戦国の城跡よりの冬の山




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冬山にも様々な景がある。







草木が枯れて蕭条とした「枯山」や雪の積もった「雪山」など。







また、激しい季節風の吹き下ろす山、うすうすとベールを

まとった穏やかな山などもある。







高知県の四万十市を訪れ、レンタサイクルで各地を回った。







戦国時代の中村城跡に建つ、城を模した四万十市立郷土

資料館の展望台からは四方の冬の山々が望まれた。

昔もこのように山々を眺めたのだろうと思った。




石見寺山


寺の名を持つ冬山や寺ありて




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冬の暮

2019-11-24 | 俳句・冬・時候




お終ひは草地歩きて冬の暮




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冬の夕暮れ時のこと。







「短日」は時間的な実感を表す季語であるが、「冬の暮」は

暮方の情景に目をとめた季語であり、空間的な印象が

濃い季語である。







都会にも、田野にも、浜辺にもそれぞれの冬の暮があり、

それぞれの趣がある。







冬の夕方は早くから電灯がともり、空には寒々とした星が

輝き出す。







一日歩いてきたお終いは草地を歩き、冬の暮となった。






岩の上に川音聞きぬ冬の暮




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侘助

2019-11-23 | 俳句・冬・植物




侘助の向かうを通る人の声




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ツバキ科の常緑高木。

唐椿の園芸品種。







観賞用に庭木として植えられ、特に茶花として好まれる。







花は一重で小さく半壊し、全開しない。







花色は赤、白、赤地に白の絞りなどがある。

種子はできない。







侘助が控え目に咲いていた。

その向こうを通り、静かに話しながら行く人の声が聞えた。






侘助や早や一日の終はらむと




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枯芒

2019-11-22 | 俳句・冬・植物




バードサンクチュアリー近くの池の枯芒




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穂も葉も枯れつくした芒をいう。







風に吹かれる姿は淋しげであるが、そこにまた冬の風情が

ある。







古典では枯尾花の用例が多いが、現代では枯芒と詠む

のが一般的となっている。







芒は枯れて穂絮の飛ぶ頃になると、朝夕に光を放つ。

その淋しい華やぎは、正に俳諧の世界ともいえる。







池の奥にバードサンクチュアリーがある。

その近くに枯芒が日に白く輝いていた。






昼の日に傾(なだ)れてゐたり枯芒




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帰り花

2019-11-21 | 俳句・冬・植物




里山の裾の木洩れ日帰り花




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小春日和に誘われて咲く季節外れの花のことをいう。







俳句では桜のことを指す場合が多いが、躑躅、梨、桃、

山吹、藤、菖蒲なども帰り咲く。







「忘れ花」「狂い花」などともいうが、微妙なニュアンスの

違いがある。







帰り花は大体が数少ないので、花の盛りの頃と比べると

一層淋し気である。







里山を入った所に躑躅の帰り花が咲いていた。

木洩れ日が差して、少し侘しい感じであった。






社への参道脇や返り花




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