薄雲のかかつてゐたる春の月
単に月といえば秋の季語なので、特に春の一字をつけて春の季語とする。
春の夜は大気中に水分が多いため、月は潤んで見える。
秋の月はさやけさを愛で、春の月は艶なる風情を楽しむ。
今日は満月だったが、春らしく薄雲が出て月がにじんで見えた。
春満月見てよりカレー作りけり
薄雲のかかつてゐたる春の月
単に月といえば秋の季語なので、特に春の一字をつけて春の季語とする。
春の夜は大気中に水分が多いため、月は潤んで見える。
秋の月はさやけさを愛で、春の月は艶なる風情を楽しむ。
今日は満月だったが、春らしく薄雲が出て月がにじんで見えた。
春満月見てよりカレー作りけり
目に優しはうれん草の深緑
アカザ科の一・二年草。
西アジア原産。
早春の代表的な緑色野菜で、ビタミンCや鉄分を含む。
お浸し、和え物、炒め物などに広く使われる。
根元の赤い在来種は江戸時代に渡来し、丸葉で根の白い西洋種は明治時代に渡来した。
畑に菠薐草の列が見られた。
菠薐草の深緑色は目に優しかった。
酒すすむ菠薐草の炒め物
獺祭(だつさい)やたあれもをらぬ川堤
七十二候の一つで、二十四節気の雨水の初候。
陽暦二月十九日から二十三日頃までの約五日間に当たる。
獺が捕らえた魚をすぐには食べず、岸辺に並べておくという意味である。
なお、正岡子規の別号「獺祭書屋主人」はこれにちなむものである。
獺魚を祭るの候となった。
本来なら少しずつ暖かくなる時期であるが、今年は初春が暖かすぎた反動で厳しい寒の戻りとなっている。
そのせいで、川堤には歩く人は誰もいなかった。
魚祭る獺(をそ)や暗雲垂れ込めて
イヤホンはシベリウスなり冴返る
立春を過ぎて暖かくなりかけた頃に、また寒さが戻ってくることをいう。
再びの寒気によって、心身の澄み渡るような感覚が戻ってくる。
早春の寒さという点では「余寒」「春寒」と似ているが、「冴え」という言葉からは、色や光のより感覚的な働きがある。
散策するときはイヤホンをつけて音楽を聴いている。
シベリウスの曲を聴き、冴え返った感が更に深まった。
寒戻る木を映しゐる潦(にはたづみ)
薄紅梅明日安かれと佇みぬ
バラ科の落葉高木。
中国原産。
色の薄い紅梅の花をいう。
華麗な紅梅と違い、清楚な美しさがある。
薄紅梅が咲いていた。
その下に佇み、明日も穏やかな一日であるようにと願った。
川岸の薄紅梅に日差しけり