毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「乙武さん“騒動”で感じたこと」 2013年5月23日(木) No.658

2013-05-23 19:56:47 | 日記
日本の皆は知ってるとは思うけど、何日か前、
乙武洋匡さんが車椅子で、予約した銀座のイタリアンレストラン(ビルの2F)に
食事に出かけたところ、車椅子であることを理由に断られた。
「車椅子であることを事前に告げるべきだ」
「ほかのお客様の迷惑になる」
という理由で。
乙武さんが、下まで降りてきて抱いて席まで連れて行ってほしいと頼むと、
忙しいことを理由に拒絶された。
「これがうちのスタイルなんでね」
と言われ、乙武さんは腹を立てて、twitterにこの店の名前を出して
「銀座での屈辱」(「カノッサの屈辱」とか昔習ったなあ。関係ないけど
と名付けた。
その後、twitterは
レストラン非難の意見、乙武さん非難の意見で‘炎上’した。
「店の障害者に対する対応の悪さ。障がい者に対する理解のなさ」、
「乙武さんが事前に車椅子で行くことを告げなかった常識はずれ。
しかも店の実名まで出して大人気ない」、
と、二つの意見が真っ向対決みたいになったそうだ。

この騒ぎ方は、ここ何年もの日本人の傾向の典型的パターンだ。
そりゃ、喧嘩している当人たちは
頭に来ているから、店の実名を出しちゃったり(乙武側)、
車椅子であることも言わずに来て、こっちは今忙しいんだ(店側)、
となることは、そんなに不思議ではない。
とにかくカッカと怒っているから、私も当事者ならするかもね。

しかし、当人たちが怒ってちょっと過激になったからといって、
それを頭ごなしに断罪するのは、周りのもののすべきことではない。
少なくとも、周囲は当人同士より冷静に、
あれこれ思いを巡らすことが可能なのだから。
このすぐさま決めつけたり、断罪したりするのは近年の日本的悪い癖だ。
この乙武さんの入店拒否‘騒動’で一番気になったのが
周囲のtwitter意見が優しくないことだ。
当人同士がハッピイになるように、手助けしようという方向で意見が炎上したら
どんなによかっただろう。
みんな、もうちょっと、心にゆとりを持とうね

(乙武さんは、気軽に「抱いて席まで連れて行って」と言ったんだろうな。
いつも彼の周囲はそんな雰囲気が満ちているのだろう。
アメリカでは、障害者が援助を求めたら(求めていなくても)、
即座に見ず知らずの周辺にいる人たちが
「Can I help you?」と声をかけ、手助けしていた。
お店の人は、
「他のお客さんに迷惑」と言わず、
「他のお客さんに手伝ってもらいましょう」
と、言ってあげたらヨカッタのにな。
でも、そう思えるのにも、教育や体験が大いに影響するから、
周囲が、レストラン店主に優しく忠告してあげれば、今回のことで学ぶのでは・・・)
と私自身は感じた。
コメント
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